沖縄県大宜味村の平南川上流で観光客ら18人が増水した川の中に取り残されたようですが、全員救助できたとのこと。日本全国どこでもそうですが、いなかの(失礼を承知で)消防では、消防、救急、救助の兼任で災害に立ち向かわないとならず、必ずしも全員が水難救助のプロでもないし、ましてや少ない人数で、これだけの人数の救助を完結できたということは、たいへん立派なことだと思います。もちろん、警察やアメリカ軍なども現場に入って合同で救助活動を行い、総力で救助できたと推測しています。
本日まで、東京海洋大学品川キャンパスで水難学会総会、学術講演会ならびに研修会が終了しました。今回の学術講演会では、河川における水遊びやそれに伴う水難の話題が提供されました。今回の平南川上流の水難は数年前にも同様なことがあったとのこと。また、過去には2008年7月28日に兵庫県神戸市灘区の都賀川で発生した水難などを見れば、平穏な川が突然人を流すほどの牙をむくことは、常識として想定しておかなければなりません。上流における突然の豪雨を予測したり、豪雨を瞬時に検知したりする能力がない限りは、川遊びの集団を引率することは極めて難しいと考えます。
もちろん、自分だけで行動することに対してとやかくは言いませんが、集団を引率するということは、引率されている人たちの「そこからいつでも立ち去る自由」を束縛しているのですから、それに見合う責任が発生することになります。
とにかく、水難に遭われた人たちと救助に向かった人たちの誰一人犠牲にならなかったことは、よかったことです。