テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

EDレンズの双眼鏡

2014-05-04 23:01:47 | 双眼鏡 望遠鏡
昨年より、中華ダハ双眼鏡の中~高級クラスにEDガラス(異常分散ガラス)を使用した機種が増えており、ここでも軽く紹介したり、店頭で覗いた感覚をお伝え致しました。
当ブログとしてはおおむね中華ED機については、高評価を与えていません。その第一の理由は、従来EDレンズの長所とされていた軸上色収差、色滲みの程度が、それなりでしかなかったということにつきます。ツァイスのFLシリーズ、ニコンのEDG等、超高級機の分野では、EDレンズの特長を高精度な光学系に上乗せして、非常に色収差の少ない見えになっていたものが、一部の中華EDレンズ機では、そこそこの精度の光学系の補填にしか特長が活かされていないように感じたのが大きな理由です。以前にも申し上げたように、単純な一枚構成のレンズでは、軸上色収差は大きく、補正のしようがないのですが、複数枚を貼り合わせた構成のレンズでは(アクロマート)レンズの加工と光学系の精度を高めることで、お互いのレンズの色収差を打ち消す方向に持って行くことが出来、特に低倍率の機種では、事実上、本来のEDレンズの特長に相当近い効果を得ている場合もあり、その代表が勝間光学さんの6×30シリーズなどだと思っています。
また、日本の有名ブランドや老舗望遠鏡ブランドが発売し、好評を博しているEDの40mm級ダハ双眼鏡については、最大限の高評価を惜しみなく与えているレビューも多いのですが、さほどたいしたものでは無いという評価もあり、その清濁混交している様子に、ありがちな、製造工程の品質ブレを疑ってしまいます。実際、他の分野の製品でも何度か取り上げたように、たとえ日本の企業による品質管理が励行されていたとしても、それを上回る暴れっぷりを示してくれるのがかの国の製造品質です。双眼鏡では、早くに中国に生産拠点を設け、ほとんどの生産を移管したK光機さんでさえ、生産コストの安さを売り物にする中国企業には苦戦を強いられて居る様子ですし、日本に生産拠点を残した製造メーカーさんは、市場価格を破壊したChina勢に手も足も出ず、業務用の光学機器、スポーツ用など、光学機器製造の技術を活かし、まだ生産コスト安競争に侵されていない分野に活路を見いだそうとしているようです。
そういった状況の中で、面白い製品を発見しました、made in japanの40mm級EDダハ機、ハイエンド($1000)クラスとして製造された○○光機製の双眼鏡が2機種、以前に紹介した双眼鏡倶楽部さんで数量限定販売されています。このような製品は以前はなんらかの催し物の際、少量ずつ出品され、そのイベントに行った人のみが恩恵を享受できる正規販売ルート外品として入手できたのですが、双眼鏡倶楽部の店主さんが、ある程度サンプルを使い込んだ上で、上述した中華EDダハ等とも比較した上で紹介されています。凄く興味があるのですが、つい先日18×70を入手した身としては、見送らざるを得ません。もしこれが○○光機さんでなく、○○○光機製だったとすれば、自分の持っている8×42ダハと較べてどう異なっているか気になって仕方なかったでしょう。以前に紹介した○○○光機製の6×30ダハはもう扱っておられないようなのも残念です。ともかく、私と同じように中華ED機に期待して、肩すかしをくらったひとにはクリティカルヒットな商品なのは間違いないでしょう。勝間光学さんや一二三光学さんのWeb販売ページの活性が乏しい昨今、応援したいと思っています。