3104丁目の哀愁と感傷の記録

日々生きてます。自分なりに。感じた事を徒然に書きます。素直に。そんな人間の記録。
since 2008.4.4

屋久島リベンジ④ ~白谷雲水峡編~

2013-08-05 21:04:48 | 
20130805


ようやく屋久島日記も終わろうとしている…

屋久島日記3日目。

昨日に、日本が誇る自然遺産である縄文杉をしかとこの目に焼き付けた。
疲労は溜まっていたような気がするが、この日も歩き回る気満々であった。

さて2日目は…
ここしかないでしょう。

屋久島に来る前からずっと夢見ていた場所である。


本日は白谷雲水峡である。むしろこっちの方が楽しみだったかもしれない。

昨日と同じように注文しておいた登山弁当を受け取る。
この日は縄文杉登山と違い、3時起きなんてことはなかったので、朝ご飯は食べていくことができた。

しかし、様子がおかしい…
外を見ると…

雨ふっとる…


しかもシトシトと降っているのではなくて、いわゆるザーザー降りである。
宿から出るのをためらうほど強く雨が降っていた。

あわててザックのカバーをレンタルする。

しかし、降水で有名な屋久島である。こんなこともあろうかと、レインウェアもしっかりと用意してきたのだ。
しかも白谷雲水峡はちょっとくらい雨降っていたほうが、しっとりとして綺麗そうじゃないか!
などと自分を合理化させつつ、雨の中バスに乗り込む。

宿の前から出ている同じバス停だが、昨日の屋久杉自然館行きのバスではなくて、
白谷雲水峡行きというバスも出ていて、そのまま入り口までバスで行くことができるのだ。

バス停でバスを待っていることもできないくらい雨が強かったので、バスが来るのを見てからダッシュ。

バスに乗ると何か所か停車するものの、30分ほどで白谷雲水峡の入り口に到着する。
その間、どんどん山道を登っていくのだが、雲は行かないほうがいいですよって言っているような厚い雲。
先ほどのザーザー降りに比べたらシトシト降りになっては来ていたが、
山道をぐんぐん登るにつれて、霧がどんどん濃くなり、周りが見えないという状況。

で、入り口に到着。

入り口には少し高台になっている喫煙所がある。
そこでレインウェアを着用し、準備を整える。
その時には雨はだいぶ止んでいたので、少し安心したのもつかの間…

入り口の受付に行き、入場を告げると、衝撃の返答が返ってきた。

白谷雲水峡は、4つのコースが存在する。

①弥生杉コース…所要時間1時間弱。白谷雲水峡のコースの最初の5分の1くらい。さつき吊り橋まで。

②楠川歩道コース…所要時間1時間40分。白谷雲水峡の半分くらいまで。

③原生林コース…所要時間3時間。奥まで行くメインコースからは外れるが、たくさんの有名な屋久杉を見ることができるコース。

④太鼓岩往復コース…所要時間5時間。白谷雲水峡のもっとも奥まで行く一番有名なメインコース。
ここにかの有名なもののけひめの舞台となった場所と言われる“苔むす森”や、最後の最後の展望台?である太鼓岩をめぐるコース。

本日は、さつき吊り橋の川が大雨のために相当量増水しているため、①の弥生杉コースまでしか行くことができない、とのことであった。

白谷雲水峡に来たからには、絶対にもののけの森に行きたかった。そして太鼓岩からの景色を眺めたかった。

しかし、弥生杉コースはかなりゆっくりと回っても1時間もかからない。

弥生杉コースまでしか立ち入ることができないがそれでもいいか、とのこと。

まあ、せっかく来たのにまったくの手ぶらで帰るのもそれはそれでもったいない。

ということでしぶしぶ納得して入った。俺は寄付金ということでお金を払ったが、これは任意みたい。
けどこれでこの環境が少しでも長続きするなら払うべきだと思うけどね。立ち入ろうとしているわけだし。

歩道は雨できらめいていて、涼しくとてつもなくマイナスイオンを浴びている気がするが、
残念ながら俺の気持ちはもののけの森を見れなくなってしまったことで気分は下がりっぱなしだった。

ほどなく弥生杉に到着。まあ立派だったが、昨日縄文杉を見てしまっていたからか、感動は薄かった。

その後さつき吊り橋に到着。で下を見ると…

これ以上は立ち入らないほうがいいなってくらいの川の流れであった。
激流。とてつもない量の水がごうごうと轟音をとどろかせながら下ってい行く。

岩途中の帰り道では岩の坂を下る。そして入り口に戻ってきた。40分くらいかな…


しかし、どうしてもあきらめがつかなくて、入り口のスタッフに、今日これから天気が良くなったら、奥まで入れる可能性はあるのかと聞いてみた。
立ち入り禁止が解除される時間もわからないし、これから解除されるかどうかも分からない。
何せ、自然が相手だから、とのこと。それはそうだ。

ここでひたすら待っていてもしょうがないので、一度宿に戻った。
入り口でお金を払った人にはパンフレットが貰えた。そこにここの入り口の電話番号が書かれていた。
わずかな望みを天気に託す。
少しでも可能性があるなら、それに賭けたい。電話番号を大事に持って帰る。

宿についてシャワーを浴びていると比較的天気が良くなってきた。晴れとまではいかないが、雨は止んだ。
雲水峡の中で食べることができなかった登山弁当を宿で食べる。


そして望みを託し、電話をする…




答えは…




なんと立ち入り禁止は解除されたとのこと!
条件はあった。

コースから外れる原生林コースは未だ水量が減らず、立ち入り禁止のままになっていた。

しかし、もっとも奥まで行ける太鼓岩コースに行くことはできるとのこと。

昨日屋久杉は散々見たし、この際、もののけの森と太鼓岩を見ることができるのなら万々歳である。

ただ、また急に雨が降ったりして、川の水量が上がった時点で立ち入り禁止になるよ、とも言っていた。


よし、善は急げである。

速攻で準備をし、飛び出すように出発。
バスに乗って30分、再び白谷雲水峡の入り口に。


念願だった太鼓岩コースに心躍らせながら奥へと進んでいく。

やはり雨が降った直後だからか、足場は悪かったが、草木がしっとりとしていてとても気持ちがいい。
歩いているだけで健康になりそうな光景である。
何より、俺の気分が先ほどとは全く違った。

岩には序盤の段階で苔が蒸していて、一面モスグリーン。これがとても美しい。
辺りはうっそうとした森なので薄暗かったが、途中に大きな切り株があり、そこに座るとちょうどそこに光が差し込みとてもきれいだった。


途中小川を渡るのだが、水量も流れも激しくなく、難なくわたることができた。
ここが一番の心配どころだったからね。ここ渡っちゃえばもう奥まで行くことができるだろう。

モスグリーンに染まるごつごつとした岩を流れる小川は、今にもヤックルが降りてきそうな光景であった。

くぐり杉を抜け、苔色に染まった歩道を歩き続けると、ようやくそれはあった。

今はもののけの森という看板はすべて撤去され、“苔むす森”という名前になっている。
その理由は、映画もののけ姫のモデルになったということで一躍有名になってしまい、観光客が激増し、環境の劣化が著しいとのこと。

その景色は圧巻であった。
本当に一面緑色に森が染まっている景色は圧倒的。

しばらく景色を眺めていた。


ここでゴールでもよかったのだが、ここまで来たら最後まで行ってしまおう、ということで最後の目的地太鼓岩へと向かう。
地図を見ると苔むす森から太鼓岩までは近いように思えたが、実際に向かってみると、道は急こう配だし、意外と時間がかかってここが一番疲れた。
太鼓岩までの道は結構迷いやすく、ピンクの目印が木にくくりつけてある。これがなかったら絶対に遭難するな…

ヘロヘロになりながらもようやく太鼓岩に到着。
いや~ここまで来れてよかった… 一時はどうなることかと思ったけど。

天気はあいにくの曇り空だったが、それでも展望台としては申し分なく、屋久島の山々を見下ろすことができた。
ガイドブックとかでよく見る、横にある枯た白い木?も見ることができた。

風が強くてめちゃくちゃ怖かったのだが、ぎりぎりまで先端へ行ってみる。
そしてそこに座ってみた。

気持ちいい。景色は最高だ。


… さて帰ろうかという頃になって雷がゴロゴロとなり始めた。山での雷は本当に危険である。

惨事にならないうちに早めの下山を試みるが… どんどん雲は黒くなり始め…

帰り道の苔むす森を通り過ぎたあたりで、急にザーーーーーーっとまるで突風が吹いたかのような音がし始めた。

一瞬それが雨の音なのかわからなかったが、気づいた時にはすでに手遅れなほどの強い雨であった。

そして一瞬で辺りが真っ暗になった。
加えて、雨の音が強すぎで、ザーーーーという轟音のほかに何も聞こえない。

初めて山の中で怖いと思った。
ここまで恐怖を感じたのは初めてであった。
山の恐ろしさを知った。

あわててレインウェアを着ようとしたがそれすら間に合わないくらいの大雨だったので一瞬でびしょ濡れになった。
雷も絶えずゴロゴロなっている。

もうここまで来たら来ても着なくても同じである。
そのままレインウェアを着ないでびしょびしょに濡れたまま大急ぎで下山。
一言もしゃべらず、ただただひたすら急いで下山。
途中の川も増水して帰れなくなって取り残されてしまうんじゃないかという不安もあったが、ここは何とか通過することができた。

この時間は相当辛かった。

何とか生きて生還することができた。
ようやく入り口に戻り、先ほどの喫煙所でびしょ濡れの服を脱ぐ。
しかし下の替えはなく、下着もびしょびしょの状態。ズボンは足にひっついてとても冷たい。
寒くて仕方ない。このままでは絶対に風邪をひく。

バスを待って乗車。そのバスの中もご丁寧に冷房が効いていて、体を丸めて耐える。

宿に戻ったら速攻濡れに濡れた服を脱ぎ棄て、大浴場に。
これほどまでに気持ちがいい風呂を久しぶりに味わった気がする。

宿には靴の乾燥機が取り付けてあり、靴下までぐしょぐしょになった靴を突っ込み乾燥させる。
一回100円だった気がするが、3、4回やった気がする。


富士山の後の風呂と同じくらい気持ちがよかった、屋久島3日目であった。


その後とは食事をして、洗濯タイム。なんと宿にはコインランドリーがついていることが判明した。

雨でぐしょぐしょになった洗濯物を入れようとするが、考えていることは皆同じようで、一向に空かない。

結局洗濯が終わったのが1時くらいになってしまった。
それから乾燥機に入れたんだけど全然かわいてねーし…


4日目。東京に戻る朝。

この日は帰りの飛行機が11時くらいったので、ちょっとだけどこかに行こうかと計画していたが、結局どこにも行けなかった。
だらっと起きて飯を食ったらいい時間であった。

洗濯物は何とか乾いていた。馬鹿でかく思いザックを担いで東京まで帰る体力が残っていなかったので、
必要最低限のものだけ残し、後は宅急便で郵送してしまった。

手ぶらで何とも楽になった。

かなり余裕を持たせて宿を出発。
宮之浦から何度も乗った自然館行きのバスで空港へと向かう。あぁ、これでとうとう屋久島ともお別れか…
最高の3日間だったな。

自然を体中で感じることができた3日間であった。

こんど行くときは海のほうも少し攻めてみたいな。ウミガメとかをぜひ見てみたい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。