2024/9/4
一から作ってはいない自炊カレーライス
『カレーライスを一から作る』という
ドキュメンタリー映画や本があって
僕はそれがけっこう好きだ
ざっくり言うと人が集まって
材料の野菜や米やスパイス等の植物も田畑で栽培し
お肉も飼育して屠り
塩は海水を煮立てて取り出し
お皿は土をこねて焼き
竹を削ったスプーンで食べる
という企画を記録したものだ
その過程で起こる様々な葛藤や問題は
現代社会の仕組みでは見えなくなっていたり
見えていても大きな問題では無いとも言えてしまう
そのことが実はもっと大きな問題なのかもしれない
自分で調理したカレーを「自作カレー」と言っているものの
ある意味「自作」とは言えずモヤモヤする
このモヤモヤは僕の大好物だったりする
なんならカレーよりもモヤモヤの方が好きかもしれない
各食材も調理器具も熱源も食器も僕は作っていないのに
「自作カレー」と言ってしまう
最近しっくりきているのは「自炊カレー」だけど
これまでの記録で「自作カレー」と書き続けてきてしまったので
このモヤモヤを抱えながら毎日カレー生活を続けていくはず
話は戻すけれど
知らない所で様々な人や自然が色々とやってくれて
つまり一から作ってくれたものが僕のもとに集まってくれたおかげで
今日のカレーライスになった
ちなみに人間は(もっと言えば生物は)
ゼロからは何も作れないという意味が込められて
「一から」ということになっている
そこからさらに
意味を込めたり
意義を見出したり
目的を持ったり
目標を掲げたり
主義や主張をしたり
そういうのも全部
それぞれ勝手に感じているだけなのかもしれない
逆に言えば
無意味や空虚さも同じく
架空の実態の無いものなのかもしれない
そんなこんなを感じた今日の自作カレーは
昨日のダルバートを全部混ぜ合わせたもので
おいしいか否かよりも大事な何かがある
そう信じたくなっている今日の僕にぴったりかもしれない
つまり
おいしいわけではない
とはいえ
おいしくないわけでもない
今日も生きてカレー食べた
明日も生きてカレー食べる