花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

たかすえドータの歌-7 いづこにも

2025-02-25 | 英訳更級日記の和歌
いづこにも 劣らじものを わが宿の 世を秋はつる けしきばかりは
いづこのも おとらじものを わがやどの  よにあきはつる けしきばかりは(続千載集)
(1021年、私14歳)十月ごろになると、庭の木々がいっせいに色づいてくる。まるで輝くわたる錦のようで、その美しさはちょっと類がないくらい。それなのに、家へ訪ねてきたある人が、
「いま、ここへ来る途中、紅葉もみじの素晴らしいお屋敷がありましたよ」などと、わが庭の紅葉が目に入らないのか無視しているようなことを言うではないか。私はとっさに言い返したくなり、抗議の歌を一首。
いづこにも 劣らじものを わが宿の 世を秋はつる けしきばかりは
Though autumn leaves in my garden are more beautiful than anywhere, it is a pity you praise only those of elsewhere garden.
   praiseイズ 賞賛する  elsewhere ルスエアどこか他の場所

Though in my garden   我が家の庭では
Autumn leaves  are more beautiful 紅葉が美しいのに
Than anywhere else  どこよりも
It is a pity you praise  あなたが褒めるとは残念です
Only those of elsewhere garden 他の家の紅葉ばかりを

         ↑我が家の紅葉です↑  訪問ありました😀 
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たかすえドータの歌-6 ときならず

2025-02-17 | 英訳更級日記の和歌
 時ならず 降る雪かとぞ ながめまし 花橘の香らざりせば
ときならず ふるゆきかとぞ ながめまし はなたちばなの かおらざりせば
  ー私は14歳(1021年)いまのところは、それほどキレイじゃないわよね。でも、花ざかりの年ごろになれば、顔だちももっとよくなるだろうし、髪だってずっと長くなって、チャーミングな女になるにちがいない。そう、光君ひかるぎみに愛された夕顔ゆうがおや薫大将かおるだいしょうに愛された浮舟うきふねのような女になれるってもんだわ。きっとー
わが家の軒近いところに、たちばなの木が一本ある。5月はじめのある日、庭を眺めているとたちばなの花がちょうど盛りで、その白い花びらがほろほろと散っている。そこで一首。
 時ならず 降る雪かとぞ ながめまし 花橘の 香らざりせば
I might have taken it for unseasonal snowflakes if it were not for the sweet smell from the blossoms of Hana-tachibana.
  unseasonal季節外れの  snowflake 雪片 雪のひとひら 
  take for B   ABだと思い込む if it were not for~ ~がなかったなら 

I might have taken it   私は思ったでしょう
For unseasonal snowflakes 季節外れの雪かと
If it were not for     なかったなら
The sweet smell from the blossoms  花の甘い香りが
Of Hana-tachibana    花橘の

    ↑これは雪花?↑                ご訪問ありがとうございました。
 

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たかすえドータのうた-5 ちるはなも

2025-02-16 | 英訳更級日記の和歌
散る花も また来む春は 見もやせむ やがて別れし 人ぞ恋しき
ちるはなも またこむはるは みもやせん やがてわかれし ひとぞこいしき
『更級日記』の作者(孝標の女)の叔母は『蜻蛉日記』の作者です。この年(1021年 私14歳)は伝染病が流行して、たくさんの人が亡くなった。上総(かずさ 千葉県中部)から東京へ戻る途中、まつさとの渡しで別れた私の乳母も、3月1日に亡くなってしまった。
 あの夜、月の光に照らされた姿をしみじみとした思いで見たのが、彼女の見納めになってしまったのだ。私はどうしようもなく悲しくて、物語りを読みたいという気持ちさえも失せてしまった。
 ある日のこと、一日中泣きくらして、ふと外を見ると、夕日がはなやかにさしているなかに、桜の花びらがはらはらと、とめどなく乱れ散っている。美しくもはかない情景に、私は歌に思いをこめて、
 散る花も また来む春は 見もやせむ やがて別れし ひとぞ恋しき
Though the cherry blossoms scattering ceaselessly there could be seen next spring, I cannot but feel so sad missing the person I've lost.
 scatter キャッター 散る ceaselessly ースレスリ とめどなく 止むことなく 
miss スいなくて寂しい  personースン人 cannnot but feel 思わないではいられない

Though the cherry blossoms   桜の花なら
Scattering ceaselessly there   あそこでとめどなく散っている
Could be seen next spring   来春も見ることができるだろうけれど
I cannot but feel so sad       深い悲しみを抑えきれない
Missing the person I've lost  亡くした人が恋しくて

わが家の庭に山桜が咲くのは4月下旬です。
ご訪問、ありがとうございました。(ゆ~)


 

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たかすえドータのうた-4 たのめしを

2025-02-08 | 英訳更級日記の和歌
更級日記』を書いたのは「私」すがわらのたかすえの娘です。
「私」の父、菅原孝標は菅原道真の玄孫(げんそん、やしゃご)です。
頼めしを 猶や待つべき 霜枯れし 梅をも春は 忘れざりけり
たのめしを なおやまつべき しもがれし うめをもはるは わすれざりけり
9月3日(1020年)に上総国(かずさのくに千葉県中部)をスタートして、12月2日、ようやく京の都に入ることができた。
 継母けいぼだった人が、父と別れて、この家を去ることになった。彼女は愛情をもって私に接してくれ、私も長年この人に慣れ親しんできた。宮仕えの経験があり、教養もゆたかで、私を物語の世界に近づけてくれたのも、この継母の影響である。
 その年も暮れて、新しい年を迎えた。梅の蕾が膨らみ、やがて花をつけはじめた。私は継母がいつ来てくれるのかと毎日待ち続けた。しかし、満開になっても、来てくれないばかりか、何の音沙汰もない。思いあまった私は、梅の花を一枝折り、それに歌を結びつけて継母に送った。
頼めしを 猶やまつべき 霜枯れし 梅をも春は 忘れざりけり
How long should I wait? Even the plum blossoms withered by winter frost never forgot to bloom  when the spring season came round.
  blossomッサム花   witherしおれる 枯れる  bloomーム咲く

How long should I wait?  いつまで待たなきゃならないの
Even the plum blossoms この梅の花だって
Withered by winter frost 冬の霜で萎れた
Never forgot to bloom  忘れないで花を咲かせてくれたのに
When the spring season came round 春の季節が巡ってきたら
 立春直後から次々と襲ってくる最強寒波ですが、
 雪は恐ろしくもあり、美しくもあります。(ゆ~)

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英訳たかすえドーターのうた-2 まどろまじ

2025-02-07 | 英訳更級日記の和歌
あづま路の道の果てよりも、なお奥の地で育った娘、孝標女(たかすえドーター)の「更級日記」より

まどろまじ 今宵ならでは いつか見む くろとの浜の 秋の夜の月
まどろまじ こよいならでは いつかみん くろとのはまの あきのよのつき 

十七日(1020年9月)の朝に、いかた(千葉県北部)を出発。その夜は「くろとの浜」というところに泊まった。明るい月に照らされて、遥か彼方まで続く白い砂丘。松原を吹きわたってくる風に、しみじみ心打たれもする。歌を詠む人たちに交じって、私も一首。
まどろまじ 今宵ならでは いつか見む くろとの浜の秋の夜の月(玉葉集)
I will not  slumber  if I miss seeing tonight, when can I see it ?
The moon of an autumn night above the beach of Kuroto.
slumberンバまどろむ   beachーチ砂浜 above上に
I will not slumber  眠らないことにするわ
If I miss seeing tonight 今夜見逃したなら
When can I see it? いつ見ることが出来るというの
The moon of an autumn night  秋の夜の月を
Above the beach of Kuroto くろとの浜に出ている

ここ妙高山麓の雪は、1月中旬からは落ち着いていましたが、
下旬に入って週末は大雪警報です。
灯油代が70円/Lの時代に設置した屋根融雪装置も、灯油代が
倍ちかくになった今では、稼働を控えています。
雪おろし人足代は2,500円/hour。これでは一家の大黒柱の私が
老骨に鞭うって屋根に上がらざるをえません。

ご訪問ありがとうございました(ゆ~)
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