(承前)
洋館を見た後、せっかくだから和館も見て行こうと思った、洋館と和館は渡り廊下でつながっているが、見学者は使えないので、いったん洋館を出て、和館の正門から入った、こちらも無料
この和館は、2階建て、パンフレットによれば、
- 当初計画になかったが、外国からの賓客に日本文化を伝えるものとして建築が決定された
- 昭和17年に戦争に出征していた利為侯が戦死し、和館と土地は中島飛行機が買収
- 戦後は連合国に接収され、アメリカ軍司令官の居宅として使用された
- 接収解除後は国から東京都に無償貸与、都立駒場公園の無料休憩所になった
- 昭和50年に和館と公園は目黒区に移管、2013年に重要文化財になった
和館のほうにもガイドツアーがあり、30分くらい解説してくるというので参加した、というか和館に入るとガイドの人たちが待ち構えていて、頼まなくてもどんどん解説してくれた。2階は見学不可となっているが、ガイドの方が案内して見学させてくれた、茶室も見学できるが、訪問時は茶室が使用中のため見学できなかった、洋館と同様、そんなに見学者はいなかった
(大廊下、突き当りは茶室への入口)
(杉戸絵、燕子花、表の松竹梅は黒一色だが、裏の絵はカラーとなっている)
ガイドさんに聞いた話で覚えているところを少し書くと、
- 和館門は唐破風が両側面につく平唐門という形式で唐破風頂部の鬼瓦には前田家の家紋である幼剣梅鉢紋(ようけんうめばちもん)が掲げられている
- 建物は銀閣寺のイメージで作ってある
- 大廊下の三か所の杉戸には明治期を代表する日本画家橋本雅邦の松竹梅の絵(杉戸絵)が描いてある、杉戸絵は2階にもあった
- 1階の一つの杉戸の裏側にも燕子花の絵が描いてあるが、この水花が燕子花かしょうぶかあやめかについては論争がある(上の写真参照)
- 欄間が非常に凝った意匠になっている
- 御客間には床の間があり、その正面中央に座り庭を見ると、庭に流れる滝がちょうど見えるように設計してある
- 庭園には30個以上の灯篭がある、水が流れているがこれは人工的に流している
和室の庭園に面した障子には、それぞれ真ん中に大きなガラスがはめ込まれている、このデザインは先日京都に旅行に行った際に訪問した旧三井家下賀茂別邸でも見られたが、ここで再び見られるとは驚いた、誤ってガラスを割ったりすると修理代が高くつくとガイドさんが言っていた。
ガイドさんの話だと、今後は外人さん用に英語などにも対応したガイドの育成に取り組み中とのこと、また、施設を無料のままにするかどうかも以前から議論があるとのこと
こんなに立派な施設を無料で見せてくれるなんて有難い限りだが、有料にするかイギリスの大英博物館やナショナル・ギャラリーのように、入口のところに大きな寄付の箱でも置いてはどうかと思う。
洋館と合わせて十分楽しめた。両方合わせて2時間も見学したので疲れました。
(完)
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