斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

九州発 滞在型ウエルネスプログラム

2015年09月17日 23時02分04秒 | 斎藤秀俊の着眼
第27回 国立大学法人共同研究センター長等会議に出席しています。
各地の共同研究の話題提供の中で、宮崎大学の「地域産業資源活用事業計画 ロコモティブシンドロームの予防・改善の為の"九州初"滞在型ウエルネスプログラムの開発」が私の眼をひきました。

青島のホテル「青島観光6社協議会」と宮崎大学産学・地域連携センター・医学部、教育文化学部、工学部、農学部などがロコモティブシンドロームの予防・改善のを目指した、滞在型プログラムを実施しています。ロコモティブシンドロームとは運動器 の障害により要介護になるリスクの高い状態になることです。 日本整形外科学会が 、2007年に提唱しています。

お客さんはホテルが集めるし(集めないと経営が成り立たない)、地域の大学が付加価値を提供するというモデルが無理を感じさせない仕組みだと思いました。大学はロコモ滞在プログラム開発、食育、運動機能データ収集、などでかかわることができます。さらには温暖な観光地ならではのアイディアだと思います。すでに2013年から実施しているということで、こちらの一番最後のページに事業内容が掲載されています。

こういう事業は、なんでもそうですが、お客さんの姿が見えていて、お客さんを集める仕組みがすでにビジネスで成り立っていないといけません。
近年、大学はいろいろな事業に手を出しているのですが、「大学がお客さんを集めないとなりたたないだろう」という事業が多くて、これでは大学はつぶれていきます。
大学の集めるべきは、その大学の教育・研究・学風にあった学生たちであり、大学の目標とするところはそういった学生をしっかり教育し、次の社会を担う人材を育成することです。その事業は、学生教育の主たる部分を補強するためになるのか、こういう観点で厳しい眼を向けていきたいと思います。

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