花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

百人一首英訳本

2024-11-23 | 古典英訳
「上越タイムス」が『地域で英語を学ぶ人らへ』の見出しで次のような記事を掲載しました。
その記事を端折って紹介します。(私の、名は「ゆ~」にしてあります)
 
 高校時代にゆ~さんから教わり、英語に魅せられたという書店主で「LL教室」の講師を務める遠藤さんが、ゆ~さんの監修を得て、地域で英語を学ぶ人らへの贈り物として『百人一首原文英訳・解説付き』(A4版カラー、100ページ)を作成した。
 原文英訳に加え、遠藤さんによるユーモラスでシュールなイラスト「落書き絵」、解説コーナー「ゆ~先生の豆知識」が付いている。読み応えがあり、資料性もある一冊に仕上がった。

 「百人一首は時代を越えた価値観、東西の文化を越えた普遍性がある。老若男女、誰が読んでも、面白い一冊になった」と胸を張る遠藤さん。ゆ~さんは日本語と英語、それぞれの国語をつなぐ「イマジネーション」の可能性を大切にし、「まず最初の歌、天智天皇の1ページをじっくり読んでほしいこの本の魅力が分かってもらえると思う」と話した。価格は1冊1万円(税込み)問い合わせは、妙高市シホヤ書店(電0255-72-2025)へ。

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一茶英訳-おんひらおんひら

2024-05-23 | 古典英訳
おんひらおんひら蝶も金毘羅参り哉

おんひら おんひら ちょうも こんぴら  まいりかな
Slowly "flap, flap"          ゆっくり「はたはた」と
Butterflies are fluttering      蝶がひらひら飛んでいる     
Are they visiting Konpira shrine?  金毘羅参りにいくのだろうか
flap[ップ] ぱたぱた羽ばたく 
      flutter[ター]はためく,ひらひら飛ぶ
flap, butterflies, flutterと心地よく響くflの語呂に「こんぴらひらひら」を重ねて読んだり、日本語にないflの口つきを楽しんでください。
心地よい春風に、金毘羅参りの人々の薄い衣が蝶のように舞っています。(あっ間違えました。金毘羅さんへ行くのは蝶々さんご一行でした)😞 

決して「金毘羅参りかな」を「金毘羅参りかな?」と茶化したのではありませんよ、一茶様。
ご訪問ありがとうございました😀 

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春秋のさだめ-(3)

2024-03-24 | 古典英訳
春秋のさだめ(3)       
        菅原孝標女の歌(新古今集56番歌)                          あさ緑 花もひとつに かすみつつ おぼろに見ゆる 春の夜の月                       
「とはいうものの、冬の夜もなかなか捨てがたいものですよ。降り積もった雪の上に寒月が照り映える夜、ひちりきの音がふるえるように聞こえてくると、春も秋もいっぺんに消し飛んでしまうほど、心ひかれますからね」と話し続けたあと、資通卿は私たち二人の顔をながめ、「あなたがたは、どの季節がお好きですか」と聞かれた。一緒にいた女官が、「私は秋ですわ」と答えたので、私は同じことをいうのもつまらないと思い、歌でこう答えた。
  あさ緑 花もひとつに かすみつつ おぼろに見ゆる 春の夜の月
" However,  winter nights are also hard to let go of.  On a night when the cold moon shines on the fallen snow, you hear the trembling sound of a  hichiriki.
 It's so captivating that spring and autumn disappear all at once."  Lord Sukemichi kept saying , and then he looked at both of us , saying,"Which season do you like?"
 The lady-in-waiting with me replied, "I love autumn."
 I thought it would be boring to say the same thing, so I responded in poetry:
       Under the pale green sky   Cherry blossoms appear vaguely
       I love the hazy moon          On spring nights
 
 
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春秋のさだめ(2)

2024-03-14 | 古典英訳
更級日記より・・日本人の繊細な情感を外国の人にもくみ取ってもらえるといいけど...
 すけみち卿の春秋観
(引込思案な私だが、すけみち卿とは話がはずんだ)
すると資通卿は、
「私のまだ知らない、あなたのようなかたがいらっしゃったのですね」と私のことをめずらしがられ、、なかなか席を立たれようとしない。折からぱらついてきた時雨が、木の葉をかきならしていくのを、「今夜のような闇夜も、かえって風情がありますね。月があかるいと、相手の顔が見えすぎて、きまりが悪いこともありますから」といわれ、さらに春や秋の季節の眺めに、話題を移された」
 Then Lord Sukemichi became curious about me and said, "There is someone like you here I don't know yet." and he didn't want to leave his seat. The shower that began to fall then was rustling the leaves of the trees. Listning to it, he said,
"Even on a dark night like tonight, there is rather a certain elegance. When the moon is bright, you can see the other person's face too much and it can be awkward."
 He then moved his topic on to the views of the spring and autumn seasons.

「春はやはり霞がたつのが、いいですね。空がのどかに霞みわたり、月もおぼろで明るくはないけど、すみずみまでが夢まぼろしのように、ぼかされて見える。そんなとき、ゆるやかに弾き鳴らす琵琶の音が、どこからか聞こえてくるのは、ほんとうにいいものですよ」
 "It's nice to see a haze in spring. The sky is balmy and hazy, and the moon is dim and not bright, but every corner seems blurred like an illusion. At such times, it's really nice to hear the gentle sound of biwa being played from somewhere.
秋は秋で、澄み切った月が手に取るばかりで、空に霧などがかかっていても、陰らすことさえできないような夜は、風の音、虫の声さえもかさなって、哀切きわまりない心地にさせられます。
  そんなとき、琴がかき鳴らされ、横笛が吹き澄まされるのを聞くと、「春はどこがいいのだろう」と思ってしまいます。」
 Autumn is autumn, when the clear moon is just on the palm of your hand, and even the fog in the sky cannot hide it, the sound of the wind and the chirps of insects overlap, making you feel extremely sad. 
 At such times, when I hear the koto being strummed and flute being blown clear, I find myself thinking, "What good is spring?"
森山京著『土佐日記・更級日記』よりーSaeko Yamashitaさんの朗読も参考にしていますー


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