分からない人には、分からない。
不幸に不幸が重なって
どうしようもないところまで落ちて
誰に助けを求めても応えてはくれず
むしろ、嘲笑い、蔑まれたりまでする中
それでも何とか懸命に死に物狂いで努力して
少しずつ、少しずつ這い上がって
長い長い年月、歯を食いしばって、ひたすら耐えに耐えて
やっと、ようやく
ほんの少し、何かを手に入れられたかと思いきや
一瞬にして崩れて消えて無くなる。
その慟哭と憎悪
ほんの少しでも何か
自分の家族であったり、友人であったり
お金や地位であったり、没頭できる趣味や特技であったり
何か、"自分にとってほんのささやかでも幸せと思えるもの"を
手にすることができたならば、その負の感情も薄れたのだろうけれど
何も、まったく何も得られなかったとしたら
その悲しみと怒りは、日ごとに増すばかりとなってしまう。
真面目に生きている、生きてきた人ほど
その底なし沼に陥りやすい。
今の日本は、そういう方が、ものすごく多いですね。
現役世代は、特に。
いつも顔で笑って心で泣いている。
いつ裂けてもおかしくないぐらい張り詰めてしまった心。
分からない人には、分からない。
それは、その人が今
少なからず、幸せだから。