愛は線香花火
授業中のエピソード(平成時代の高校で)
私:「考えてみれば、永遠なんてものは存在しない。『Never forever.』なんだなあ」
「せんせい、愛は永遠です」と茜が言った。
「そうかなあ、愛だって線香花火のようなものだと思うけどなあ。暗闇にぽっと燃えて、火花が弾けて、すぐに散ってしまう。大切に、大切にしていたものだって、いつかは無くなる。儚いなあ。無常だなあ」
茜:「今日のせんせいはちょっと変ですよ。どうしたの?奥さんと喧嘩ですか?」
「えっ? う~ん。というよりも、あの『3.11』(東日本大震災)以来、オレの価値観が崩れちゃってさ、人間不信というより、自分不信状態なんだよ。でも、線香花火って好きだなあ。闇夜を密やかに点してくれて、ぱっ、ぱっ、と美しく弾けて、もう少し待ってくれと思っている間に消えてしまう。愛も人生も線香花火なんだよなあ」
「あたいはスターマインがいいです。やっぱ、花火はスターマインです」と
いつも、いつも、前向きな茜さんでした。
『花咲く丘の高校生』(p.150)より
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