輝ちゃんつれづれに 

最近はインスタ・LINE、スレッズを始めました。楽しかったこと、残しておきたいことを自分の言葉で書き込みます。

昭和と平成のバケモノ女優 樹木希林

2018年09月27日 02時43分41秒 | ことば

『私を撮ってもいいわよ…』樹木希林さんから長期密着取材の許可をもらったのは、去年6月のことだった。人生の晩年をどのように生き、身じまいしようとしているのか?そもそも“樹木希林”とは何者なのか、向き合う日々が始まった。結果的に希林さんが出演する最後のドキュメンタリーとなった今回の番組。仕事、家族との関係、そして、日々の暮らし…。希林さんはどんな思いを託そうとしたのかを、見つめる。

3年前のドラマがきっかけで、木寺一孝ディレクターがただカメラを回すだけのドキュメンタリー。だがよく見ると壮絶な一年を撮ったのだ。全編を通して奢り高ぶりもせず愛情に満ちている。平等に接しているから好かれるのだろう。ディレクターと車の中での会話が心に刺さる。「怒り」「不満」を自分に向けて壊していく必要がある。5年前、全身ガンを公表。淡々と、人間に対して、モノに対して名残惜しさはない。一つひとつ片付けていく。おぼつかない体調、気が張っているからできる、「心のエネルギー」だなという。取材が半年経った頃、希林さんが取材の意味がわからないと言い始めた。自分に達成感がないし、相手に負担をかけて悪いなと思う。ディレクターが自分をさらけ出す。「ちゃんと生きることはなんでもないこと」という言葉が返ってきた。75歳の誕生日、新聞社の取材、自宅訪問医療の現場に呼んでくれた。希林さんは、「正念場」を見せたかったのだろう。余命、今年いっぱい、いやもっと早いかもしれないと平然と語る。そして、人間にとしてどう終了するか、未熟なままで・・・」

最後のドイツ映画の次の歌が胸の奥底に残り込んでいる。

いのち短し 恋せよ乙女

あかき唇 あせぬ間に

熱き血潮の 冷えぬ間に

明日の月日は ないものを


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