よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

大手ハウスメ-カ-の行方

2010-03-30 08:33:24 | 住まいづくりの進め方、考え方

私が、 20代の頃、大阪の工務店に勤め、現場監督をしてた頃、その会社は年間12億円程度の物件をハウスメ-カ-から下請けしていた。
今は残っていない、殖産住宅と言う会社で、その当時まだ展示場展開をしていなかった時代のトップメ-カ-であり、多分2年連続売り上げNO1の記録も残した会社でもあった。

私が、最初手がけた物件は、3階建ての鉄骨造の店舗で、殖産住宅の受注金額は5000万円で、現場に渡された予算は3000万円で、工期は3ヶ月の厳しい工事期間の中で現場は動き、実行予算から更に10%の利益を上積し完成した。

結局、実際現場に要した費用は受注額の60%であり、4割以上が、経費と利益になっており、現在も大手の利益配分は多分その当時と変わっていないだろう。
大手であるため、その多くの経費は人件費となり、母店経費、支店経費、下請経費、に多くの費用が使われ、結局必要とされる建物に使われる実質予算は6割程度となってしまう。

これは大きさ故の宿命であり、大きな図体を動かして行くにはそれだけのエネルギ-が必要となり、そのエネルギ-がつまり、莫大な資金であることは否定できない。

資金に見合う”見た目”を作るため、メ-カ-はデザイン優先の商品を作り、出来るだけ安い材料で見た目に良い物を作らなければならない。

当然無垢材では作れず、人工的素材に、ペンキを塗り、クロスを貼り、自然素材からかけ離れた所で商品開発を強いられる。
坪単価80万円もする家であっても、殆どがクロスと集成材で仕上がってしまい、それすら疑問に感じない消費者が居ることも確かで、今なお多くのハウスメ-カ-が生き残ってる。

我々設計者から見ると、決して魅力的な商品とは思えず、それだけの予算があるなら、もっと良い物が作れるのに・・。とその予算を聞く度思ってしまう。


大手ハウスメ-カ-の行方

2010-03-29 08:08:13 | 住まいづくりの進め方、考え方

 30年前、ハウスメ-カ-は、全国展示場展開により爆発的な進歩を遂げ、集客力を伸ばし、保守的な和歌山にハウスメ-カ-は適応出来ないだろうと言われていたが、総合展示場の進出により、一時期は住まいの平均坪単価最高額を記録した。

その当時の全国平均年収の中で和歌山は、ワ-スト10に入っており、産業の無いこの和歌山が坪単価の高い家を買う背景には負の要素が働いており、保守的だと言われていたその当時の心理的要素が高かったのだろうと思われる。

和歌山だけではなく、日本には守る体質が強く、みんなが買う物には警戒心を起こさず買う、日本人の体質でもあり、ブランドに弱い日本人だとも言える。

みんなが良いと言う物を買い、自分一人が損をするのが怖く、みんなが損をする中での損は納得出来る、と言ったような大衆心理が働き、自分の本音で動こうとしないのが日本人だったのかも知れない。

「出る杭は打たれる」 「長い物には巻かれろ」を信条とした日本人の体質が有ったのかも知れない。
多くの情報が簡単に入手できるようになった今、私達日本人は、自分を守る手立てを多くの情報の中からどのように見極めていくのだろうか?


保証

2010-03-26 20:44:38 | 住まいづくりの進め方、考え方

 保証大国日本、と言ってもいいかもしれない、家電から、車から、住宅まで殆ど保証が付き、保証が付いているのが当たり前で、保証のラベル無しでは物は売れない時代なのかも知れない。

これが世界に誇れる技術力ゆえの事なのだろうか、それとも、日本の保証つまり、守られる事を心地良しとする日本の気質なのだろうか?

守られる事に慣れてしまった日本は、物の本質を見抜こうとする眼力はなくなりつつあり、自分で見分ける事をしなくなった。
保証の無かった頃、物づくりが日本に目覚めた頃は、多分物事を見分ける眼はしっかり持っており、自らが家を守り、家が傷めば親父が大工道具を取り出し修理をし、長い年月家を守って来た時代も確かにあった。

日本も経済的に安定し、安定と共に物を見抜く必要もなくなり、高額な物が買える時代と共に価値観が変わり、
ブランドに頼るようになり、ラベルを誇る風潮が生まれ、高価な物を買うことで安心を得るようになってしまったのかも知れない。
経済大国と言えなくなってしまった今、私達は物を見極める眼を持ち、ラベルに頼らず、理屈で物事を考える意識を持たなければならない時代になり、保証に頼らない眼を持たなければならない。


 


保証制度

2010-03-26 07:35:18 | 住まいづくりの進め方、考え方

 保証は昔から家電商品に多く存在しており、1年保証から近年5年保証と言ったような長期保証が家電商品に見られる用になってきた。
この現象は消費者が保証の付いている商品を求めているからで、本格的な保証の時代の始まりかも知れない。

見方によれば、それだけ故障しないだけの日本の技術力が向上したとも言える。
精密機械、家電商品、建設機械、全てにおいて日本技術は世界に誇れるものをもち、性能を持っているのだろうが、その保証が工場生産品に留まらず、建築の建物に対しての保証が、昨年国土交通省のもと法案も通り、10年保証が義務づけられる事となったが、保証基準中に多くの問題を残し、結局そのアバウトの基準を満たすため、施主に負担を強いる結果となっている。

このように、保証は消費者にとって安心の目安とは成り得るかも知れないが、時には安心を買うために多額のお金を出さなければならない事にもなる。

 



 


基礎

2010-03-25 07:46:37 | 住まいづくりの進め方、考え方

 近年、国土交通省から建物保証制度が義務化される事となったが、はたしてこれは消費者にとって利益をもたらす法律となるかどうかが疑問に思える。

国土交通省が建物保証制度にまで介入する事により、国土交通省の組織に利益をもたらす事は間違いないだろうが、保証がエスカレ-トしこの制度を利用して利益を計ろうとする企業がでる可能性は高いとも言える。

今年に入り、立て替えの為45年前の鉄筋コンクリ-ト二階建てと木造平屋の二棟を解体した。
地盤は粘土質ではあるが、建物の中では最も重い
コンクリ-ト造も45年間で沈下もなく、地耐力はこの建物を支えるには充分の耐力を持っていたと言える。

今回、その後に建てる建物は、木造平屋建てで、鉄筋コンクリ-トに比べれば五分の一程度の重さ程になるだろうが、国土交通省が定めた基準に20KN以下の場合安全対策を講じなければならないと定められているが、これは建物の重さに関係なく、平屋の建物でも、3階の建物であっても、建物の規模に関係なく定められた基準となる。

今回の平屋建ても、この基準のため杭打ちをしなければならない調査結果が出てしまい、保証会社が設計した杭本数は52本が必要との報告書が届いたが、杭耐力から逆算すると200㌧以上の重さに耐えられる耐力を保有する基礎となり、実際建てる平屋の建物重量は80㌧程度の重さしかない。

工学的判断により保証会社との交渉で、38本まで本数を減らすことで保証を付けてもらえる事となったが、何も知らない場合、52本の杭を打ってしまう事となっているだろう。
このようにして、保証は建築主にとっては保証を付けるために無駄な杭打ちを強いられてしまう結果となる。



打ち合わせ

2010-03-20 07:42:53 | 住まいづくりの進め方、考え方
 打ち合わせは出来るだけ多くの時間をかけ検討するのがいいが、各家庭の都合もあり、なかなか時間が取れない場合が多く、時間が空きすぎると前回の打ち合わせも復習しながら進めないとならなくなる為、限られた打ち合わせ時間を有効に使う事もままならなくなってしまう。

ネットを利用した打ち合わせは、思いついた時、疑問に思った時など、電話とは違い情報量も多く。言葉の説明だけでは分からない時なぞ大いに役立つ、カタログが必要なときそのURLを貼り付けることにより同じ情報も共有出来、現場が動き出しても自宅に居ながら現場を見る事も可能となってくる。

文明の力により、他府県のクライアント様の仕事も簡単にできる事となる。
過去には、岡山、姫路、東京、神戸での物件を設計させて頂いた事があり、東京での物件はス-パ-マ-ケットの仕事だった為、朝8時の飛行機で飛び、夜8時の便で帰る打ち合わせをしたが、この時今のシステムが使えていればと思える程、便利な時代となった。

打ち合わせ

2010-03-19 09:51:37 | 住まいづくりの進め方、考え方

 今、奈良にお住まいのN様と打ち合わせが進んでおり、聞けば、この事務所を訪れる際、電話を入れたが、応対に出た私の反応が無愛想だったようで、その時の対応がどんな話しだったのか覚えていない。

今後、反省しなければいけないと感じながら、スカイプの文字を通して、その時の奥様の表現が、実に楽しく書き出され、声を出して笑いながら、書き出される文字を追った。
それは、昨日のやりとりの中でのことで、実はかねてより、PC通信を使って打ち合わせが出来れば、両者の都合に合わせなくても、お互い手の空いたとき、交信し要望や、それの図面をウエッブカメラを使って打ち合わせが出来れば、行き来の時間も省け、思いついたときに伝えることが出来るので、使って見たいと思っていた。

丁度、そんな時、N様が当社に訪れ、お住まいは奈良で、和歌山までは一時間以上かかり、その往復時間を考えると、大きな時間の無駄が強いられる事となる。
”ならば”・・とN様に提案したところ快く承諾していただく事となり、スカイプ無料ソフトをダウンロ~ドしていただき、文字を打ち込み、指がつかれて来ると、音声に切り替え、カメラを出し、リアルタイムのプラン打ち合わせをして、N様もPCにウエッブカメラを接続し、切り抜きの写真や、プランの要望を映し出しながら事は進み、融資予約の返事が来る前にプランが決まってしまった。

今までのお客様の打ち合わせ時間の三分の一の短期間で要望をまとめ、お互い気に入ったプランに行き着いた。
文明の力とは、使いようによっては有効な道具となり、今は一歩進んでメニカムを使ってこちらのキャド図面や3DをN様の画面にリアルタイムで出すことも出来るようになり、よりいっそう理解を深められる打ち合わせが進んでいる。



打ち合わせ

2010-03-18 07:58:21 | 住まいづくりの進め方、考え方
 打ち合わせは、建物を造るための情報収集だけのものではなく、依頼者との間の意思の疎通を図るものとも言え、お互いの信頼関係が良い住まいづくりとなる大事なコミュニケ-ションの場となる。

出来上がった物を販売するのと違い、その時の感情により出来上がりが違ってくる場合がある。
駆け引きのない所で進む打ち合わせはこちら側も警戒心を持たず、時には無理な事も引き受けてしまいそうになる事もあるが、そんな中から楽しい住まいが出来上がる。

つくる

2010-03-13 08:09:07 | 住まいづくりの進め方、考え方

 子供をつくる、人をつくる、ものをつくる、それぞれに”つくる”か付き、やがてその”つくる”は育てるに変わり、物は愛着へと言葉は変わっていく、愛がつく言葉にかわり、それと関わりながら、作ったときの苦労や、我慢したときの悔しさを思い起こしながら、その人の生活の中に必要とされたものが残っていく。

愛と言う言葉をつけられ、大切に使われ、維持されていく物の中に、物づくりの意味があり、深みがある。
個人が作る中で最大の物づくりが、自分の住まいを作る事であり、日曜大工で作る、棚や箱とは大きさが違い、規模が違う。

買う値段の桁が違い、数が違い、品質も様々で多くの知識が必要となり、手に負えなくなってしまう。
そんな中、人は”素人だから分からない”と言って誰かに任せる事を考え、最も大切な物づくりの殆どを人任せにし、お金の使い道さえも、分からないまま、住まいを完成させようと考える。

長い年月を包み込まなければならない器。
子供を育て、疲れを癒す大切な人を守らなければならない場所、分からないまま造り上げられた物には、愛がつかない、単なる器になってしまう。


作る。

2010-03-06 07:58:28 | 住まいづくりの進め方、考え方

商品を買い、支払をするとき、「ポイントカ-ドお持ちですか?」・・と必ず聞かれる、「お作りしましょうか?」と聞かれるが、「結構です」と答えるのが常、ポイントをあげるって言うんだから、もらっとけば良いものを、つい、作る面倒さと、持つ面倒さがあり、作らずじまい。

私は、料理が好きで、従業員の昼食は、いつの間にか事務所のキッチンで毎日せっせと作り、最近は殆ど外食や、お弁当を買ってくる事もない。
特別、献立を考え作っている訳でもなく、有るもので作るようにしている。
一週間の定番メニュ-を決め、買い物に行ったときはその材料を籠にほりこみ、後は適当に野菜、肉、魚、と言ったように、何かを作るために買うのではなく、・・適当。

買い物に行くサイクルは。一週間から10日に一度行き、一度に1万円前後の買い物をする。
時間のあるときは、業務ス-パ-で野菜を買い、その他の物はス-パ-で揃える。
自分の分も含め、一日5食を作り、食材費と調味料代で一食200円で作れる計算となり、米や熱量費用を含めても、一食300円以下となる。

レシピは持たず、とにかく15分で作れる事と、作るからには美味しい物で有ることが鉄則で、時間のかかるにものは、夜に煮込み一晩寝かせて昼食に出す、その方が味が染みて美味しく頂ける。
いつの間にか、「美味しい!」・・と言って貰えるのが嬉しくなり、いつの間にか毎日昼食を作るようになってしまった。

 

いつの間にか、従業員はお昼を楽しみにし、その楽しみを裏切らないようにと、自然とひとひねりする事が自然になり、それが楽しみとなりマンネリの中で作るのとは違う喜びを味わい、美味しい物が食べられる。
美味しい物を食べる事は、難しい事でもなく、手間のかかることでもない。
ちょっとした心の持ちようや、意識の違いで美味しくもなり、まずくもなる。

 

 


選択

2010-03-04 07:43:43 | 住まいづくりの進め方、考え方

 住まいづくりの選択肢の中で、今までは広告や口づてでしか情報が入ってこなかったが、今日、本当に納得する物づくりをと考え、探せば多くの情報を入手することも可能となった。

この多くの情報の中で、さて・・この情報をどのように選択していけば良いのか、情報分析や興味のある業者や事務所に気軽にアクセス出来るまでになっていないのかも知れない。
傍観者的な立場を取りつつ、自らが動き財産を守る為に動こうとはしないが、多くの人が見学の為向かう総合展示場には、何の抵抗もなく出向き、そこで気を引く言葉や、接客の対応の良さに感動すれば、その業者で決めてしまう。

テレビのような家電商品を買うならそれでもいいと思うが、ゼロから造り上げていくものを決めるのに、展示場の従業員の一人の人の接客態度によって決めてしまって良いのだろうか?
建物は、多くの情報を必要とし、多くの要望を何処まで満たすかであり、その中で如何に資金を有効に使い、出来るだけ我慢しないで家を作ってこそ、納得出来る家になるはず。

建築途中で後悔しても後戻りは出来ず、後悔を持ったまま完成を待たなければならない。


選択

2010-03-03 07:27:12 | 住まいづくりの進め方、考え方

 誰にでも予算の限界はあり、守って行かなければならない家族がいる為、資金計画をし、無理のない所で返済を考えなければならない。
25~30年の期間をかけ支払っていかなければならない返済は、金利も含めると借りた金額の倍以上を支払わなければならない。

このようにして、殆どの人が覚悟を決め、長い期間返済しながら住み続けなければならない大切な住まいにも関わらず、私達から見るとス-パ-に行って物を買う感覚で、展示場を廻り「あの展示場の接客が良かったから」
と言ったような、住まいとは全く関係のない所を判断基準にし、住まいづくりを始める人が居るのは、私には信じられない。

この選択の裏には、日本人特有とも言える、ラベル優先の考え方があると思われるが、名の通ったラベルを貼ってるから良い商品とは限らない。
住み続ける中で満たしてくれるものは、ラベルではなく品質であり、満足出来る内容で無ければならない。

殆どがクロスと木に似せたシ-トを貼った商品で仕上げられた物が多く、その殆どは石油から作り出されたもの。
そんな商品に慣れてしまい、クロスとシ-トと集成材で造り上げられた仕上げ材に不満は感じていないのだろうか?

そんな家が、坪単価40万円以下で出来ていればまだ納得も出来るが、実際はそんな額ではなく、坪単価70~80万円もかけて化学物質を出す仕上げ材の中で住み続けることに対し疑問さえ感じていないようだ。


 


原価

2010-03-01 07:12:16 | 住まいづくりの進め方、考え方

 国内では、原価で買うことの出来る商品と、出来ない商品があり、設備機器や外壁材なぞ、カタログによって商品が確認できるものは、殆ど原価は有っても、原価で一般には買えない。

商社を通じて買うか、そのしたの代理店で買うか、しなければならす、最短でも一つの会社を通さなければ買えなくなっている。
一般消費者が買う場合、最悪のパタ~ンは、商社→代理店→販売店→施工業者→下請け業者と5つ以上の会社の利益が上乗せされ販売される。

買っている施主様はいくつくぐってるのか、どれだけの利益を乗せられているのかさえ知らないで買っている事になる。
このような複雑な流通を止め、直接代理店から買う事で、一つの商品の上乗せ利益は不要となる。
サッシやク-ラ-は、半値八掛けといわれており、工務店が買う金額が大体この金額になるだろう。
定価の60%引きとなり、交渉によっては65%ダウンまで下がる場合もある。

例えば25万円のク-ラ-が8万7千500円で買えると言うことで、原価を出していない施工業者の場合、これが17万5千円と見積もりに計上される事だろう。
他に、本当に原価で買える商品も少ないが存在する。

無垢板などは、建材店でも買えれば、銘木店でも買うことが出来るが、原価で買う場合、原木買いをするか、製材店で在庫している商品を買う。

例えば、テ-ブルの天版を買うとすると。
樹種にもよるが、銘木店では、安くとも10万以上するが、これを原木から製材すると、一枚3万円で買うことが出来る場合があり、この場合、製材店にどんな原木があるのか、観察しておかないとならない。

このようにして、建物費用は、流通一つに目を向けるだけでも、払う必要のない無駄を無くすことが出来る。
但し、これを知らなければ、無駄も省けない。

 


原価

2010-02-27 07:52:44 | 住まいづくりの進め方、考え方

 競争入札の中では原価は問わない、仕様書に書いている内容に忠実に金額を出せば、後は金額的に安い業者で決まる事になる。
入札前には、予定入札価格が提示され、今問題になっているダム工事においても、入札前に設計見積りがあり、これを越える建設費用では落札出来ない。

つまり、事前に出される価格は、余裕のある金額であると言ってもいいかもしれない。
過去、国が行ってきた工事の落札価格は、事前に出された予定価格の、殆ど100%に近い金額で落札されている。

普通、このような事は無く、複数の業者が入札に参加した場合、参加した数だけの工事費があり、上下で、2~3割以上の開きは必ず出るのが現実だろう。
競争入札は時によってはパホ-マンスに過ぎないものとなってしまう。

競争入札と違って、原価積算は、価格競争ではなく、品質に基づき、掛け値無しで商品を買い、施工業者の使っている下請け業者が高ければ、設計者の判断でその業者を入れ替える事も出来る。
原価積算とは、流通価格の中で最も安い価格を優先し、施工業者が使っている下請け業者を越え、価格を絞り込む方法といっていい。




建設費

2010-02-26 08:05:22 | 住まいづくりの進め方、考え方

  予算を観るとき、観る人の置かれている立場により、またその意識によっても変わってくる。
今、日本経済は不況の中にあり、かつて高度成長を経て、日本が安定期に入ったとき、豊かな生活を目指し、切磋琢磨した意識も忘れ、結局のところ日本を引っ張ってきた霞ヶ関の連中も、自分の保身の為、日本の国の行く末を案じる事も考えなくなり、4000以上もの法人を作り、国民から吸い上げた税金を自分たちのブレ~ンに流してきた。

一旦造り上げた組織は、そう簡単に解体することはできず、その組織の中には、働く人がいて、その家族が居る。
ここまで来て、まだ本当の危機感は感じておらず、何処かで景気回復を望み、自然の流れに身を委ねようとしているのだろう。
国も個人も、一年の生活にかかる費用は、金額の大きさは違っても、その手立ては同じで、自分の家族が生きていく資金が不足しそうになれば、生活費を借金し、生きていこうとは誰も考えない。
それをすれば、借金が膨らみ返済が出来ない事を知っているかだ。
まず、無駄を無くし、買いたい物を控え、食事を切りつめ、収入と支出のバランスの取れた生活を考える。

今年も年度末を迎え、国も地方も、相変わらず道路を掘り起こし、予算を使い切る為、同じ事をやっている。
自分のお金なら、使い切りなど考えず、もっと有効に使うことを考えるだろうが、役所の人も、国で働いている人も、結局自分の生活に影響しないお金を、意識なく配分しているのに過ぎない。

過去に、国や地方が作ってきた箱物も、競争入札で業者を決めていたが、結局落札された予算は、孫請けまでいっても補えるだけの予算を許していた。
競争入札本来の機能を果たせず、談合により予算は確保され、形だけ整えた中で、国の予算は殆どが人間の欲の中で使われていたのだろう。