3104丁目の哀愁と感傷の記録

日々生きてます。自分なりに。感じた事を徒然に書きます。素直に。そんな人間の記録。
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I was in the UK 6 ~ロンドンの芸術編~

2011-01-19 22:47:44 | 
はー…長い。
ちゃんと読んでいる人がいるのか知らないが、ようやく残すところ後2回。
次の日は午前中にHeathrow空港にいなくてはならないため、実質本格的に動ける日はこれが最後である。

この日は昨日ほとんど回ることが出来なかったLondonを限りなく回ってみようと決める。
今回俺は一番楽しみにしていた場所を、この日訪れることが出来る。
それは、かの有名な現代美術の雄、Tate Modernである。

以前訪れたときは行きたいと思っていたにも関わらず、後回しにして結局行くことが出来なかったのだ。自分の興味にドストライクで、自分が見てみたいところそのものであったにも関わらず。
世界的な現代美術のコレクションが見られ、とがった感じの芸術が好きな人はぜひここへ。なんて紹介された日には垂涎もんである。

この日はいつもの如くコンチネンタルブレックファーストを食べ、PCコーナーが比較的空いていたのでWillに昨日の感謝のメールを送った。返信が非常に楽しみである。

本日はLondonを回る予定だったが、まずは前日にWillから教えてもらったHammersmith駅近くの橋に行ってみることにした。実は前日、夕食をマックにするかどうか悩んでおり、何か空いている飲食店は無いものかと駅周辺をうろついたのだ。
その際に、Hammersmith Bridge & Riversideの標識を見つけていた。なので大体の方向はつかんでいたのだ。

この日は今回の旅行中、最も晴れていた(と言っても直ぐに曇ってしまったけれど)。

駅の近くにある大きな教会のそばを通り、直ぐに道は住宅街に入っていった。駅周辺の繁華的な光景ではなく、生活感が伺える。

暫く歩くと想像以上に大きな吊り橋に到着した。これが昨日Willが教えてくれた吊り橋か。それは結構な大きさで迫力があった。そして何より、周りの雰囲気が非常によかった。本当に静かで綺麗。人もまばらでたまにジョギングしてる人とすれ違う程度。水面も朝日に照らされ、きらきらとまぶしく光っている。その上には水鳥が飛んでいた。まるでかつて見た朝もやのセーヌ川のようだった。
天気も朝に相応しい雰囲気で、その閑静な雰囲気と朝の日差しがいい具合にマッチしていた。

朝から非常によいものを見れて気分がよくなった。何となく心が洗われるような光景であった。

吊り橋の後はいざ、Londonへ。今回もDistrict lineで簡単に行けるはずである。
まずは昨日入場しなかったSt. Paul Cathedralに行こうと決めた。

St. Paul Cathedralの最寄り駅はそのまんまSt. Paul'という駅である。ここは確かに近いのだがこれはDistrict lineではない。ここはDistrict lineのMansion Houseという駅からでも十分に歩いていくことが出来る。なのでまずはMansion Houseを目指した。


するとまた、District lineが不通になった。3駅手前のEmbankmentという駅で降ろされる。何回止まれば気がすむのか。

駅員に聞いたら“388(最初俺は3AAだと思っていた)のバスに乗れ”とのこと。またバスだ…と気を落としながらバス停を探すと388のバスが。直ぐに運ちゃんにこれでいいのかと尋ねると“確かにこのバスだけど、乗り場はここじゃない。乗り場は…”といった具合に凄く丁寧に教えてくれた。

バスは直ぐに来て、しばしThames川沿いをバスで移動。歩いて行くことも出来ないわけではなかったが、流石に時間がもったいない。バスは直ぐにSt. Paul'駅に到着したのでそこで下車。直ぐ目の前にはSt. Paul Cathedralが圧倒的に聳えていた。何度見てもこれは本当に荘厳だと思う。

正面に移動し、中に入る。
何やらドーム(このドームの下が半端じゃなく綺麗なんだ)の下でミサらしきことが行われている。そしてロープが張られ、入っていく人はお祈りする人ばかり…まさかこれは…

そう、この日はなんと日曜日だったのだ。日曜日、そしてここがどんな場所かを想像すれば絶対に前日に入っていそうなものなのに… まったく調べていなかった…
当然、ここで一番楽しみにしていた塔の最上階に上り、Londonを一望するという目的もはかなく散った。“本当にごめんね、明日また来て”と言われたが明日のこの時間はすでに空港にいることだろう。


本当に残念だったが仕方が無い。その時間をTate Modernに当てよう。
橋を渡り、対岸のTate Modernを目指す。ここは今回、Londonでは最も楽しみにしてた場所である。

橋の途中で売っていたてきやのHoney nutsを2£で購入。これがまた腹持ちがいい。

その後Tate Modernはゆっくりとすみずみまで2時間以上かけて回った。人がたくさんいたが、日本の美術館のように列になり強制的に移動することになるようなごみごみ感がまったくない。そう、展示のスペースがなんとも広く、贅沢に作られているのだ。

芸術っているのはどうみせるかが大切なんだな。空間をどう使うか。たとえば、本当に何も無いだだっ広い空間にぽつんとオフィスチェアーがあったら、それだけで計術に見えそうなものだ、なんて話をしながら回る。特にオブジェのコーナーでは空間をうまく活用した展示が多かった。日本人の作品もいくつか見受けられた。

流石は現代美術。理解の範疇を超えているものはひとつやふたつではない。シュールなものから完璧いっっちゃっているものまで様々。

俺が一番衝撃を受けたのはAna Mendietaって人。何て言ったらいいんだろう…完璧に住む世界が違うなって言うのかな…

ショップも圧倒的な品揃え。特に芸樹関係の書籍の数は半端じゃない。ここでもゆっくりと時間をとった。
お土産を購入するととっくに昼は過ぎていた。空腹を抱え今度はいざBorough Marketへ。

ここならば何かおいしい食べ物が手に入ると思ったのだ。そして位置的にも案外近い。

期待を胸にいざ行って見ると…

閉まっていた…
Willがあれほどまでに熱心に勧めてくれたBorough Marketは面白いくらい活気が無く、しーんとしている。それも当然だ。閉まってたからね。
もう笑うしかなかった。

Borough Marketでの買い物は何一つ出来ず(だって閉まってたからね)、昼飯はちょっと高級そうなイタリアンレストランに入った。
パスタとピザを頼む。これはとても美味しかった。昼間からビールも最高だ。
今回の旅は食は結構慎ましくやってきたので、今回のランチはちょっと豪勢。

食後の一服も終え、今度は世界遺産、Tower Of Londonへと向かう。

このTower Of Londonも2年前に訪れている。この時はBathと同じように金銭的に入場する余裕が無く、外観を眺めるに留まっていた。入ってもいないのにちゃっかりショップには立ち寄り、お土産は購入したが。

なのでこのTower Of Londonも2年越しのリベンジ。是非とも今度こそ入って展示物を見たいと考えていた。

しかし、ランチに結構な時間を食ってしまった。ここは17時まで空いているが、最終入場は16時30分まで。結構ぎりぎりだ。30分しか時間が無いのは少し残念だが、せっかくここまで来たのだ。30分でも中に入ろう、と意気込んで並ぶ。

チケット売り場で俺たちのひとつ前に並んでいたカップルが、受付の人に、あと30分しか時間が無いが大丈夫か、と確認をされていた。うーん、どうしようか…30分かぁ…ちょっと微妙じゃないか?なんて感じの声が聞こえてきそうな雰囲気で相談している。

結局前のカップルは入場せず、帰っていった。ようやく俺らの番が回ってきた。颯爽と“Two adults,please”と言おうとした瞬間…

“今日はもう終わりだ。また明日来てくれ”

なんと一つ前の集団まではOKだったのに、ちょうどぴったり俺らの番で16時30分になってしまったのだ。こんなジャストミートあるか。

お願いだから“あと30分しか時間が無いが大丈夫か”と確認してくれ。俺は全然OKだ。2年越しのリバンジを夢見てここまで来たTower Of Londonを目の前にして、また今回も引き下がることになるのか。

しかし受付の兄ちゃんは既に、明日は何時から空いている…などと明日のことを説明し始めた。もっと今を生きてくれよ…俺には今しかないんだよ…明日来てくれと言われても、明日の今頃はヨーロッパの上空10000メートルにいるんだよ…

と食い下がるわけにもいかず、諦める。俺とTower Of Londonはいったいどれほど縁が無いのだろうか…まぁ、本当に行きたかったのならもう少し早い時間で余裕をもって来ればよかったと言われればそれまでなんだけど、何せ閉められたのがちょうどよすぎて少しへこむ。

そう言えば今日は裏切られてばかりだなー…なんて思いながら、tubeに乗る為にTower Of Londonの最寄り駅Tower Hill駅に。この駅はDistrict lineが通っており、1本で帰ることが出来る。ただ、今回買い物らしい買い物を何一つしていなかったので、帰る前にショッピングに繰り出そうということになった。買い物ができそうなところで、この時間でも店が空いていそうなところで真っ先に思いつくのは…
Londonでも有名な繁華街Piccadilly Circusである。ここなら思う存分買い物が出来るだろう。

駅に行くと入り口の周りに大きな人垣が出来ている。非常にいやな予感が…
案の定、入り口はチェーンで塞がれている。もう勘弁してくれ…今日はなんて運が悪いんだろう…
シャッターに座ってダルそうにしている駅員にPiccadilly Circusへはどうやっていけばいいのかを尋ねる。

例の如く、どこどこに振り替えのバスが出ているのでそれで行ってくれとのこと。もういい加減振り替えでどう行ったらいいのかを尋ねるのは飽きた。

そのバス停に行ってみると、当然だが振り替えのバスに乗ろうとうんざりするほどの人が並んでおり、それもまたテンションをがくんと下げる。
あー…こんな人多いバスに載らなくてはならないのか…

1台目は余りの多さに見逃したが、バスがダブルデッカーだったこともあり、2台目に何とか乗り込むことが出来た。バスの2階に駆け上がり座ることもできた。

暫しバスに揺られ、終点のCharing Cross駅に到着する。ここは非常に見覚えがある。ここは2年前にも訪れたことがあったからだ。Charing Cross駅はあの有名なTrafalgar Square(トラファルガー広場)、そしてあの世界的にも超有名な美術館The National Galley(ナショナル・ギャラリー)の最寄り駅である。

せっかくここまで来たのだから寄り道していこう。最初はTrafalgar Squareの夜の雰囲気を楽しみ、ちょっと記念撮影して、ちょっと散歩して帰ろうという程度だったのだが、なんとThe National Galleyは18時まで空いていた。無料だし、どうせなので行ってみることにした。

俺は2年前にもThe National Galleyを訪れているが、余り多くのことを覚えていない。なぜなら当時はTrafalgar Squareで出会い、意気投合してしまった中東系のおっちゃんと一緒に美術館を回ったのだった。会話にいっぱいいっぱいだったことに加え、余りきちんとここの絵画の予習をしていなかったため、とりわけ誰の何が見たいというものも無かっため、そのおっちゃんにくっついて回ったといおう感じであった。

1時間程度は時間があったため、今回はゆっくり回ることが出来た。
そしてここが意外と(世界に誇るThe National Galleyに意外となんて失礼極まりないが)とてもよかった。

Tate Modernのような現代美術の雰囲気とは異なり、13~19世紀の西洋絵画、特にイタリアやオランダが充実している。

大好きなミケランジェロの絵を見れたときには感動した。暫く絵の前に立ち尽くしてしまった。本当に目に焼き付けようとした。
ところどころ塗料が剥げててそれがまた妙にリアルだった。

後はゴッホの“ひまわり”。もちろん超有名な作品であるからして名前は知っていたが、実際ゴッホの絵を余り見たことが無かった。けど本物を目の当たりにすると何かぞくっとするね。これがあのゴッホのひまわりかぁ…やべぇ…本当に目の前にあるよ…

そして今回一番の収穫はピカソ。凄く優しそうな学芸員のにいちゃんが大まかにこれは見とけ!ってのを教えてくれて、そこでピカソの絵がある!ってことでこれだけはどうしても見たかった。その時は結構時間ギリギリだったので、その絵があるRoom45に急いだ。

それほどまでに見たかったにも拘らず作品名は忘れてしまったのが情けないが…
けど作品は今もまだリアルに頭の中に入っている。
いわゆるな感じのピカソっぽい絵ではない。本当に素朴な絵。これ本当にピカソの絵なのって印象。それがまた何とも頭に残った。暫し立ち尽くして絵を見つめた。

The National Galleyは大満足だった。閉館する最後までいた。
思い返してみると、今日のメインはTate ModernとThe National Galleyの2つ。どれほど芸術が好きなんだろう…けどLondonが世界に誇るトップクラスの芸術をゆっくりと堪能できたのだからここでしか出来ない貴重な経験だ。Londonの芸術に触れまくった1日だったな。

なんてことを思いながら、2年前に出来なかったリベンジを1つ果たした。
それは、Trafalgar Squareのライオンの像に上って写真を撮ってもらうこと。
一度は諦め、帰路へと歩き出したが、なぜかどうしても諦めきれず、引き返した。
なぜあれほどまでにライオンの像と写真を撮りたかったのかは今でも謎である。

しかしここは人気スポット。既に戦場さながらの場所取りが犇いている(少なくとも俺にはそう感じられた)。

恥を捨て、舞台に飛び乗る。せっかくライオンの舞台に上がったのならば是非ともひとりで映りたいものだ。そう思いながらもそこは人が非常に多く、シャッターチャンスが難しい…

どうにかこうにかミッションを無事に終え、暫し街を散歩。

そしてよく考えると今秋の旅行中、一度も買い物らしい買い物をしていないことに気づく。そしてこの日は実質最終日。買い物をしたいのであればこれからの数時間が最終リミットなのだ。まぁ、最悪Heathrow空港でって手もあるが…やはりどうせならちゃんとLondonの街でしたいものだ。

こうしてCharing Cross駅からLondon屈指の繁華街である、Piccadilly Circusに向かう。
ここならまだ店も色々空いているであろうということもあったこことに加えて、かの有名なエロスの像を見てみたかったのだ。Londonの繁華街の夜の雰囲気は如何なるものかという興味もあった。

Piccadilly CircusまではBakerloo lineで一駅。あっという間に着いた。そして駅に降り立つと…

余りの明るさに驚いた。
夜のLondonは何度も見てきてはいるが、これまで見たLondonの街とは全く違う。
今まで見てきたLondonはやはり見せるべき夜景だったのだと実感した。
この明るさは、そう、日本の新宿のような明るさ。
都会感と生活観が入り混じった明るさ。正に繁華街の明るさである。

Thames川の幻想的&荘厳な夜景から一歩足を踏み入れると、このような光景が広がっているのだ。正に繁華街といったネオンにやはりLondonが世界的な発展都市であることを再確認する。俺が今まで見てきて、知ったように思っていたのはLondonの一部分に過ぎなかったのだ。

駅を出て直ぐに有名なエロスの像を発見することが出来た。
怪しくグリーンのライトに照らされていた。
そしてその後ろには眩し過ぎる位の光を放つ巨大スクリーンが。

その後、いよいよショッピングの時間だ。
駅近くにあったCool Britanniaという店に入る。かなり大規模なお土産ショップだった。ここに来れば何でも手に入った。訪れる先でこれを買おうか、お土産は何を買おうかと迷ったが、結局ここに来ればすべて手に入った。

この旅初めての買い物らしい買い物である。時間をかけゆっくりと買い物を楽しむ。お土産を数点購入。

買い物を終え、いよいよ帰路へ。帰りはPiccadilly線で一本で帰ることが出来る。

ここではお馴染みの運行休止もなく、無事にHammersmith駅に到着することができた。

夕食だが、この日は昼でリッチなものを食べたため、今回の旅で一回食に関して贅沢をするという目的を果たしてしまっていた。
こうなるとディナーは何を食べようか…ということになるところだが、もうランチを贅沢にしたときから既に何を食べるかは決まっていた。

Hammersimithにある日本料理屋“WASABI”である。
一体なぜこんなにWASABIの味を求めるようになってしまったのか。これも未だに謎だ。
なぜか無性に食べたくなった。わざわざLondonにいながらここまでWASABIの味を求めることもないと今考えると思うが、この時はWASABIが食べたくてしょうがなく、帰りの時間が閉店ギリギリだったため、tube内では間に合うかどうか気が気でなかったほどだ。俺はWASABIに取り付かれてしまっていた。

ヴェジタブルタンメンとスパイシーミソスープ、チキンカレーを購入。

ホテルに持ち帰り、ヴェジタブルタンメンを食す。
おっ、この前のチキンタンメンをはスープが違う。前は鶏がらっぽいスープだったのに、今回は野菜に合うようにということであろう。そばのような和風なスープであった。やるじゃないか、WASABI。マジで旨い。

チキンカレーなんて感動した。日本で普通に食べたら、絶対普通のカレー。
その普通さがLondonで食べているからであろうか、こんなに旨いものはあっていいものかと思うほどであった。給食で出るようなというか、レトルトの定番バーモ○トカレーというか…凄く普通のカレー。しかしとてつもなく旨く感じた。

スパイシーミソスープは余りにスパイシーであった。
カップ一杯の味噌汁に、七味唐辛子の小瓶の半分くらい一気に入れたのではないかというほど七味が大量に投入されていた。辛すぎる。日本人は決してこんなに辛くして飲まないだろう…
辛すぎる、のどが痛い…けど残念ながらこれも凄く旨かった。

その後は、一回も行っていなかったホテルのバーでビアを一杯頂く。


いよいよ明日は最終日だ。明日は13時の便ということで殆ど何も出来ず、空港に行くだけだろう。しかし、本当に何もしないのはちょっと勿体無い。気合を入れて、朝早起きし、一箇所だけ行ってから帰ることに決めた。

ということで急遽、次の日は5時半起きに。6時半にはスーツケースを置いて出発し、8時過ぎにはホテルに戻り、チェックアウト。その後空港に戻る。眠たいだろうが、こういう目的があるなら全く苦にはならない。明日が楽しみになった。

大急ぎで帰る仕度を整える。そう、この時間が最終の荷物整理の時間となったのだ。とにかく部屋中に散らばった紙や服などをスーツケースにぶち込む。

ようやく完全に出発できる状態にし、朝飯の時間を一番早くし、眠りに着いた。



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