阿呆理詰日記2525

Ｑ：　「一挙放出」ってどういう意味ですか？
Ａ：　具体例でお答えしましょう。――


ピンチに気づけばチャンスに変えられる。
ピンチに気づかなければ本当のピンチに陥る。
ピンチに本当に気づいてしまうとピンチから逃れられまい。
ピンチに本当に気づかずにすめばチャンスになりうるだろう。
チャンスに気づかなければピンチに陥る。
チャンスに気づけば本当のチャンスを得る。
チャンスに本当に気づかないのはチャンスのままだから。
チャンスに本当に気づくのはピンチに転じてから。


相手の長所ばかり見ようとするのが、恋人という関係の短所。
相手の短所ばかり見えてしまうのが、夫婦という関係の長所。


飽きてなお心地よいのが美。慣れてなお不快なのが醜。
飽きれば飽きるほど新鮮なのが本当の美。慣れれば慣れるほど耐えがたいのが本当の醜。


お互い利用価値ありと判断したとき友だちとなる。
お互い利用価値がなくなっても続いているとき親友となる。


守れそうにない約束より理不尽なのはただ一つ、破ることのできない約束だけ。


得たいと思ったとき興味津々。得ようと思ったとき興味喪失。


知れば知るほど束縛を感じるのは、自由についてばかり知りたがるから。


不幸中の幸いに恵まれた人って、不幸？　幸福？
この答えがわかる人って、恵まれてる？　ない？


正義は必ず勝つ。敵が本当に悪でありさえすれば。


◎話が合わないのに気が合う
　　◎気が合わないのに話が合う
◎話が合うから気が合わなくていい
　　◎気が合うから話が合わなくていい
◎話が合わないぶん気が合う
　　◎気が合わないぶん話が合う
◎話が合いすぎて気が合いたりない
　　◎気が合いすぎて話が合いたりない
いちおう全種類持っときたいかな――友だち。


不幸中の幸いが災いではないように、不幸外の幸いは恵みではない。


血の色を忘れたら　血の味
血の音を失ったら　血の香
血の熱を逃したら　血の形
　　血の値を知ったら　血の趣
　　血の理を学んだら　血の掟
　　血の情を感じたら　血の契


孤立への慄えと孤高への照れが滲みがちゆえ　孤独は怖いより恥かしい
協調への憧れと迎合への蔑みが混ざりがちゆえ　共感は快いより癒される


「よいのでは」という強制があるなら
「ねばならない」という自由があっても
よいのでは？


上に誠実に従っても　実は下心
下に真摯に尽くしつつ　真に上滑り


型を持たないやつほど枠にはまった事しかできない。
枠が見えないやつほど型どおりの事しか考えられない。


死は人生の賞味期限。賞味できる期間はもうすこし後まで。


率直に行けば、強硬なレスが返ってくる。
柔和に出れば、軽薄なツリが待っていたりいなかったり。