■ロスト・ウィークエンド■ おおお、こりゃあ拾いモノだったぞ。こんな面白ぇ映画があったんだなぁ、オーストラリア映画には。でもこれ、退屈って人多いかもしれないな。モンスターホラーを期待して観たらそりゃあ裏切られるよな。ジャケットはバリバリモンスターなのにさ、蛇も大した出方してないしちっこいし、結局モンスターっぽい気配はあの波打ち際の黒い影だけか。しかしあの影、ブキミだったよね。襲ってきたっぽかっただけで被害なしだったんだけど、ほどよいパニック、ガンガン撃ったら水面真っ赤になっちゃってたからあれ、死んだのかな? あの赤は恐かったよ。波で赤が輝きを増したりして描写も細かい。姿見せずに血だけ見せて退場したモンスターって、この映画だけじゃないかな。うすら恐かったよ。しかし無神経な夫婦が自然汚して大自然の報復を受けた、ぽい解説がパッケージに書いてあるけど、ゴミ捨てたり動物轢き殺したり蟻の巣に殺虫剤まいたりビール瓶海に投げ込んで撃ったり、ってまあ大したことしてないんだけどね、天罰が下るほどには。で、なんでこれが哺乳類系なのだと? カンガルーだのジュゴンだのの轢死場面や死骸が活躍してましたのでね、うん。しかしジュゴンの死骸がすり寄ってきてたのにはありゃ笑ったよね。あれ、たった二段階で一挙に近寄って来ちゃったけど、もっと小刻みにやってくれたら効果的だったろうとも思うがどうだったろう。ショッキング度の点からいうとあれでよかったのか。あまりの急接近だからこそ笑えたし。笑いとるシーンじゃなかったんだろうけど。まあ謎といえばのっけから口論ばかりのあの二人の不愉快度といったら一級品でしたね。楽しまなきゃ、楽しむべし、楽しもうみたいなこと一方的に旦那がまくしたてるんだが妻がハナからあんなんじゃ意味ないって気づけよモウ。だいたい妻もなんでビーチまでのこのこついてきただかな。怪物が出てこなかった分結局、どーしょーもないふたりの関係がモンスターだな、ほんと。イライラ系ホラーとしてはとにかく上出来でした。細かい「?」はいくつかあって、水中銃の暴発、角度がてんでおかしかったのが気になりますが、あれもホラーのうちかな? 遠くに見えたもう一つのグループが水没してたのは計算どおり「うわっ」だったな。一度でも接触してたらありきたりな展開だけど、見知らぬキャンパーがいつのまにか……。始めから動きが目撃されてなかったところが遡って「そういえば」的に怖かったり。あれやこれやで他の映画じゃ見られないシーンが豊富だったのがこの映画の勝因です。ラストの鳥もグッドタイミングの活躍で、どうも隙のない上質陰鬱ホラーだったな。
■グリズリー・パーク■ きっちり笑わせてもらった。これぞ娯楽映画だわ。主任のオッサンが大手柄でした。この映画を笑い印にするMVPでした。って別にギャグかましてるわけじゃないのにね。てんで無表情、落ち着きまくってるあの態度が可笑しいわけでね。冷静沈着すぎますっての。靴に小便ひっかけられても無言、電話ぶっ壊されてても平然と修理、狼を至近距離に見てもへっちゃら、色仕掛けっぽい女の振る舞いにも眉ひとつ動じず、責任問題になること必定の不祥事(だろ?)にあって「おまえらがどうなろうと俺ゃ知らん」的態度貫くあっぱれさ。とはいえやるべきこたちゃんとこなしてるわけで。黒人男と日系娘(なの? 名前変ちくりんだけど)がはぐれても誰も何も気にしない浮遊感がなかなか効いてたし。日系娘の顔面が剥げ落ちてるの拾った主任さんの無関心ぶりがまた。誰一人ふざけてる奴ぁいないのにこの可笑しさ。いや、一人だけいたか。クマの着ぐるみね。あれはもうちょい活用してほしかったな。あとこれは予算上しょうがないのかもしんないけど襲撃場面でクマと人間がほとんど別撮りってのがどうもこの……。ま、襲撃場面のスペクタクルで勝負してる映画じゃないから別にいいんですけどね。それとフクロウが人肉喰ってたようだけど、ああいう小動物も総動員して一行を襲わせたらよかったんだがなあ。どうせクマの恐怖を突出して描きたかった映画じゃないんだし。あと、脱獄囚はことさらに粗暴すぎないかな。いくら凶悪殺人犯だからって、手当たり次第に殺したり壊したり。ああいうやり方じゃあ却って足が付いて逃げにくくなるでしょうがよ。どうせ端役だっていい加減な扱いが残念だったよ。んで問題のラストだが、あの簡潔な反則的ラストだが、笑うしかないよな。でも感心したべよ。全編、逆説的な違和効果を醸し出してた主任の超冷静ぶり、あれ意図的に(制作意図としてね。キャラクターとしてはナチュラルに)やってたんかー、ってわかる仕掛けね。そりゃ長年(かな?)山でお務めしてりゃ、熊とも狼とも仲良くなるわな。
■プレデター・エヴォリューション■ なんだョ、ケチだなあ。暗くて場面チョコマカで、モンスターを全然、というか部位しか映さなかったり遠くでガサガサ草をユラさせてるだけだったりと、妙に勿体ぶりまくるから本体そのものは巨大もしくはビザールなのを期待するじゃんか。それに序盤でいっぺん狂ったイノシシがオヤジに飛びかかったから、これが前哨で、同じく狂った未知生物が登場か、と期待するじゃんか。そしたらなんだいなんだい、最後までイノシシ尽くしでやんのよ。トホホですな。超凶暴化したってんならイノシシならイノシシでべつにいいから、せめて全身をみせてくれや。人間襲うとこもバッチリ見せてくれや。なのにそこもボカシばっかでしょ。モンスターも直写シーンもどっちもナシかい。あ~あ。その埋め合わせか家族のいがみ合いみたいなので話そらそうとしてたみたいだから、だったらそれもっとエグく描けよって感じ。弟が弾みで兄を蹴落としたら死んじゃった、ってだけだもんね。モンスター映画にも別ジャンルにもなり損ねた広義の駄作でした。ラストもあの女、恋人が父親を殺したんだ、って気づいた設定かい、まさかあれって。あんだけイノシシに襲われといて母親も目の前で攫われて、なんでそう思うかな。実際にストーリーがそうだからって、観客本位の作りも限度があるよ。しかも携帯捨てたそのシーンでオシマイときた。呆気なさすぎ。まだそこらにイノシシいそうじゃん。ちゃんと緊張してろって。男の死に方も腹に枝だか何だかが刺さったままガクッ、かよ。ことごとく盛り上がらんこと夥しいね。でもほら、ワンシーンだけ、イノシシの糞尿だか突然変異的ヨダレだかを男が顔いっぱいに浴びるシーン、あれだけはよろしかったですわ。ああいうのもう2、3カット工夫してくれてたらなぁ。
■グリズリー・パーク■ きっちり笑わせてもらった。これぞ娯楽映画だわ。主任のオッサンが大手柄でした。この映画を笑い印にするMVPでした。って別にギャグかましてるわけじゃないのにね。てんで無表情、落ち着きまくってるあの態度が可笑しいわけでね。冷静沈着すぎますっての。靴に小便ひっかけられても無言、電話ぶっ壊されてても平然と修理、狼を至近距離に見てもへっちゃら、色仕掛けっぽい女の振る舞いにも眉ひとつ動じず、責任問題になること必定の不祥事(だろ?)にあって「おまえらがどうなろうと俺ゃ知らん」的態度貫くあっぱれさ。とはいえやるべきこたちゃんとこなしてるわけで。黒人男と日系娘(なの? 名前変ちくりんだけど)がはぐれても誰も何も気にしない浮遊感がなかなか効いてたし。日系娘の顔面が剥げ落ちてるの拾った主任さんの無関心ぶりがまた。誰一人ふざけてる奴ぁいないのにこの可笑しさ。いや、一人だけいたか。クマの着ぐるみね。あれはもうちょい活用してほしかったな。あとこれは予算上しょうがないのかもしんないけど襲撃場面でクマと人間がほとんど別撮りってのがどうもこの……。ま、襲撃場面のスペクタクルで勝負してる映画じゃないから別にいいんですけどね。それとフクロウが人肉喰ってたようだけど、ああいう小動物も総動員して一行を襲わせたらよかったんだがなあ。どうせクマの恐怖を突出して描きたかった映画じゃないんだし。あと、脱獄囚はことさらに粗暴すぎないかな。いくら凶悪殺人犯だからって、手当たり次第に殺したり壊したり。ああいうやり方じゃあ却って足が付いて逃げにくくなるでしょうがよ。どうせ端役だっていい加減な扱いが残念だったよ。んで問題のラストだが、あの簡潔な反則的ラストだが、笑うしかないよな。でも感心したべよ。全編、逆説的な違和効果を醸し出してた主任の超冷静ぶり、あれ意図的に(制作意図としてね。キャラクターとしてはナチュラルに)やってたんかー、ってわかる仕掛けね。そりゃ長年(かな?)山でお務めしてりゃ、熊とも狼とも仲良くなるわな。
■プレデター・エヴォリューション■ なんだョ、ケチだなあ。暗くて場面チョコマカで、モンスターを全然、というか部位しか映さなかったり遠くでガサガサ草をユラさせてるだけだったりと、妙に勿体ぶりまくるから本体そのものは巨大もしくはビザールなのを期待するじゃんか。それに序盤でいっぺん狂ったイノシシがオヤジに飛びかかったから、これが前哨で、同じく狂った未知生物が登場か、と期待するじゃんか。そしたらなんだいなんだい、最後までイノシシ尽くしでやんのよ。トホホですな。超凶暴化したってんならイノシシならイノシシでべつにいいから、せめて全身をみせてくれや。人間襲うとこもバッチリ見せてくれや。なのにそこもボカシばっかでしょ。モンスターも直写シーンもどっちもナシかい。あ~あ。その埋め合わせか家族のいがみ合いみたいなので話そらそうとしてたみたいだから、だったらそれもっとエグく描けよって感じ。弟が弾みで兄を蹴落としたら死んじゃった、ってだけだもんね。モンスター映画にも別ジャンルにもなり損ねた広義の駄作でした。ラストもあの女、恋人が父親を殺したんだ、って気づいた設定かい、まさかあれって。あんだけイノシシに襲われといて母親も目の前で攫われて、なんでそう思うかな。実際にストーリーがそうだからって、観客本位の作りも限度があるよ。しかも携帯捨てたそのシーンでオシマイときた。呆気なさすぎ。まだそこらにイノシシいそうじゃん。ちゃんと緊張してろって。男の死に方も腹に枝だか何だかが刺さったままガクッ、かよ。ことごとく盛り上がらんこと夥しいね。でもほら、ワンシーンだけ、イノシシの糞尿だか突然変異的ヨダレだかを男が顔いっぱいに浴びるシーン、あれだけはよろしかったですわ。ああいうのもう2、3カット工夫してくれてたらなぁ。