■屋根裏のエイリアン■ ありがとう、笑わせてもらいました! こういう普通に上質のコメディって、なかなかないんだよねえ。姉貴の恋人がテンション高すぎだけど、リモコンされちゃってるんじゃ仕方ないか。しかしなんだな、子どもらが大人の力を借りようとしないばかりかエイリアン騒動を秘密にするべく必死こいてるのって、モチベーションがちょい不明瞭じゃなかったかな。もちろんそのおかげで話は面白くなったけどね。全般メリハリ効いててテンポよくて大満足だけど、とくにおばーちゃんとにーちゃんのバトル、キテるよあれ。コメディだからって決して半端じゃないぞ。終了寸前ににーちゃんが「なんで~~!」って覚醒するタイミングも絶妙だったし。エイリアンが巨大化するとは思ってなかったけど、バトルもしつこくなる前に終わってひと安心。大人は最後まで誰も気づきませんでした、の巻ですか。
■かいじゅうたちのいるところ■ おおっと……この映画……、意外とダークなんだな……。もっとほんわか系かと思った。ずいぶんシリアスでやんの。絵本の方は見てないんだけど、やっぱこんなんなのかなあ。しかしこの男の子、泣くのうまいね。かあちゃんに突っ放されてベソかくとことか。それが連動してるんだな、かいじゅうたちの微妙にというかあからさまにサイコな感じとね。島に着くやいなや目撃する家ぶっ壊しシーンのシュールさがまたすごかったよねなんとも。メルヘンチックな外見と異様に暗めの内容が摩擦音を立てているというか、砂漠の荒涼ぶり森の鬱蒼ぶりの対比がまた暗さ要素を深めているというか、こりゃあちょっと類例のないオカシナ映画だったぞ。
■トロール・ハンター■ POV系はずいぶん増えてきたんで、内容的分類優先してコンタクト系ってことで。って内容といってもトロールは知能を持ってないらしいのでコンタクトとも言えなそうだが、一応自然保護というか、トロールなる動物種の保護というか、そんなんがテーマっぽいのでここに。しかしトロールって何種類いるんだろ。早々にあいつが肩を噛まれたってことは、人間大のやつもいるわけだよな、最後まで姿見せなかったけど。巨大トロールの出番が4回あったうち、一回目の石化する瞬間がもうすばらしいったらありゃしないね。顔が三つってあの姿が怖すぎなのが効いてるんだな。二回目の爆発シーンはカメラがしっかり捉えていてほしかったよ。POVでやってる以上、あの状態じゃ橋の影になっちゃうのがリアリティあるって理屈もわかりますけど。あと最後の超巨大トロール、シーンによって大きさがまちまちじゃなかったかい。光線当ててたときは、車で逃げてたときやバズーカみたいので殺しちゃうときに比べてチョイ小ぶりだったような。まああんだけデカいとちょっとぐらい変わっても同じか。しかしなんとも、一回目の登場シーンに話戻すと、赤外線撮影での巨大怪獣って迫力あるんだなあと。目撃側の視界の制限が恐怖を倍増させるんだな。新しいビジュアルに巡りあえた感というか、久々に本格モンスター映画を楽しめた充実感がありますよ。あとほら、ラストの字幕メッセージが、冒頭のメッセージと矛盾していて傑作でしたね。簡単なトリックだが、ノンフィクション性の主張とフィクション性の主張との衝突ってか。うまくやりましたな。まあしかし、ラストもその線で押しまくったとはいえ、あんだけ巨大な生物、しかも群居性の哺乳動物、しかもあの声で吼えまくる動物を民間人から隠し通すなんて超不可能だと思うよ。現に送電所の職員はあれで知っちゃったでしょ? あそうだ、終盤に車に乗り込んできた地震学者とやらは? あれでおしまい?
■パラノーマル・アクティビティ3■ これももちろんPOV系だが、再び内容的分類優先してコンタクト系ってことで。今回は首振りカメラアングルが加わったが、それ特有の効果をちゃんと生かした現象をフィーチャー。その工夫ぶりには好感が持てた。ほら、あのシーツのバサっ、てやつのことですけど。あの現象、意外とホラーの急所突いてるですよ。至近距離真後ろだもん、怖いよあれ。どうやって近づいてきたか、映さずに想像させるのがPOVゆえごく自然に出来てる。おまえはイタズラ妖精かってノリだが、ああいうチンケな現象が一番怖い気がしてきたよ。この系統つまり室内POVスタイル、そろそろ飽和して続編は無理でしょう的ムードも漂いまくるが、あのなんだっけ、ブラッディなんとかの、鏡の前で電気消してじっとしてるああいう遊びとか、POVの可能性はまだまだこれからかも、って気合いがみなぎってますね。俺的にこの映画、シリーズ中でもけっこう点数高いです。三つのカメラの多様な映像が勝因かな。なんか力ずくっぽいけど、シーツの工夫もあったことだし。だたまあ、なんだな、すべての原因はおばーちゃんに!ってああいうオチにいっちゃうんなら、おばーちゃんの顔、もうちょい映してもよかったかな。前半出番多くしとくとか。で、トビーって結局?
■デイブは宇宙船■ 笑えた。文句なく笑えた。さすが専門のお笑い芸人だ。でも話の方はすげー地球本位の話だよな。エイリアンが地球人の生活に触れて初めて愛を知りましたってご都合パターン、俺好きじゃないんだけど、宇宙船デイブと船長デイブの未亡人とのコンタクトぶりがなかなかよくて、ダンスのとことかそりゃもう見入っちゃう展開でしたから。未亡人の彼氏(かな?)の影が薄かったせいもあってあの二人、てっきり「いい感じ」になってくのかと思いきや、やっぱナンバー3との目覚めのためのステップでしたか。まあ正解ですよね。
■ジム・ヘンソンの不思議の国の物語■ 「ジム・ヘンソンの」って邦題がどうやらインチキらしいが、そんなことはどうでもいいや。かなり面白かったのでね、視覚的に。妖精の造形がまことによろしい。キャラも。声も。なんもわからんで南京錠あけちゃう赤ちゃんも可愛い。赤ちゃんが可愛いからってアップで写したりせず基本無視してもっと大きな子どもらの方に焦点合わせ続けるカメラワークもいい。子どもらが翼はやかして空飛ぶとかいろいろ、表現の部品はだいたいありきたりなファンタジーなんだが、適度に気むずかしい数学者の伯父さんや解剖好きの坊ちゃん周辺のオタクっぽい雰囲気もあってうまく定型をかわした統合ぶり。むろんティラノサウルスにはもっとしっかり動き回ってもらいたかったけど、まあ地下室だったしあれでいいか。で結局お父ちゃんも無事戻ってきて、一家幸せで終わるわけね? まあいいでしょう。
■赤ずきん■ オオカミとの会話能力の有無がポイントなのでコンタクト系でお願いします。あの牧師(だったよね)、大口叩いてたわりにはあっさり噛まれちゃったですね。慎重に結界まで張っといてねえ。オオカミは誰なのか、おにーさん二人のうちどっちかってのは動かないと思ってたけど、そうきたか。超意外。謎解き仕立てだったことが謎が解かれてからわかるという……。姉さんが殺されたわけも……。で、あれですか、最後のあれって、けっきょくオオカミとして生きてく決心をしたってことですか、だったらお父ちゃんを殺しちゃったの、無意味だったんじゃないかなあ。いや、結果論だからリアルでいいのか。
■宇宙人ポール■ う~ん……、コメディとしちゃ無難な出来なんですかね……。やけに馴れ馴れしいポールの振る舞い、いかにも無理してコメディやってる感ありありで、オタク二人組との掛け合いもなんか強引なのが多いし、だいたい命かけた逃亡劇だってのにポールに緊張感なさすぎなんだよ。道路でも街中でもわざわざ怪しまれる行動とってるしさ。観客サービスはいいから。真剣に逃げてくんないと客も笑えません。変にスレまくってて好感持てませんっつの。せめて『デイブは宇宙船』くらいのひたむきさがほしかったよ。まあ、よく出来てた点を一つだけ挙げておきましょうかね。追跡班の部下二人、とくにオタクの方、もともと上司に反感持ってたわけだし目標がエイリアンだって判明したとたん、上司に逆らって逃亡助けたりすんのかと思いきや全く逆。あそこで「あれ? そういう展開じゃないでしょ」って私ゃ不満だったんだが、そうか、そういう事情でしたか。うまい筋書きです。エンタメの定石逆手にとってくれましたな。宇宙船とヘリコプターがやってきて「そうはさせん」のあたりまですっかり騙されてました。ただそのあとがダメダメだったなア。サイクロプス女の父ちゃんのむちゃくちゃな介入がここでも裏目に出て、なんなのあのチープなプロレスは? やめてほしい。お別れ感動シーンもなんとなくおざなり、サイクロプス女への「いっしょに来るかい」もとってつけた感芬々。コンタクトに深みが感じられない。もっかい言うけど、コメディやるならそれなりに真面目にね。
■タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら■ 殺人鬼と被害者サイドがテーブルはさんで「話し合い」するってわけでこれ、広義のコンタクト系に。しかし期待とはだいぶ違ってたな。あのパターンって、「気のいい二人」が自分らへの誤解に気づかないまま進展してくのが正解じゃないかなあ。早々に自分らの立場わきまえちゃってる設定なもんで滑稽さ半減って感じ。せっかくのすばらしいアイディアが十分生きなかったか。学生らが次々自滅していくテンポが快感だっただけにまことに惜しい。学生の一人がなんとも、殺人鬼との対決にやたらハイになってた理由ってそれでしたか~~的謎解きなんぞ全部省いていいから、勘違い殺人事件の本筋に集中してほしかった。終盤に入るだいぶ手前の段階で殺人鬼の役柄がはっきり交代しちゃったのもマイナス点。ありきたりなドタバタにならないためにも、タッカーとデイルが最後までじっくり殺人鬼モードでいてほしかったよ。
■ゾンビアス■ なんや寄生生物と契約結んだらしいからコンタクト系ってことで。そりゃあ私としては支持派ですがね、この系統。しかし、一般映画であんまりジャンル特有のシーン乱用してほしくなかったってのが正直なところ。腹痛描写、半ケツ放屁描写はまあいいとして、しゃがみ真後ろアングル@ボットン便所は専門ジャンルのためにとっといてくださいよ、ああいう絶好シーンは。表現の自由が優先ってわかってますけどね、そう熱烈に見たいと思ってもいない視聴者の目に安易にさらすのはいかがなものかと。(出演女優というかアイドルというか、彼女らの素肌シーン目当ての視聴者は多そうだけど)。あ、終盤のスカート吹き上げオナラ描写だけはマジ嬉しかったですから。リアルのオナラビデオじゃなかなか、というか決してああいうの観れないんで。(冷凍室でオナラしてもらえば、水蒸気の形でオナラが可視化できるから画期的な放屁ビデオが出来るはずですよ、とジェイドの社長さんにリクエスト兼提案しといたんですが……http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2011/12/post_2941/ ……)。ま、言いたいことまだまだあるけど、一斉尻向け歩きは無理っぽかったよとかいろいろ、ともあれラスボス的クリーチャーのアホ造形がかなりよかったんでとりあえず満足です。
■邪神バスターズ■ なんだよ。これほどチープだったとは。ラブクラフトなんだし少しは暗黒感仄めかすとか、クリーチャーだけでももうチョイ気合い入れて作ってくんなかったかな……。オタク野郎のキャラも意外と生きてなかったし、ただのよくあるドタバタかい。ドタバタならドタバタであの水棲人が一騒動起こしてくれるのかと思いきやそれもないままただぐったり状態のまま終わったし、ちぇ、なんでぃ。どっちかにしろい。ラブクラフトが泣くよね。
■かいじゅうたちのいるところ■ おおっと……この映画……、意外とダークなんだな……。もっとほんわか系かと思った。ずいぶんシリアスでやんの。絵本の方は見てないんだけど、やっぱこんなんなのかなあ。しかしこの男の子、泣くのうまいね。かあちゃんに突っ放されてベソかくとことか。それが連動してるんだな、かいじゅうたちの微妙にというかあからさまにサイコな感じとね。島に着くやいなや目撃する家ぶっ壊しシーンのシュールさがまたすごかったよねなんとも。メルヘンチックな外見と異様に暗めの内容が摩擦音を立てているというか、砂漠の荒涼ぶり森の鬱蒼ぶりの対比がまた暗さ要素を深めているというか、こりゃあちょっと類例のないオカシナ映画だったぞ。
■トロール・ハンター■ POV系はずいぶん増えてきたんで、内容的分類優先してコンタクト系ってことで。って内容といってもトロールは知能を持ってないらしいのでコンタクトとも言えなそうだが、一応自然保護というか、トロールなる動物種の保護というか、そんなんがテーマっぽいのでここに。しかしトロールって何種類いるんだろ。早々にあいつが肩を噛まれたってことは、人間大のやつもいるわけだよな、最後まで姿見せなかったけど。巨大トロールの出番が4回あったうち、一回目の石化する瞬間がもうすばらしいったらありゃしないね。顔が三つってあの姿が怖すぎなのが効いてるんだな。二回目の爆発シーンはカメラがしっかり捉えていてほしかったよ。POVでやってる以上、あの状態じゃ橋の影になっちゃうのがリアリティあるって理屈もわかりますけど。あと最後の超巨大トロール、シーンによって大きさがまちまちじゃなかったかい。光線当ててたときは、車で逃げてたときやバズーカみたいので殺しちゃうときに比べてチョイ小ぶりだったような。まああんだけデカいとちょっとぐらい変わっても同じか。しかしなんとも、一回目の登場シーンに話戻すと、赤外線撮影での巨大怪獣って迫力あるんだなあと。目撃側の視界の制限が恐怖を倍増させるんだな。新しいビジュアルに巡りあえた感というか、久々に本格モンスター映画を楽しめた充実感がありますよ。あとほら、ラストの字幕メッセージが、冒頭のメッセージと矛盾していて傑作でしたね。簡単なトリックだが、ノンフィクション性の主張とフィクション性の主張との衝突ってか。うまくやりましたな。まあしかし、ラストもその線で押しまくったとはいえ、あんだけ巨大な生物、しかも群居性の哺乳動物、しかもあの声で吼えまくる動物を民間人から隠し通すなんて超不可能だと思うよ。現に送電所の職員はあれで知っちゃったでしょ? あそうだ、終盤に車に乗り込んできた地震学者とやらは? あれでおしまい?
■パラノーマル・アクティビティ3■ これももちろんPOV系だが、再び内容的分類優先してコンタクト系ってことで。今回は首振りカメラアングルが加わったが、それ特有の効果をちゃんと生かした現象をフィーチャー。その工夫ぶりには好感が持てた。ほら、あのシーツのバサっ、てやつのことですけど。あの現象、意外とホラーの急所突いてるですよ。至近距離真後ろだもん、怖いよあれ。どうやって近づいてきたか、映さずに想像させるのがPOVゆえごく自然に出来てる。おまえはイタズラ妖精かってノリだが、ああいうチンケな現象が一番怖い気がしてきたよ。この系統つまり室内POVスタイル、そろそろ飽和して続編は無理でしょう的ムードも漂いまくるが、あのなんだっけ、ブラッディなんとかの、鏡の前で電気消してじっとしてるああいう遊びとか、POVの可能性はまだまだこれからかも、って気合いがみなぎってますね。俺的にこの映画、シリーズ中でもけっこう点数高いです。三つのカメラの多様な映像が勝因かな。なんか力ずくっぽいけど、シーツの工夫もあったことだし。だたまあ、なんだな、すべての原因はおばーちゃんに!ってああいうオチにいっちゃうんなら、おばーちゃんの顔、もうちょい映してもよかったかな。前半出番多くしとくとか。で、トビーって結局?
■デイブは宇宙船■ 笑えた。文句なく笑えた。さすが専門のお笑い芸人だ。でも話の方はすげー地球本位の話だよな。エイリアンが地球人の生活に触れて初めて愛を知りましたってご都合パターン、俺好きじゃないんだけど、宇宙船デイブと船長デイブの未亡人とのコンタクトぶりがなかなかよくて、ダンスのとことかそりゃもう見入っちゃう展開でしたから。未亡人の彼氏(かな?)の影が薄かったせいもあってあの二人、てっきり「いい感じ」になってくのかと思いきや、やっぱナンバー3との目覚めのためのステップでしたか。まあ正解ですよね。
■ジム・ヘンソンの不思議の国の物語■ 「ジム・ヘンソンの」って邦題がどうやらインチキらしいが、そんなことはどうでもいいや。かなり面白かったのでね、視覚的に。妖精の造形がまことによろしい。キャラも。声も。なんもわからんで南京錠あけちゃう赤ちゃんも可愛い。赤ちゃんが可愛いからってアップで写したりせず基本無視してもっと大きな子どもらの方に焦点合わせ続けるカメラワークもいい。子どもらが翼はやかして空飛ぶとかいろいろ、表現の部品はだいたいありきたりなファンタジーなんだが、適度に気むずかしい数学者の伯父さんや解剖好きの坊ちゃん周辺のオタクっぽい雰囲気もあってうまく定型をかわした統合ぶり。むろんティラノサウルスにはもっとしっかり動き回ってもらいたかったけど、まあ地下室だったしあれでいいか。で結局お父ちゃんも無事戻ってきて、一家幸せで終わるわけね? まあいいでしょう。
■赤ずきん■ オオカミとの会話能力の有無がポイントなのでコンタクト系でお願いします。あの牧師(だったよね)、大口叩いてたわりにはあっさり噛まれちゃったですね。慎重に結界まで張っといてねえ。オオカミは誰なのか、おにーさん二人のうちどっちかってのは動かないと思ってたけど、そうきたか。超意外。謎解き仕立てだったことが謎が解かれてからわかるという……。姉さんが殺されたわけも……。で、あれですか、最後のあれって、けっきょくオオカミとして生きてく決心をしたってことですか、だったらお父ちゃんを殺しちゃったの、無意味だったんじゃないかなあ。いや、結果論だからリアルでいいのか。
■宇宙人ポール■ う~ん……、コメディとしちゃ無難な出来なんですかね……。やけに馴れ馴れしいポールの振る舞い、いかにも無理してコメディやってる感ありありで、オタク二人組との掛け合いもなんか強引なのが多いし、だいたい命かけた逃亡劇だってのにポールに緊張感なさすぎなんだよ。道路でも街中でもわざわざ怪しまれる行動とってるしさ。観客サービスはいいから。真剣に逃げてくんないと客も笑えません。変にスレまくってて好感持てませんっつの。せめて『デイブは宇宙船』くらいのひたむきさがほしかったよ。まあ、よく出来てた点を一つだけ挙げておきましょうかね。追跡班の部下二人、とくにオタクの方、もともと上司に反感持ってたわけだし目標がエイリアンだって判明したとたん、上司に逆らって逃亡助けたりすんのかと思いきや全く逆。あそこで「あれ? そういう展開じゃないでしょ」って私ゃ不満だったんだが、そうか、そういう事情でしたか。うまい筋書きです。エンタメの定石逆手にとってくれましたな。宇宙船とヘリコプターがやってきて「そうはさせん」のあたりまですっかり騙されてました。ただそのあとがダメダメだったなア。サイクロプス女の父ちゃんのむちゃくちゃな介入がここでも裏目に出て、なんなのあのチープなプロレスは? やめてほしい。お別れ感動シーンもなんとなくおざなり、サイクロプス女への「いっしょに来るかい」もとってつけた感芬々。コンタクトに深みが感じられない。もっかい言うけど、コメディやるならそれなりに真面目にね。
■タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら■ 殺人鬼と被害者サイドがテーブルはさんで「話し合い」するってわけでこれ、広義のコンタクト系に。しかし期待とはだいぶ違ってたな。あのパターンって、「気のいい二人」が自分らへの誤解に気づかないまま進展してくのが正解じゃないかなあ。早々に自分らの立場わきまえちゃってる設定なもんで滑稽さ半減って感じ。せっかくのすばらしいアイディアが十分生きなかったか。学生らが次々自滅していくテンポが快感だっただけにまことに惜しい。学生の一人がなんとも、殺人鬼との対決にやたらハイになってた理由ってそれでしたか~~的謎解きなんぞ全部省いていいから、勘違い殺人事件の本筋に集中してほしかった。終盤に入るだいぶ手前の段階で殺人鬼の役柄がはっきり交代しちゃったのもマイナス点。ありきたりなドタバタにならないためにも、タッカーとデイルが最後までじっくり殺人鬼モードでいてほしかったよ。
■ゾンビアス■ なんや寄生生物と契約結んだらしいからコンタクト系ってことで。そりゃあ私としては支持派ですがね、この系統。しかし、一般映画であんまりジャンル特有のシーン乱用してほしくなかったってのが正直なところ。腹痛描写、半ケツ放屁描写はまあいいとして、しゃがみ真後ろアングル@ボットン便所は専門ジャンルのためにとっといてくださいよ、ああいう絶好シーンは。表現の自由が優先ってわかってますけどね、そう熱烈に見たいと思ってもいない視聴者の目に安易にさらすのはいかがなものかと。(出演女優というかアイドルというか、彼女らの素肌シーン目当ての視聴者は多そうだけど)。あ、終盤のスカート吹き上げオナラ描写だけはマジ嬉しかったですから。リアルのオナラビデオじゃなかなか、というか決してああいうの観れないんで。(冷凍室でオナラしてもらえば、水蒸気の形でオナラが可視化できるから画期的な放屁ビデオが出来るはずですよ、とジェイドの社長さんにリクエスト兼提案しといたんですが……http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2011/12/post_2941/ ……)。ま、言いたいことまだまだあるけど、一斉尻向け歩きは無理っぽかったよとかいろいろ、ともあれラスボス的クリーチャーのアホ造形がかなりよかったんでとりあえず満足です。
■邪神バスターズ■ なんだよ。これほどチープだったとは。ラブクラフトなんだし少しは暗黒感仄めかすとか、クリーチャーだけでももうチョイ気合い入れて作ってくんなかったかな……。オタク野郎のキャラも意外と生きてなかったし、ただのよくあるドタバタかい。ドタバタならドタバタであの水棲人が一騒動起こしてくれるのかと思いきやそれもないままただぐったり状態のまま終わったし、ちぇ、なんでぃ。どっちかにしろい。ラブクラフトが泣くよね。