三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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オムニバス系6

2011-08-08 21:10:00 | モンスター映画
 ■トワイライトゾーン 超次元の体験■ 元祖トワイライトゾーンの該当エピソードも観たけど、やっぱスピルバーグのこっちの方が優れてるね。飛行機のは元祖は着ぐるみ丸出しのまるで雪だるま人間だったし、超能力少年のは元祖はただのびっくり箱的首ビニョーんが影で映されてるだけだった。昔はあんなもんで視聴者も満足せざるをえなかったんだなぁと。こっちの方が(こっちもいい加減「昔」の映画になっちゃったが)派手かつリアルでヨカッタです。マジックも、モンスターも。
 ■トリック・オア・トリート■ 「初体験」てあれだったの~とオチつけられちゃった。やられた。ってわりにはずーっと無難な作りなんで普通に楽しめたって印象。茫洋とした庭がムードたっぷりでした。
 ■Room13■ 13号室内5~6分で1話完結×13話ってシンプルな作りが嬉しいね。でも玉石混淆すぎ。男女どっちが死ぬのかな?て予想しながらの観方って一長一短であることもわかった。第1話、ありがちな魔女物語。つまらん。第2話、シュールを気取ったのだろうが一方的に女が勝ってる一本調子がバツ。第3話、男が刑事だってことはすぐわかったが、観客はそう見ないって前提での作りに無理あり。第4話、ありがちな罠の張り合い。オチもあのアングルじゃ3秒前に予想ついちゃうじゃん、監督ヘタッピ。第5話、普通わかるでしょ、花嫁。でも動転しちゃうと意外とあんなもんか。ありがち。第6話、ありがちのコントに終始した全編の中で、これだけは感心した。まさかこうなるとは。最初の自決で夢だってわかったならすべて解決、と思いきや、女の死体がまだあって基本夢じゃない、てことだろうね。夢うつつの悪夢。これ、面白い。第7話、だたの約束守らない死神ってかよ。くだらん。第8話、最高傑作の第6話と同モチーフだが、負けてるね。夢見る主体が入れ替わったのはグッドアイディアだが、ラストのもう一転が凝りすぎて逆効果。第9話、凶悪爆弾魔がただのいたずらだったってオチ? 刑事の空回りぶりに爆弾魔が目一杯アクションで付き合っちゃったがゆえに凡作に堕した。第10話、これちょっとオチが予想つきすぎだったよ。旦那の声によるタネ明かしはクドいよ。第11話、連鎖ものだったか。だから何?て感じ。設定の作りすぎ。第12話、これもオチが見えすいちゃって。テレビ画面は余計だったくらいだな。女が殺人犯になったのも旦那の浮気が原因だとかなんとか、考えさせるあたりはポイント高い。第13話、途中までわけわかんないまま進んでくれるのがヨカッタ。男もああ見えて寝取られマゾって感じで、でも女は付き合わずに本気で逆襲しちゃうんだな。このズレが面白い。えーと通算、男女比は生死6対7でバランス考えられてるね。考えなくていいってのに。てわけで全体、傑作もあるにはあるがほぼ駄作揃い。この形式だったら日本の監督に競作させた方がうまくやるんじゃないかな。
 ■及川奈央 リアルホラーシリーズ 葬儀屋月子 ある葬儀屋の告白■
 ■及川奈央 リアルホラーシリーズ 看護師月子 ある看護師の告白■
 ■及川奈央 リアルホラーシリーズ ビデオに映った呪いの影 ~葬儀屋月子編/看護師月子編/及川奈央の心霊スポット巡り~■
 この3つまとめちゃって悪いけど、ま、葬儀屋・看護師は基本おんなじ感じだから。月子がすげークラーい感じなんだけど、そこで第3弾・心霊スポット巡りを観にいくのがポイントです。月子とは対照的に明るくはしゃぎ気味の及川奈央にガイドされると、なんかフィクションもドキュメンタリーもどうでもよくなってしまう和み感覚。とにかく和みたい人は三本まとめて続けて観るのがコツですから。
 ■VISUAL ムー PRESENTS ホントにあった怖すぎる話■ 百物語の簡略版だが、女子高生が一人話し終えるたびに管理者の子が「でもこんな話もあるのよ」と紹介する話が、何やいつも、全然類似点のない別の話やんか! 「でもこんな……」とくれば同モチーフで違う結末になった話とか、そういうの期待するでしょうが。ラストもひねったつもりでしょうが……、いや事実面白いんだけど、ああいうオチ結構好きなんですけど、「引っかかったな……」はないでしょう。霊というか死者というか、ともかくあっち側の存在なんですから、そんな詐欺師みたいなことせんでも……、まあ携帯使ってくる時点で人間側の都合に目一杯合わせてくれてるある意味マメな霊なんですけどね。ま、このジャンルの限界ってことでしゃーないですかね。あ、一人だけ目立ってたツッパリっぽい子の一家心中未遂の話っての、も少し詳しく聞きたかったな。
 ■コワイ女■ う~ん……、3話とも雰囲気は作れているのにねえ……。第1話、病院で奇跡的に助かったところでエンドでいいよ。そこまでのプロセスをもっと丁寧に作ってや。赤い女の表情も動きもだんだんマンネリ化してきてたぞ。病院の後は全くの蛇足、というかブチコワシ。そんなに自信なかったのかねえ……何でもかんでも付け加えればいいってもんじゃないよ。第2話はねえ……、ずだ袋かぶってる女って設定は満点なんだけど、それで自転車だったか何かにつまずいてスッコロブあたりの本気ぶりが笑えたんだけど、リキ入り過ぎだな。不条理でやるならやるで最後まで不条理色続けてくんないと。どうしてああ普通の展開にしたかね。ただの餌探しの連鎖でした、がオチかい。で第3話ね。これがいちばん退屈でしたね。子どもがせっかく熱演してるのに気の毒だよ。いや、死んだことじゃなくてこんなつまんねー映画にって意味でね。肝心のコワイ女もこの第3話だけは見掛け怖くねえし。サイコの血筋って言いたいんだろうけど、なんか唐突でダメだわ、長編でやり直してください。
 ■ダニッチ・ホラー■ こうゆうのもありだとは思うが……、ちょっと地味すぎというか、自制しすぎというか、アート気取りすぎ。アニメ人形が動かないで突っ立ってるだけのシーンがほとんどとあっちゃ、そりゃ表情やらなんやらで想像力働かせろったって、そんな複雑なストーリーや背景があるわけでもなし、でもそれが「画ニメ」なんだよね。だったらしょうがないや。
 ■悪夢の銀河鉄道■ 期待したんだがな、ストップモーションアニメの怪物が出てくるとかで。ま、確かに出てはきましたよ、虫と、なんかヒト型モンスターとね。カニっぽいのも砂浜の地割れから出てきたっけな、一応。
 ■リアル肝試し■ のっけからみんな棒読みやな~。トイレの個室と外で延々喋ってて結局エピソード一個喋りつくしちゃったけど、あの時間だと、ソートーの便秘?
 ■2ちゃんねるの呪い VOL.1■ どうでもいいけど音楽がウザ過ぎる。ほんとうるせぃってば。音楽がああも大袈裟だと、素直な視聴者は過大に期待するだろうから却って損なんじゃないか、制作側としても。とにかくやたらドラマチックに盛り上げようとするがごときBGMに閉口して観賞を何度中断しようと思ったことか。これ、今んとこVOL.4まで出てるようだが、どうすべえ、買い続けるべきか否か。オムニバスって中には傑作が混じってたりすっからできれば逃したくないが、この低俗音につきまとわれた日にゃあなあ……。で、内容の方ですが、とくに傑作と呼べるものはナシ。ま、5話のうち唯一「ウェブカメラ通話」が例の走馬燈系もとい『エロ怖い怪談 第弐之怪』設定とくりゃ工夫次第じゃもっとゾクッと盛り上げられたものを。あと「よどみのチェーンメール」の女よ、「鮫島事件」の男よ。おめーら取り乱しすぎ。客観的にみりゃガキレベルの幼稚な迷信なんだし。とくに鮫島の男の半狂乱。サークルの部外者に掴みかかって「3人の共通点教えろよ」はないだろう、テメーが考えなきゃ埒あかないでしょう。あ~あ、2ちゃんねるの特性生かしてたかどうかも微妙なところだし、そこそこつまんねーもん観ちゃったなって投げやりな感想言っときたい感じ。音楽さえなければもちっと真面目な感想残す気にもなれたろうがねぇ……。ちなみに、この作品のBGMが超うざったく感じられたのは、ホラー系といえば最近フェイクドキュメンタリーばかり観ていた、という私の特殊事情が働いたのかもしれませんわ、謙虚に言えば(あれ系統は基本BGMないので)。ドラマ系を主に観続けてる人にとっちゃどってことないのかどうか、試してみてほしいやね。

哺乳類系7

2011-08-08 15:38:00 | モンスター映画
■ロスト・ウィークエンド■ おおお、こりゃあ拾いモノだったぞ。こんな面白ぇ映画があったんだなぁ、オーストラリア映画には。でもこれ、退屈って人多いかもしれないな。モンスターホラーを期待して観たらそりゃあ裏切られるよな。ジャケットはバリバリモンスターなのにさ、蛇も大した出方してないしちっこいし、結局モンスターっぽい気配はあの波打ち際の黒い影だけか。しかしあの影、ブキミだったよね。襲ってきたっぽかっただけで被害なしだったんだけど、ほどよいパニック、ガンガン撃ったら水面真っ赤になっちゃってたからあれ、死んだのかな? あの赤は恐かったよ。波で赤が輝きを増したりして描写も細かい。姿見せずに血だけ見せて退場したモンスターって、この映画だけじゃないかな。うすら恐かったよ。しかし無神経な夫婦が自然汚して大自然の報復を受けた、ぽい解説がパッケージに書いてあるけど、ゴミ捨てたり動物轢き殺したり蟻の巣に殺虫剤まいたりビール瓶海に投げ込んで撃ったり、ってまあ大したことしてないんだけどね、天罰が下るほどには。で、なんでこれが哺乳類系なのだと? カンガルーだのジュゴンだのの轢死場面や死骸が活躍してましたのでね、うん。しかしジュゴンの死骸がすり寄ってきてたのにはありゃ笑ったよね。あれ、たった二段階で一挙に近寄って来ちゃったけど、もっと小刻みにやってくれたら効果的だったろうとも思うがどうだったろう。ショッキング度の点からいうとあれでよかったのか。あまりの急接近だからこそ笑えたし。笑いとるシーンじゃなかったんだろうけど。まあ謎といえばのっけから口論ばかりのあの二人の不愉快度といったら一級品でしたね。楽しまなきゃ、楽しむべし、楽しもうみたいなこと一方的に旦那がまくしたてるんだが妻がハナからあんなんじゃ意味ないって気づけよモウ。だいたい妻もなんでビーチまでのこのこついてきただかな。怪物が出てこなかった分結局、どーしょーもないふたりの関係がモンスターだな、ほんと。イライラ系ホラーとしてはとにかく上出来でした。細かい「?」はいくつかあって、水中銃の暴発、角度がてんでおかしかったのが気になりますが、あれもホラーのうちかな? 遠くに見えたもう一つのグループが水没してたのは計算どおり「うわっ」だったな。一度でも接触してたらありきたりな展開だけど、見知らぬキャンパーがいつのまにか……。始めから動きが目撃されてなかったところが遡って「そういえば」的に怖かったり。あれやこれやで他の映画じゃ見られないシーンが豊富だったのがこの映画の勝因です。ラストの鳥もグッドタイミングの活躍で、どうも隙のない上質陰鬱ホラーだったな。
■グリズリー・パーク■ きっちり笑わせてもらった。これぞ娯楽映画だわ。主任のオッサンが大手柄でした。この映画を笑い印にするMVPでした。って別にギャグかましてるわけじゃないのにね。てんで無表情、落ち着きまくってるあの態度が可笑しいわけでね。冷静沈着すぎますっての。靴に小便ひっかけられても無言、電話ぶっ壊されてても平然と修理、狼を至近距離に見てもへっちゃら、色仕掛けっぽい女の振る舞いにも眉ひとつ動じず、責任問題になること必定の不祥事(だろ?)にあって「おまえらがどうなろうと俺ゃ知らん」的態度貫くあっぱれさ。とはいえやるべきこたちゃんとこなしてるわけで。黒人男と日系娘(なの? 名前変ちくりんだけど)がはぐれても誰も何も気にしない浮遊感がなかなか効いてたし。日系娘の顔面が剥げ落ちてるの拾った主任さんの無関心ぶりがまた。誰一人ふざけてる奴ぁいないのにこの可笑しさ。いや、一人だけいたか。クマの着ぐるみね。あれはもうちょい活用してほしかったな。あとこれは予算上しょうがないのかもしんないけど襲撃場面でクマと人間がほとんど別撮りってのがどうもこの……。ま、襲撃場面のスペクタクルで勝負してる映画じゃないから別にいいんですけどね。それとフクロウが人肉喰ってたようだけど、ああいう小動物も総動員して一行を襲わせたらよかったんだがなあ。どうせクマの恐怖を突出して描きたかった映画じゃないんだし。あと、脱獄囚はことさらに粗暴すぎないかな。いくら凶悪殺人犯だからって、手当たり次第に殺したり壊したり。ああいうやり方じゃあ却って足が付いて逃げにくくなるでしょうがよ。どうせ端役だっていい加減な扱いが残念だったよ。んで問題のラストだが、あの簡潔な反則的ラストだが、笑うしかないよな。でも感心したべよ。全編、逆説的な違和効果を醸し出してた主任の超冷静ぶり、あれ意図的に(制作意図としてね。キャラクターとしてはナチュラルに)やってたんかー、ってわかる仕掛けね。そりゃ長年(かな?)山でお務めしてりゃ、熊とも狼とも仲良くなるわな。
■プレデター・エヴォリューション■ なんだョ、ケチだなあ。暗くて場面チョコマカで、モンスターを全然、というか部位しか映さなかったり遠くでガサガサ草をユラさせてるだけだったりと、妙に勿体ぶりまくるから本体そのものは巨大もしくはビザールなのを期待するじゃんか。それに序盤でいっぺん狂ったイノシシがオヤジに飛びかかったから、これが前哨で、同じく狂った未知生物が登場か、と期待するじゃんか。そしたらなんだいなんだい、最後までイノシシ尽くしでやんのよ。トホホですな。超凶暴化したってんならイノシシならイノシシでべつにいいから、せめて全身をみせてくれや。人間襲うとこもバッチリ見せてくれや。なのにそこもボカシばっかでしょ。モンスターも直写シーンもどっちもナシかい。あ~あ。その埋め合わせか家族のいがみ合いみたいなので話そらそうとしてたみたいだから、だったらそれもっとエグく描けよって感じ。弟が弾みで兄を蹴落としたら死んじゃった、ってだけだもんね。モンスター映画にも別ジャンルにもなり損ねた広義の駄作でした。ラストもあの女、恋人が父親を殺したんだ、って気づいた設定かい、まさかあれって。あんだけイノシシに襲われといて母親も目の前で攫われて、なんでそう思うかな。実際にストーリーがそうだからって、観客本位の作りも限度があるよ。しかも携帯捨てたそのシーンでオシマイときた。呆気なさすぎ。まだそこらにイノシシいそうじゃん。ちゃんと緊張してろって。男の死に方も腹に枝だか何だかが刺さったままガクッ、かよ。ことごとく盛り上がらんこと夥しいね。でもほら、ワンシーンだけ、イノシシの糞尿だか突然変異的ヨダレだかを男が顔いっぱいに浴びるシーン、あれだけはよろしかったですわ。ああいうのもう2、3カット工夫してくれてたらなぁ。

バイオハザード系8

2011-08-08 15:05:00 | モンスター映画
 (「バイオハザード系9」がすでに上がってますが、8が飛ばされてましたので数字逆転します)
 ■スプライス■ これはヨカッタ! もうちょい非人間形だともっとよかったが。幼少時が一番クリーチャーチック、それがだんだん人間型になッてっちゃってがっかりさせられたんで。だから屋根の上で突如翼がぶわっと生えたときには、非人間性が俄然回復してこのまま幼少時以上の非人間形クリーチャーに、と期待膨らんだですよ。しかしあれ以上には異形性が進化せずときた。まことに残念でした。クリーチャーの女性期の表情なんかはたしかにうまくできてて、首の傾げ方とか、でもなんか通俗なんだよね。バイオハザードとコンタクトを混ぜたとこまではいいけど基本、視聴者にモンスター映画期待させてるんだってことは忘れないでほしいよね。ラストのアクション、女がためらってる隙に男ブッ刺されて昇天、てシーンなんざコンタクト系の定石が悪い意味で強調されちゃってたっけ。ひさびさのA級感覚モンスターホラーだったのに……。前半満点、成長してからはしょせんこれですか点。
 ■パンドラム■ モンスター誕生の経緯がよぉわからんのでバイオハザードって分類でよいものやらですが……、いやぁこれ、素晴らしい出来だとは思うんですよ。久々の本格SF、宇宙船内閉鎖空間ものの本格モンスターホラーか!って大期待して観たんですよ。そしたら、展開や映像、雰囲気なんやかやは言うことナシなんだけど、問題のクリーチャーがほぼ人間型なのねぇ。『ディセント』レベルかな。あの映画もほんと、クリーチャーの異形レベルがあれななもんでいまいち評価上がらずだったが、この映画もそう。てより舞台設定の非日常度が上であるぶん、こっちの方が幻滅感大でしたわ。超巨大宇宙線の中でコールドスリープから一人ずつ次々目覚めて、何か記憶が甦らないままなんやかんや任務らしきことを果たさねばならない、って展開がまずサスペンスだし、殺され方もけっこうスプラッターの域に迫っていて、さぞ異形のモンスターを期待させてくれたんだけどねぇ。がっかり。子どもモンスターのフェイント首切り攻撃は爽快でしたけどね。ラストの脱出カプセルがぽこぽこ海面に浮上するとこ、異星の水平線もよく出来てまして、最後までバッチリA級感保持した好印象がますますモンスター度不足の無念を増幅させるのでした。
 ■ダイナクロコvsスーパーゲイター■ こりゃあ楽しみだ。と、観始めるやいなやワクワクしちゃいました。なにせバカ映画感丸出しなので。みんなわざわざ狙われやすい屋外に走り出てくもんだから巨大ワニに一人一人ばくばく端正に食われていくというオバカ光景。御都合展開と微妙な出来のCGがこの映画の作意を伝えて嬉しい予感を高めてくれる。予感は裏切られません。「あ、こいつら喰われるためだけに出てきたな」って一目でわかる端役感ぷんぷんの男女が順番に登場してはおざなりな乳繰りあいやら口説きやらをひととおり演じたあと超予想通りに喰われていく超楽しさ。本筋と喰われシーンご披露とが律儀に交互に、まるで「モンスターホラーちゃんとやってますんで」って点数稼ぎしてくみたいな編集だよな。しかもビキニ娘胴体真っ二つを除くとほとんど人体破壊シーンってないのね。バクッと喰われて消えてオシマイ、の連続みたいな。あとほら、出番がダイナクロコに偏って、スーパーゲイターの方は犠牲者数がちょい抑えられ気味だったのがどうだったかな。バスツアー客どももほとんどが逃げのびたみたいだったしな。でも水辺でガバーッは二度もドキッとさせてくれたし、いや、正確には三度だけど、最初のあの一発はいくらなんでもナシだな。だってほとんど膝までのあの浅瀬でどーやったら垂直にワニ首突き出して人間呑み込むですか? 地底怪獣ですか? 『トレマーズ』ですか? って別に文句言ってンじゃなくて、むしろ「まさかここで……」って思った通りにあの無茶なCGでしょ。笑っちゃいまして、そいでドキッが中和されて「あの一発はナシ」って次第。いやぁほんと変にコメディにはせずにバカ映画を真面目にやってくれてるとこが好感度高しです。対決場面は、スーパーゲイターは目をやられてたし(しかしとっつぁんが目ぇ仕留めるときの娘との逃げろ逃げないのやりとり、二人とも至近距離の敵からしっかり目ぇそらして言い合いに没入、やれやれC級モンスター映画特有の人間都合の演出でしたわい)長距離全力疾走の直後だったから不利だったけどダイナクロコの方がそれまで銃弾爆弾浴びてた量がずっと多かったもんでまあフェアな条件での戦いと言っていいかな。呆気ない終わり方はもちろん不満。爆発でのダイナクロコの死に方もヘボなんで大不満。ラスト、赤ん坊ダイナクロコの予兆は、鳴き声しか聞こえんかったけど、いや、画面でも何か蠢いてた的なものがありげだったけど、あそこはちゃんと視覚効果で締めてほしかったな。ともかく、こういう真面目系バカ映画ならこれからも大歓迎ですんでよろしく。
 ■エイリアン・パンデミック■ 内臓的クリーチャーの作りも動きもいいんだが……、小さいのね。ちょっとでかいやつも出てきたけど、出番ちょびっとずつなのよ。助走部分のディテールも凝ってるんだけどねえ。触診のとき胎児に獣医が手ぇ噛まれるってシーンにはびっくらこいたし。あと、胎児がすでに妊娠していて中から胎児ゾロゾロってのもびっくらこいたしね。まあ対決シーンは狭い牛舎の中ながらなかなか本格的だったから、よしとするかな。全編、狭い空間に牛の糞や血の臭いが立ちこめたような感じでずーっと続くので、そこに通りすがりのカップルが巻き込まれたりする理不尽感も加わって、「パンデミック感」はたっぷりでした。クリーチャーの造形以外はエイリアンつまり地球外生命とはまったく関係なかったみたいだけどね。
 ■シャークトパス■ しょうもねぇ邦題、と思ったら、原題がこれでやんの。しかもテレビ報道で正式に命名してるし。視聴サイドも「くだらん」て言ってるし。で、そんな命名されるくらいモンスターが知れ渡ってるというのになぜか最後まで警察は登場せず(軍が抑えてるってことかね)、追っかけるのが元カップル一行だけってのがどうなのかね、リアリティ以前に。でもまあ、シャークトパスに巻き付かれる人間各人が毎度襲撃直前にCGのボロを出さない場所に、適切な姿勢で立ち位置いちいち決めてくれてるのが好感持てました。ってバレてるんじゃダメぢゃんね。肝心の博士の巻かれ方ヘタッピだったしね。立ち回転って老体には難しいから。ってまぁ、ひたすら殺すためにのみ律儀に浅瀬をえっちらおっちら歩いてくシャークトパスの姿、けっこう笑えたです。生物兵器として真面目に努めてますって感じがほんと可愛かったです。前半であっさり食われたチョイ役バンジージャンプ娘のガミースマイルの方が可愛かったですけどね。追跡側の事情が一段落するたびにシャークトパス出没予定の海岸が脳天気なラテン音楽とともに映し出される交互フェイズ進行、アンチホラー色鮮明でそっち系としちゃまあまあでした。
 ■蛇女■ 映像よし。だから惜しいよね、ほんと。……って、何かが惜しかった記憶はあるんだが内容をほとんど忘れちゃってましてね。何が惜しかったのかなあ? DVDの表紙が佐伯日菜子のアップなので佐伯が蛇女だとばっかり決めつけて観てたんで、違ったんで「え?」って思ったのだけは覚えてます。みんな同じこと感じるらしくて似たこと書いてる人ウェブのここかしこで見かけたことありますけどね。あとそうだな、佐伯日菜子がどっかの家に泊まったときに何かが起きて、それがなかなかホラーな雰囲気たっぷりだったことも覚えてるんだが……、ま、そのうちもっかい観てみよっかな。ってほどの映画じゃなかった記憶もあるけど。いかにも片手間のレビューっぽくてすいません。ってその程度の印象だったってことですんで。
 ■パラサイト・クイーン■ えーとごめん。これもほとんど憶えてないんですよね。にゅるにゅるがなかなかよくて、皮膚の下をムズムズ動く描写もなかなかで……、って記憶はあるんだけど。でもこういうの観てるとCGに飽きそうだな、ってありきたり感芬々だった記憶も。
 ■プレデターD4■ モンスターがただの人間ってのがどうにも悲しすぎますよ。もうちょい異形にしてくんないと盛り上がりません。撃っても撃ってもさっぱり効かずにひたすら走って向かってくる憤怒形相筋肉マン、ってたしかに怖いんだけどさ。あそこまで銃弾が効かないと緊張感かえってほどけるね。で結局、行方不明の子どももあのモンスターになっちゃったってわけね。じっちゃんが手なずけようとするあたりはハラハラさせられるんだけど、ラストの車ン中でミキサー状態ってのはあれ、最後の最後にコメディに転換したつもりかな? ってほどのノレた出来。いや、大したことないシーンかもしんないけど、ああいうのラストじゃなくてちょいちょい中盤に混ぜてほしかった。退屈すぎた中盤にね。

レザーフェイス系5

2011-08-08 04:57:00 | モンスター映画
■クライモリ デッド・エンド■ 爽快です。オープニングの唇噛みちぎり(!)+全身縦割り(!)→左右半身別々お持ち帰りの流れってば絶妙ッすそりゃあもう。あの女ったらあとでバーベキューにされて食われちまうのね、仲間に。バカっぽくさくさく進んでくのが良いやね。まあ、フェラチオ女の殺され方なんぞは滅多切りのわりに水面下カメラじゃ全然見えなくて惜しかったし、モニター画面の中の首斬りも瞬間が画面外ってんじゃダメダメだったけど、あと立ち小便中の斬殺もどーも見づらかったし、でもあとの人たちの死に方はどれも満足かな。宙吊りの二人の目を一矢で射抜く芸当ったら「おおっ」だったし、あの場面の魅力は、そう、生き残り確実と見られたイラク帰りのマッチョ女兵士が仕留められちゃった意外感とやたら鬱陶しい軽薄男がやっと死んでくれたって解放感とがブレンドされた拮抗作用というかね。脱出に成功して大暴れしてくれたボスのラストは半端ない血糊でしたし、いやそういえばあのボス、ダイナマイトにこだわりすぎでないかい。とっつぁん退治したときのあれなんかマイトで吹っ飛ばしたいがためにわざわざ銃口に身をさらす危険を冒してるし、駐車場(?)でのあれなんかも、二人別個に矢で狙えばすむところをあんなでしょ。まあ内臓爆裂シーンを見れたのは嬉しかったけど、キャラクターまでがビジュアル本位で行動しなさんなって。もうちょい予算があったらあの断裂歯車に夫婦して引き込まれる図を正面から克明に見せてくれたでしょうに、残念だったな。でもまあ、バケツの中で肉片がぴくりと動いてくれましたしね、なにげに。ああいう細かいとこに、怪物一族の人間味つうのか執念つうのか愛いうのか、なにせ出産シーンも嫉妬シーンもキスシーンも描かれましたのでねえ、怪物一族の。二人も生き残ったのが不満ッちゃ不満ですけど、ラストで赤ちゃんが指食べそうだったし、こりゃあ理想的なB級スプラッター魅してもらいました。
■クライモリ デッド・リターン■ こいつもツボ押さえてくれました! 酷評が多いようだけど俺は十分満足。冒頭の若者連続惨殺シーンだけでもあと全部引っ張ってくれたじゃんよ。あれの余韻が冷める暇なく最後まで間髪容れず畳み掛けてくれてたって感じ。この路線でいいと思う。囚人どもと看守の対立にちょいちょい化け物親子がちょっかい出すだけってなフラストレーション含みの展開は展開だが、まあとにかくスプラッター描写だけが命と割り切ればすげー楽しめる作品じゃないかな。金に執着する囚人どもの悪辣さが前面に出すぎてモンスター度が押さえられてるのは事実だが、そのくらいの方が邪悪対邪悪のコンセプトが生きてスッキリ見られる。ラストは「まだ金かよ」って感じだが、まあ無難に話をまとめたって感じで、オチをつけてないけど落ち着いた感じで、いいと思うけどね。しかしこれ以上の続編はチョイ心配ってのはみんなと同感だな。
■ワナオトコ■ これは笑えた。いいねえ、こういう理屈あってなきがごとしのカラッポスプラッター。あいつの仕事が害虫駆除だってのは最後まで知らなかったけど(内装業者かと思ってたわ)、あのレザーフェイスは結局同僚だったんか? クギにトラバサミにピアノ線に劇薬に剃刀に、トラップの数々はほんと見てて飽きない凝りようだけど、しかしあんだけ凝った仕掛けをするってことは(しかも短時間――この設定じゃ半日の間にだよな――に)、誰かが家の中を自由に歩きまわることを想定してるわけだ。それにしては家の人間はみな束縛されてすでに瀕死の状態だし、主人公の泥棒が侵入してくるってことを予期していたわけでもあるまいし。主人夫婦を自由に歩きまわらせて、泥棒氏といっしょにとラップ巡りをさせた方が良くはなかったかな。あと疑問なのは、夜中に戻ってきたバカップルが、室内でトラップにかからずレザーフェイスとの肉弾戦になっちゃうところね。やはり自然にトラップにかかってほしかったよなあ。あれじゃあ強引にトラップに突っ込まれてるんで、わざわざトラップの意味ないでしょ。といろいろ不満はあるが、設定があまりにもいいんで全体的に傑作認定ですよ私は。しかし階段のクギはもろ踏んでほしかったですけどねえ、あのバカップルには、なんとしても。クギ踏んだときのアクションがどう連鎖するのか、切実に見たかったじゃないか。あとレザーフェイスが害虫駆除の仲間なら(あの様子だとたぶんそうなんでしょ)、あのゴキブリの使い方は中途半端だったな。ていうか、これは虫を使う状況じゃないよな、金属に徹するのが正解でしょう。あとそうだ、主人公の泥棒は、ああいった具合な家族思いのエピソードなしにしてほしかったな。もっといえば、コソ泥じゃなくてもちっと凶悪な犯罪者であってほしかった。そしたら『クライモリ デッド・リターン』なみの悪VS悪の図式が成立してたんでね。とはいえこの映画、『クライモリ デッド・リターン』より上だと思うけど。ともかくあの泥棒ったらちょっと感情移入を要求しすぎてるのが惜しかったよ。家の人たちを助けようとほんとに努力しちゃってるし。あとそうだなあ、レザーフェイスがどうして最後まで無傷かなあ。腕の一本も切り落とせればよかったんだが。試合中は一進一退、いい勝負のように見えて、終わってみれば一方的な大差がついたって感じだね。もうちょっと拮抗した戦いを期待しちゃいました。そのためであれば定番の小さい女の子も要らなかったな。ま、あの子が窓際に見えなけりゃ泥棒もわざわざ家に戻ったりせず逃げのびてオシマイ、だったわけだけどね。
■ブラッディ・バレンタイン■ 意外と個々のシーンの記憶がないな。後ろからブッ刺されて目玉飛び出すシーンがあったような。ツルハシだったら当然あるべきシーンだけどね。義務的ってくらいなもんで、だからインパクト薄れちゃったかな。あとは殺人鬼が人目を気にせず悠々と歩いて去っていったラストが気分よかったってくらいかな。なんか、スーッと気分よくするする観れすぎたスプラッターだったんだよね。
■ホステル■ これ、レザーフェイス系ってことでいいのやらですが……、ま、顧客どもは平凡な市民なんだろうがそいつらが一々レザーフェイスってとこがけっこうコワイ。素人だから滑って転んだりうまくいかんで組織にクレームつけたりね。素人レザーフェイスの天然醍醐味。日本人娘二人組の一方が目玉ぶら下げたままちんたらちんたら逃げてどーすんだろって思ってたらあれかい。ラストはきっちり憂さ晴らしだったけど、ど~せ殺すにしてもまずは指切り(というか手斜め切りだったかな?)にこだわったとこがよかったっけね。
■ホステル2■ なんか淡泊なラストだな。豹変大逆転のわりにはさ。あの女が急に凶暴になるのはちょっと……、男の不意をついたとはいえ強すぎだし。
■ヒルズ・ハブ・アイズ■ ん? 意外と普通だったな。というより家族に赤んぼがいる時点で、あ~こりゃ期待できないなと諦めたんだよね。どうせ赤んぼは生き残るでしょ、ほいで赤んぼつれて砂漠から抜け出すにはあと最低1人生き残らにゃならんでしょ。しかし赤んぼ+3人+一匹生き残るなんてちょっと生き残りすぎだよな。生存率はギリギリで案まとめてほしいもんだよ。
■ヒルズ・ハブ・アイズ2■ 出産がからむとたしかにグロ度は増すね。単に俺が出産シーンに弱いだけかも。
■ウルフクリーク■ オーストラリアの風景が美しい前半とぐちゃぐちゃの本番とのコントラスト。後半、かくれんぼ的鬼ごっこみたいになっちゃってダレたけど、お姉ちゃんの要領の悪さには苛々させられて、そのイライラが不思議と相乗作用発して恐怖が増すというような。殺人鬼を撃ったあと、当然復活してくんだろーなーと思ったら案の定よ。廃墟化した修理工場みたいな現場だけは超一級でした。
■デッドクリフ■ 前半の「自然界の怖さ」だけで通してくれた方がよかったのでは。ああいう無謀な連中は全員死ぬべきだし、変なトラウマ殺人鬼の助け借りなくてもどうせあいつらダメだったでしょ。いったん逃げたあんちゃんが彼女の間一髪に戻ってきて石ぶつけて逃げて……、ってあたりはリアルでしたね。映画的ヒロイズム抜きの現実って、だいたいあんなもんでしょ。
■フロンティア■ 悪vs悪って構図は私大好物なんで、のっけから期待が膨らむ膨らむ。ただなんてゆうのかな、レザーフェイス家族がかなりいい加減で、油断だらけで強盗どもに逆襲されっぱなしなのがどうも。前半の一方的な形勢がもうちょい続いてもよかったんじゃないかと。ボイラー室みたいなとこで茹で殺しされるあのシーン、ドロドロになって出てきてあのデブに抱きついて執念で密着して火傷の巻き添え殺し、共倒れ……って凄惨な展開を期待したんだけど普通に死んじゃったな、残念。制作陣、そこまでセンス良くありませんでしたか。でラストがキャットファイトになったのはまあそんなもんだろうけど、極まり技が噛みつきってとこは嬉しかった。実際は首筋をああやって噛むのなんて不可能だろうけどね。
■マーターズ■ レザーフェイス系というか何というか……、まあ『ホステル』のイデオロギー版ってことで。しかしもっとスッゲー結末なのかと思ったよ、アマゾンなんかのレビュー見たときにゃ。しかしあんなもんか。あれじゃマドモワゼルが初登場のときいろいろいってたことから予想した通りじゃないか。ラストの30分余計ってなもんよ。暴力表現がスゲえっつうから期待したら、普通に銃撃だったり普通にタコ殴りだったりじゃんよ。まあ類似作のない暴力表現は評価できるけど、オチに至るアイディアはどうもねえ……、たしか筒井康隆の短編にこのアイディアあったよね。いろはにほへと……って伝言してくたびにショック死するやつ。いや、まあ、かなり違うか。
■シー・ノー・イーヴル 肉鉤のいけにえ■ あり? 義手のオッサン、あんな早く殺されちゃうのかよ。因縁の対決っぽく引き延ばすかと思ってたのに。それと全体、スプラッター度が弱いな。何度もやっていながら目玉くり抜きはついぞ直接描写がなかったし(あれで十分直接? いやいや、いつも手の陰になってるんでねえ)、黒人男の殺され方なんか、壁に家具越しにぎゅいーっ、へたっ、でしょ。あんなんじゃ……ちゃんと血ぃ出る殺し方してよ。もっとひどいのは女を窓から降ろしてる最中に襲われた男みたいに、事後描写だけとかな。あと生き残るのが3人って多すぎでしょ。一番嫌われてたマイケルって男があっさり無傷で生き残るってどうゆうわけよ。あれをもって「意外な展開」を主張してるわけでもなさそうだしな。エレベーターの中じゃもっと何か起きるんかとそりゃ思ったし。ラストでばあさんの足だったかピクって動いたんであのば~さんが復活して一暴れかな? てチョイ期待したんだけど甘かったか。よかったとこはそうね、ケインが頭ブッ叩かれたときどうも半ゾンビ状態ってことがわかって「だからさっきから蠅……」って気づかせ効果があったこと、ケインの死に際のしぶとさ描写(もっとしつこくてもよかったと思うが)と目の鉄パイプガンガンガン、って落下中の描写ね。ま、楽しめる人が多そうな映画だってことはわかるんで贅沢で悪いけど、典型的なこんなもんかな系ってとこですかね。
■スライサー■ え? て感じだな。だって『マングラー』みたいなモンスター映画だとばかり思ってたんだもの。マシーンの出番ほとんどないじゃん、ただガッシンガッシンいってるとこに人力で人間突っ込むシーン以外は。でもシチュエーションすこぶる面白いやな。ドロボーが忍び込んだ家がたまたまサイコパスの家で誘拐された女と意思疎通するわけね。見捨てて逃げようとするも閉じこめられちゃうってか。まあ、設定がよかっただけに期待外れが大きかったな。
■屋敷女■ なんか、洗面所かどっかに隠れた女の手を外からブッ刺すシーンなかったっけ? そこだけ印象に残ってるかな。
■2001人の狂宴■ 真っ昼間の屋外での追っかけっこまがいの虐殺が主なんで、恐怖感はいまいちだな。最初の(このシーンはたしか夜だったよね)手足順々にブッちぎりは、三本目まで普通の悲鳴あげてんのが違和感ありあり。最後の一本で(いや、ラストは2本まとめてだっけ。記憶定かならず)ようやく「ごほっ」ってリアルな咆哮っぽい呻きになったけど、ああいう身体切断シーンでよくあることだけどああいう健全な悲鳴は出ないもんだと思うんだよね。あと、よく覚えてないけど表彰式の演出まがいの舞台で女をぺしゃんこにするのあったよね、あそこはアップでお願いしたかった。ケツから串刺しにするやつもね。ともあれあっけらかんとサクサク殺してくテンポの良さは買うけど、序盤の過剰歓迎ムードから期待される不条理感は結局ナシで終わっちゃったな。あ。ええと待てよ。これ、ほんとはレザーフェイス系じゃなくて別んとこに分類しとかなきゃいけなかったのか。だってオチがあれだからね、しゅわわ~~って。でもまあいっか、メインの目的がレザーフェイス系にあること確実の映画なんで。
■悪魔の追跡■ 沿道の人々がみな微妙に怪しいところが面白い。カーチェイス+スプラッターというのも貴重。ああいう目撃の仕方って、実際明日にでも出くわしそうで怖いよね。しかしあんな見られそうなとこで秘密の儀式やる方もやる方だよね。って地元の人間にだったら見られてもいいってか。よそ者はまずいないだろうってか。狭い日本じゃありえないセッティングかな。でもまあ、さすが七十年代の映画だなあ。女どもが何の役にも立ってないや。戦うのも庇うのも気遣うのも全部男の職務かい。忙しいこって。
■ツールボックス・マーダー■ 釘打ち機で頭部ばすんばすんばすん、がとにかく印象に残ってます。大工道具ひととおり使うってコンセプト大いに褒めたいけど、どうせやるなら徹底的にマニアックに、メインの道具全部わかりやすく使ってくれるとよかったんだがな。カンナでじっくり削るってのもあってよかったんじゃない?
■悪魔のいけにえ■ あれっ、これで終わり? て感じの唐突な締めくくりですな。ていうか締めくくりのなさですな。これ、いちおう名作なんだよね? やっぱ時代順に観てかないと白けるもんだね。ホラーも進化してるんで。最前線の分析哲学さんざ読んどいておもむろにデカルトひもといたような感じかな。
■ヒルズ・ラン・レッド■ レザーフェイスもといベビーフェイスがピストルで撃ってくんのかよ。いやはや。スプラッター系で飛び道具もあっていいけどピストルってありかよ……、なんか究極のトホホ映画『海底大戦争』思い出しちまったよ。ま、ある意味メタホラー。ホラー映画そのものをテーマにしたホラー映画って意外とないんで、この路線後続作があればいいと思ったな。今度はちゃんとした殺し方工夫してね。
■ビハインド・ザ・マスク■ これ、いいアイディアだとでも思っただか? とんだ勘違いでしょうよ。いや、しかしこのコンセプト、映像の作り次第では傑作になったはず。『ヒルズ・ラン・レッド』よりさらに凝ったメタホラーというか、懲りすぎて失敗したというか、取材対象の青年、はっきり殺人鬼ってことになっちゃってるけど、そうじゃなくてただの無害なホラー映画マニアかほんとの殺人鬼かわかんないって設定を保った方が面白かったと思うんだな。「盗まれた手紙」っぽい構造が「お、お、お」と思わせるようなね。かなりむずかしいと思うけどね。コンセプト活かせなくて自滅しちゃった可哀想な例かな。しかしフェイクドキュメンタリーの資料としては使える素材だな。できれば内容そのものを楽しみたかった。誰かこれ、同じストーリーでいいから作り直してくれないかな。いや、もっぺん観れば「お、やっぱ傑作じゃん」って見直す可能性がなきにしもあらず。って無理かな。初見のダメダメ感を思い出すに、もっぺん観る暇があったら呪いのビデオの新作でも観た方がいいよなあ。いや、でもいずれ「フェイクドキュメンタリー論」執筆するときにはこれイヤでも再観賞せねばなるまいかな。ああ面倒っち。
■ハチェット■ なんだか必要以上にコミカルにしてるなあ。かといって全編コメディに分類できるかつったら、レザーフェイスがみため毒毒モンスターなわりにはそれほどトホホぶりも出てなかったしねぇ。雰囲気尊重してこっちは笑わせてもらう準備してるっつのに無駄なシーンが多すぎてさ。火ぃつけたとき、雨が降ってきたからって逃げずに全員でグチャグチャにしちまえよ。相手は倒れてるんだからさ。金属類の力じゃどうせ殺せないと思ったのかな? だったら変でしょ、そんな不死身なやつを最後のあれっぽっちで殺せたなんてどうして思っただか? ブッ刺された足を犠牲にしたグッドアイディア(かよ?)を生かしたい希望的観測かや? なんか行き当たりばったりの安ドラマでした。評価できるのは全員殺されたって点だけかな。あとそうだな、ワニが中途半端だったな。レザーフェイスがワニと一戦交えるくらいの展開に持ってけなかったものかなあ。
■コールドプレイ■ ノルウェー映画ってことでほんのり根拠なき期待してたんですが。普通かな。普通よりおとなしめ寄りかな。スプラッターという予断を持っていなければ、雰囲気のぶんポイント高くつけたかも。で、どうでもいいけどただのオッサンがなんであんなに強かったのかな? 謎。ジェイソン張りの外見してるわけでもないし。しかしあんだけ死体が密接してると本来「ぞぞーっ」てなもんだが、雪原だもんで臭気が感じられずに恐怖感大幅減殺だね。しかも谷底っていうか穴底だったしね。
■殺人動画サイト Death Tube■ こりゃあコメントする意義もないな。お遊戯だな。どうせこういうお芝居になっちゃうんだったら、もとハチャメチャやってくれてもよかったのに。閲覧者との相互作用が乏しかったのもがっかりだな。「殺人犯」なんて紛れ込んでなくていいから。その場でエピソード作ってってほしかったよ。