営業中。
ふと見た看板、どんな親父が営業しているのか?
いや、自分の先入観を捨てよう。
もしかしたら、お婆ちゃんかも知れない。
もしかしたら、その老夫婦は既に他界されていて、その娘さんが一人で営んでいるかも知れない。
それ位の歴史があってもいい店構えだ。
その娘さんは、昔、女優を目指していたかもしれない、店内には、昔、自分が出演していた演劇のポスターが貼ってあったりして・・・。
フルリと僕がのれんをくぐると、油断していたその女性も突然の来客に驚き、数秒、目が合う。
『あ・・・、あ、いらっしゃいませ!』
と、そんな事はなく、干からびた親父が僕を待っていた。
とんこつラーメン専門店の看板も虚しく、店内には、醤油、味噌、塩と、『やきそば』の文字まで確認してしまった。
見なかった事にするべきだ。
僕は、躊躇せずとんこつラーメンを注文した、430円。
恐ろしい安さだ。
注文した後に気付いた店内の張り紙には、『卵アレルギーの方、申し出て下さい』
注文の際には聞かれなかった。
とくに僕は卵アレルギーではないけれど・・・、出されたラーメンの上にまるで雲の様にフワフワと浮かぶ、以前『溶き卵だったもの』・・・。
うん、不味くはないんだけど・・・。
久しぶりに、『一期一会』と言う言葉を思い出させてくれたよ、ありがとう。
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