斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

燃料電池車の実物

2015年09月16日 23時52分17秒 | 斎藤秀俊の着眼
応用物理学会に参加中に、お昼ごはんを学生たちと食べに金山総合駅までタクシーを飛ばしていた時のことです。
見慣れない車が目の前を通過し、「あれはなんという車種だろう?」と質問したら学生の一人が「MIRAIでしょう」というので、写真を撮影しました。


MIRAIはわが国初の商用の燃料電池車です。水素と酸素の反応から電気を取り出し、その電気で動く車です。700万円以上する車なので、そうそう出回ってはないですが、この写真の車は、F社の営業車でした。

F社は超高圧水素の配管のバルブなどがお得意の会社で、私の研究室から高圧水素の取扱いならびに吸蔵特性評価にたいへん長けた院生を紹介したのですが、見事に振った会社です。高圧水素を微々たるももらさず、吸着性能を測定する装置を手作りで作製し、それをきちんとコントロールできるくらいの、そのへんの大学の院生には絶対に負けない技術を持っているのに、振ったのですから、うちの技術など取るに足らないくらい相当大した技術を持っていると思います。(素直に褒めています)

F社はダルマを大切にする会社でもあります。だから、ナンバーをみてすぐに「なるほど!」と気づきました。
これに気づく人は、社員以外になかなかいないのではないでしょうか。それくらい私自身、興味のある会社なのです。

燃料電池につかう反応 2H2+O2->2H2O は火をつけると大爆発を起こしてしまう反応です。この反応をゆっくりと進めて、さらに電気を取り出すと燃料電池となります。
原子力発電所でも、瞬間的に反応を進めると大爆発するのですが、ゆっくり反応を進めれば電源になります。ダムも少しずつ水を流して使うから電源になります。エネルギーの使い方とはそういうことです。

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