三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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ウルトラQ:パニック/都会系

2005-01-09 02:24:43 | ウルトラQ
 ■第4話 マンモスフラワー■ レギュラー3人の人物紹介的な路上会話は要らなかったと思うけど。制作第1話とはいえ放送順では関係なくなったわけなので。肝心のおはなしは……単純すぎてチト物足りない。テンポ異様に悪いし。東京上空に巨大な花が咲くというビジュアルでひたすら勝負したというところか。バンッ、と破裂モード加味した開花場面は確かにゼツミョーきわまりなく、なるほどストーリー軽視も戦術的によくわかるのだけど……もともと全28話中〈超常度〉最小の回ということでもあり(植物ってそもそも巨大なのが多いんだし、結果的に退治がきわめて簡単だったわけだし)、いくら何でももう一ひねりできなかったものか。一の谷vs源田の対立をもっとクローズアップするとか(私源田博士応援してたのにすぐ譲歩しちゃってダメじゃん)。「吸血植物ドラキュラ!」とかジョークにもなってない台詞で一同笑という無益な場面が設けられてたり、対策本部で「しかし誰がこの薬品(炭酸ガス固定剤)を(撒くんだね)?」などと(自衛隊の専門家に決まってるでしょ。主人公だからって民間人にやらせないで!)非効率きわまりないやりとりを一々映したりと、まあのんびりした雰囲気は60年代の極上記録になっているとも言えますけれど。それがいいんですけれど。
 ■第11話 バルンガ■ 小学生の私の記憶にこれほど鮮烈に焼きついたナレーションは他にない。エンディング、石坂浩二のいつにもまして緊迫した「明日の朝晴れていたら、まず空を見上げてください。そこに輝いているのは、太陽ではなく、バルンガなのかもしれません……」。こわかったなあ。ただ茫洋と浮かんでるだけで大都会を麻痺させ、台風にもびくともせず、カタルシス一つもたらさずに悠然と去ってゆく超異形モンスターは、太陽をも喰うってんだから史上最強。素晴らしい。前半、由利子と一平の「フーセンムシ」の押し付けあいは本気でやってるし、万城目が意外と自転車乗るの下手だったり、ディテールも緊密だ。ただ唯一の難点は終わり近く、「恒星のエネルギーを喰う生命体だった……」。そこで「生命体」にアクセント置かないでくださいよぅ奈良丸博士、いまさら。俳優が脚本の意味理解せずに演じてるってことがわかっちゃうでしょうが。
 ■第14話 東京氷河期■ 『ペギラが来た!』で吹雪の彼方にもうろうと立ち現われていたペギラが、東京の白日の下に全身をくまなく披露する。素晴らしいコントラストだ。ただ、おはなしの方はどうだったかな。ドタバタ調のコメディタッチは由利子がリルケを引用したりしてひねってたけど、それと現場で関デスクが右往左往するのは『五郎とゴロー』とこの作品だけ、と思えば貴重なのだけれど、全体やや滑りすぎたかな。けどまあ、前作の南極の暗さから一転明るくなった本作に、出稼ぎ労務者の特攻死という翳りが添えられたことで、コントラストが二重化し、微妙な佳作になっていることは確か。しかしまぁペギラってここでも結局死にゃしないし、ほとほとあの暴れっぷりは、ペギラこそ動物型ウルトラ怪獣のうち最強、と確信させる貫禄でした(動物型という限定は、バルンガを除外するためです。なお、黒煙を出しながら飛行という美的に何のメリットもない性格付けはとりあえず不問としておきましょうね)。
 ■第16話 ガラモンの逆襲■ ペギラ二部作と同様、ガラモン二部作も、対照的な雰囲気でまとめてくれました。ただここでも第一作の方が断然良いのだなあ。ガラダマ再起動とくればアクション仕立てになるのは必然としても、それならそれで、ガラモンを10体くらい動かしてほしかったような。実際にはせいぜい3体でしたか。東京中がガラモンだらけになるくらいのブッ飛び方がほしかった。設定としてはその通りだったのでしょうが、映像的に伝わらなかったのがちょっと。あとこれ言ゃっちゃ身も蓋もないけどガラダマ落下時のヒモがハッキリ見えすぎてるのも、御愛敬の域をちょっと越えていたような。ただ最後、遊星人の処刑場面が、『ガラダマ』の舞台に近い静かな湖畔に戻ったところに、さすがウルトラQ固有のウロボロスセンスが光ってます。
 ■第24話 ゴーガの像■ 石坂浩二のナレーションが一切ない作品(カメ&カネゴン以外で)は『宇宙指令M774』とこれのみ。淡々と、短い台詞がアクション色を補強している。ゴーガの像以外にも、あのコレクションの古代像たちがそれぞれ何らかの役割を果たしてくれるかと期待させたが、結局「砂漠の魔王」だけだったか。まあないものねだりはさて措きムードテンポ造形すべて良しで申し分ない作品。なのだけど、惜しむらくはビル街のセットがまことにいい加減に作られていること。『マンモスフラワー』ではあんなリアルに造ってたのにここではどうしちゃったんでしょう。ビルの窓は何とかなりませんでしたかね、ただ升目が書いてあるだけという、ちょっとあれじゃあ。ゴーガの首を吊るピアノ線の見えまくり方ももうちょっとやりようが。あと万城目たち民間人がわざわざ4人もジープに乗って目つぶし砲撃に出向くというのも……、いや重箱の隅的にこのさい言っちゃいましたが、基本的にこの作品、私好きですから。

ウルトラQ:パニック/海・島系

2005-01-08 02:25:12 | ウルトラQ
 ■第3話 宇宙からの贈りもの■ ウルトラQ:SF系参照
 ■第20話 海底原人ラゴン■ 日本沈没の先駆ですね。学界に認められない異端の学者が実は正しかった、式モチーフで『バルンガ』『2020年の挑戦』と並ぶ3大科学批判ものの一角を担う。石井博士の学説が登場怪獣とは直接関係ないところ、飯抜きでラゴンの卵の正体鑑定に没頭するところ、卵浮上の原因を海底火山に帰するか地殻変動に帰するかという微妙な(ホント素人からすりゃどっちだってと言いたいような……子ども向け怪獣映画としては微妙すぎますでしょ……)考察を万城目らに語っているところなど、リアルタイムで研究活動が進行するのが他2作より本格的にサイエンスだ。文子がラゴンに卵返すコンタクトな場面は私嫌いだけど新生児ラゴンの映像で帳消し、逃げ遅れた万城目と由利子に船を残しておかない不自然さは間一髪一平ヘリを際立たせる装置であってみればそこも納得。だけどその後、もともと仲良かったらしい石井文子と由利子との関係がまずくなったのではないかと心配です。
 ■第21話 宇宙指令M774■ これは定評どおり、全28話中最底辺に近い。いや、前半のラインはハイレベルなんですよ、人形がしゃべって怪しい流れ星が落ちて万城目と一平が無人ロッジに誘われる(サックスのムード音楽良かったな)、あのへんまではウルトラQ基準でもハッキリ平均を上回ってるんです。最後のルパーツ星人地球に帰化のところも、メッセージは凡庸ながらビジュアルのインパクトでばっちし決めてくれた。致命的にダメなのは海上。巡視船の場面ですね。間延びして、救いようがない。いくら骨髄ウルトラQフリークの私といえどもフォローのしようがありません。海上保安庁の協力を仰いだのが裏目に出た、というよりかそれに自足して工夫を怠りましたね。これでボスタングが盛んに警告されたとおりの怖ろしい怪獣だったとか、怖ろしくなくてももっと造形の良い怪獣だとか(全28話中群を抜いて最低の怪獣。ただのエイというこのデザイン採用についてだけは私、円谷プロのセンスを疑います)、ルパーツ星人があの人じゃなくて水野久美であるとか、そういうことならこの作品、けっこう傑作になったかもしれないのになあ。
 ■第23話 南海の怒り■ これ、地味だけど傑作です。東宝怪獣映画に大ダコが何度か登場していることもあり(タコは円谷英二のお気に入りだとか)、あと『モスラ』を彷彿させるチラリズムもあり、正統怪獣映画のオーラが充ち満ちている。島民のスダール信仰の本音は結局ただの恐怖心だったことが雄三の復讐心によってあえなく暴露されるあたり、いい流れですわ。『大怪獣バラン』の土俗性と宗教性をぐっと濃くした感じ。ただ、国連の爆撃隊(苦)らしきものが爆弾を落とすだけ落として去っていくのはいかがなものか。あとは島で始末つけろってのはいくら何でも無責任ではないか。そこさえモチョっとクリアしてくれてればこれ、終盤の半闇の戦闘場面もけっこうな迫力(『キンゴジ』等からの流用場面を差し引いても)だったことだし、全28話中間違いなく上位十傑に食い込んだであろうに。

ウルトラQ:パニック/山地系

2005-01-06 22:42:59 | ウルトラQ
 ■第1話 ゴメスを倒せ!■ 「鳥類と爬虫類の中間生物」なのに〈サナギ〉だものなあ。たまげちゃうよ。卵ではなくサナギだったことでこのドラマの価値が三倍増。もちろん本筋、洞窟内でのゴメスの追撃なんか尋常ならざる迫力ですし(下から首出すパターン最高)。猛獣型咆哮とともにシュシューッというガラガラヘビっぽい擦過音が混ざるところにゴメスの凶暴さが表現されている。ああいう複雑な発声はウルトラQ以外まで含めてもこのゴメスだけではなかろうか。あと和風というか唐風というか鳳凰っぽくてかっこいいリトラ。子どもの頃の怪獣図鑑では、リトラは「シトロネラ酸を吐き尽くすと死ぬ」となっていたが、本編を観るとゴメスの尻尾やドラム缶を浴びてけっこうダメージ受けているので、普通の傷害致死だったんでしょうね。
 ■第2話 五郎とゴロー■ ウルトラQ:サイコ系参照
 ■第7話 SOS富士山■ 「あいつ」としか呼ばれない岩怪獣。怪獣図鑑などに載ってる公式設定では、10万トンの体重が唯一の武器となっていたのだが、口からしっかりと噴火煙らしき砂埃を吐きまくっている。あれが武器かどうかは別として、岩怪獣の特徴であることに変わりないので、いまの怪獣図鑑類ではどうなっているのだろう。DVDの普及した今日、あの砂煙発射を無視し続けるのは不可能と思うのだが。それはさておきドラマ的にはなかなかテンポ良い。ギャグもアクションも混じってかなり上質。なのだが巷の評価的にいまいちなのは(最低作との声もあり)ひとえに怪獣の造形のマズさゆえだな。タケルに背中を狙われてじたばたする動作に重厚さゼロなのと、腹部などに着ぐるみ丸出しのだぶつきが見えてしまっているのと。けれどそれを別とすればうまくできたドラマだと思うよ。タケルがすんなり一般社会に順応するという大団円も「無反省な同化主義」と批判する余地があるぶん、余韻深いじゃないですか。怪獣で手を抜いたためにせっかくの脚本が色褪せてしまったつくづく惜しい一作。
 ■第8話 甘い蜜の恐怖■ ウルトラQ:サイコ系参照
 ■第13話 ガラダマ■ 鳥がさえずる牧歌的な山間風景と、ダムをぶっ壊すモンスターとの対照がたまらない。舞台設定としては全28話中最高かもしれん。前半に活躍した小学生らが、巨大ガラダマ落下後はさっさと退場するのも潔くてナイス。唯一の難点はあれですね、遊覧船から女子大生(?)2人救い出す縄梯子の場面ですかね。登るの大変だったんでしょうが、労力かけたからってああ長々と映しちゃっちゃあ間延びします。一平の「早く、早ーく」が間をもてあましてましたっけ。ダムの底を覗きながら会話していたあの女2人が微妙に台詞下手でいい味出してただけに、簡潔なピークへ収束しなかったのは惜しまれるな。その他のとこはもう、モンスターがダム底の突起につまずいてみたり、ディテールも凝ってて文句なしの傑作。
 ■第18話 虹の卵■ ウルトラQ:メルヘン系参照
 ■第22話 変身■ ウルトラQ:ホラー系参照