通年で星空観望をしていると、天体の移り変わりに併せて、勢い季節の移り変わりに敏くなります。
最近は、大型の18×70を三脚に乗せて使っている場合が多いのですが、時折、手軽な低倍機である6×30や、6.3×40の双眼鏡も持ち出して、星空を流し見するのも、またおつなものなのです。そんな風にしていて気付いたことが一つ。
上記に挙げた3機種は、よほど厳しく見ない限り、例えば超明るい満月や、木星のギラつきなども気にならない、殆どの恒星が見事な点像に見える解像度と色滲みの少なさが特徴です。低倍機の場合、その点像は充分に鋭いながらも、低倍故の合焦範囲の奥行きの深さにより、逆説的に云えば、最後のピントの追い込みが必要ありません。それと比較して、18×70の場合、大気の条件の良い時にきちんと固定してやると、低倍機よりもキリキリとピントを追い込むことが出来ます。これは似たような倍率、口径のスカイマスター15×70ではあまり得られない感覚で、天体望遠鏡の微動合焦に近いシビアな工程です。で、その合焦位置は、目のコンディションにもよるのですが、いままではほぼ一定で、そのおかげで、付属の回転するツノ型目当てでなく、固定式の業務用目当てでも、不自由なく使えていたのです。ところがこのところ、きちんと焦点を追い込むといままでの位置と微妙に違います。目のコンディションが変わった、もしくは遠視が進行したかとも思い、低倍機でも出来るだけピントの追い込みを行って、そのディオプター目盛りの位置を確認してみますが、こちらは、以前に勝間光学機のみ6機を比較観望した時と変わりません。要は、18×70のみで合焦位置が微妙にズレたとしか考えられないのでした。何度かそのようなことを繰り返している内に、原因に思い当たりました。天体望遠鏡の場合もそうなのですが、同じ筒、同じアイピースでも、温度(鏡筒内の空気の温度)によりピントの位置が変わることがあります。ガラスが、その組成や比重により屈折率が変化するように、気体も、ガラスほどではありませんがわずかに屈折率が変化します。天体望遠鏡とは違い、窒素封入された防水の双眼鏡ではあるのですが、おそらくは18×70の鏡筒内の温度変化により、いままでと微妙に合焦位置がかわったのでは、と思うのです。まあ、合わせれば済むことなのですが、固定式の目当てを使っていなければ、明確には気づけなかったであろう、季節の変化の一面なのでした。
最近は、大型の18×70を三脚に乗せて使っている場合が多いのですが、時折、手軽な低倍機である6×30や、6.3×40の双眼鏡も持ち出して、星空を流し見するのも、またおつなものなのです。そんな風にしていて気付いたことが一つ。
上記に挙げた3機種は、よほど厳しく見ない限り、例えば超明るい満月や、木星のギラつきなども気にならない、殆どの恒星が見事な点像に見える解像度と色滲みの少なさが特徴です。低倍機の場合、その点像は充分に鋭いながらも、低倍故の合焦範囲の奥行きの深さにより、逆説的に云えば、最後のピントの追い込みが必要ありません。それと比較して、18×70の場合、大気の条件の良い時にきちんと固定してやると、低倍機よりもキリキリとピントを追い込むことが出来ます。これは似たような倍率、口径のスカイマスター15×70ではあまり得られない感覚で、天体望遠鏡の微動合焦に近いシビアな工程です。で、その合焦位置は、目のコンディションにもよるのですが、いままではほぼ一定で、そのおかげで、付属の回転するツノ型目当てでなく、固定式の業務用目当てでも、不自由なく使えていたのです。ところがこのところ、きちんと焦点を追い込むといままでの位置と微妙に違います。目のコンディションが変わった、もしくは遠視が進行したかとも思い、低倍機でも出来るだけピントの追い込みを行って、そのディオプター目盛りの位置を確認してみますが、こちらは、以前に勝間光学機のみ6機を比較観望した時と変わりません。要は、18×70のみで合焦位置が微妙にズレたとしか考えられないのでした。何度かそのようなことを繰り返している内に、原因に思い当たりました。天体望遠鏡の場合もそうなのですが、同じ筒、同じアイピースでも、温度(鏡筒内の空気の温度)によりピントの位置が変わることがあります。ガラスが、その組成や比重により屈折率が変化するように、気体も、ガラスほどではありませんがわずかに屈折率が変化します。天体望遠鏡とは違い、窒素封入された防水の双眼鏡ではあるのですが、おそらくは18×70の鏡筒内の温度変化により、いままでと微妙に合焦位置がかわったのでは、と思うのです。まあ、合わせれば済むことなのですが、固定式の目当てを使っていなければ、明確には気づけなかったであろう、季節の変化の一面なのでした。