よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

人を観る目

2011-07-25 07:56:19 | 住まいづくりの進め方、考え方

 私は人相、骨相を観る能力は備わっていないが、出会った時
どこかスッキリしないものが残る時がある。

相手の過度の警戒心は話していればわかるし、それを取り除く事は
可能ですが、そうではない気質は誰しも持っているもの。
遺伝子に組み込まれているものではなく、ほとんどが生い立ちの中から生み出されたもの。

思い起こせば、過去に2回だけそんな人と出会い、双方とも契約金を返還し建設現場は無償で観て終わらせたことがある。

人には二面性があり、調子のいいときは全てを理解したように思えるほどだが、気に食わないところがあれば手のひらを返したように、今までのイエスが全てNOに変わってしまう。

事務所に訪れ計画段階では
「私の 想いを叶えてくれる人は 檀さんしか居ない」
と言い、工事が始まり予算のことになれば、強気になり
思い通りに行かなければ、いっぱい苦情を重ねる。

「建築費用には、パソコン5台の費用と、テレビが各部屋に
入れてもらわないと」・・・訳の分からないことを言い出す。

このように、人は得たいの知れないものと捉えるか
自分の見抜く力を信じるかが問われる。

このクライアントに最初出会った時、
「貴方は、濃い色をもった 人です、上手くいけば 最高のものが出来
うまくいかなければ最悪の形になるでしょうが・・」と伝えた。

契約をし、3ヶ月たった頃、彼の気質の最悪の我侭が姿を表し
打ち合わせが進まなくなり、このままではいい住まいはできないと
こちらから契約解除を押入れ契約金全額を返金した。

その後、半年を経過した頃、クライアントから電話があり
「檀さんしか、私の夢を叶えてくれる人はいないので、もう一度
お願いできませんか?」・・・と。

私はこういうのに すこぶる弱く、そこまでお願いされれば
受けるしかないだろうと、再度契約をし、一度解約した時の
反省と、「建築には予算の都合で、出来ること、出来ないことがあるのでそれを理解して欲しい」と念を押し進めたが、結局生まれながらに持った気質は消し去ることができないのだろう・・予測した最悪のかたちとなり、契約金を返金し、工事は最後まで観る結果となってしまった。

本来、こういうパターンの逆が起こっており。
契約するまでは調子のいいことをいっぱい並べ、
工事に入ってしまえば、優位に立ち、
これはできません、あれはできませんと
クライアントが我慢させられ、引くに引けない状況で
ストレスをいっぱい貯め工事を進めなければならない
例が多く観られる。

私は、契約のきっかけに興味があり、工務店やハウスメーカーで建てたお客様に出会うと聞いてみると、ほとんどの人が
「会社の経営方針、住まいづくりの想いが素晴らしかったので」と言う人は一人も居なかった。

きっかけで多いのは、
「あししげく通ってくれたから。」
「営業マンが優しかったから。」
「展示場に理想のキッチンが入っていたから。」
もっとも滑稽に思われた理由を言った人が一人いた
「営業マンがハンサムだったんです!」と・・・。

このように 本質的なきっかけではなく
感覚的なきっかけで大きな買い物をしている。
高度成長期には、これでも許されたかもしれないが、
もう日本にはその時代は来ないだろう。

そこで、私たちが考えなければならないことは、
しっかりとした見極める目を持ち。
しっかりと聞き分け理解する耳と脳を働かせる事なのでしょう。




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