2023年04月23日(日)
トマトベースのほろほろポークカレー
去年の12月に作品展をやらせてもらった「ゐ」
基本的には食事も喫茶もお酒も楽しめる飲食店でありながら
ギャラリー的な使い方もできる不思議な空間
そこに期間限定で写真家の中村征夫さんの写真が展示されている
そこの食事メニューにカレーライスが登場している
名作のチーズケーキを久しぶりに食べたい
そもそもお店の二人がお店をやる前から知っている
なんだかんだ行きたい理由は色々ある
海の中という人間が生身のままでは生きられない環境で写真を撮り続け
そのことを観る側は忘れてしまうくらい圧倒的な美しさで高まる作品強度
だけど単なる海の中の風景や生き物の描写ではなく撮る人(つまり中村さん)の目差しも感じられる
今は水中の自動のカメラとかもあるんだろうけど中村さんの写真作品は実際に海の中にカメラを持って入って撮られている
何度も言うけど海の中では人間は生身のままでは生きられない
そう思うと写真に撮られた美しさの裏には死に近い環境での撮影行動がある
展示されている作品の中で唯一モノクロで唯一地上で撮られた作品があって
それは和紙にプリントされていて
その質感や写真の物質性にも惹かれる
去年の12月に僕がここで展示した作品も僕自身で漉いた紙にプリントしたものだったから
並べて考えるのは失礼かもしれないけど
いずれにしてもすんごい作品だと恐れ入る
ひとしきり感動したら
みかんソーダを飲みながらカレーを待つ
こんなことができるお店を他に知らない
カレーライスにレーズンとフライドオニオンが添えられてくる
知ってたけどいわゆるジャパニーズカレーではない
今で言うところのスパイスカレー
おなじみのカレーらしい香りとしっかりした辛口
でありながら味わい全体としては淡い仕上がりになっている
塩加減も含めて薄いというよりも淡いという方がしっくりくる
そこにお好みでレーズンやフライドオニオンを足すと
少しずつ濃いめの味にできる仕様
お店のご近所のご高齢のお客さんも利用するこのお店にぴったりの仕様だと思う
主張が強めの料理を提供するお店ももちろんあっていいし
それはそれで素敵なお店もあるけれど
お客さんへの優しさで仕立てが決まっていて
そこに向かっての完成度の高さも両立しているという「ゐ」の印象
ちなみにペンネもおいしい
お待ちかねチーズケーキをダージリンと一緒に楽しんでいたら
まさかの中村征夫さんご本人が登場したので
展示してある作品の気になっていることをいくつも質問させてもらったら
気さくに答えてくれた
写真家として見えてるものを分けてもらえているようで嬉しかった
すごい人はすごそうなふりをしなくてもすごいからすごそうなふりはしない
そんなことも感じた
今日も生きてカレー食べた
明日も生きてカレー食べる
ごちそうさまでした