花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

春秋のさだめ(4/4)

2024-03-27 | 更級日記英訳
更級日記より

春秋のさだめ(4/4)
私(菅原孝標女)の歌:
あさ緑 花もひとつに かすみつつ おぼろに見ゆる 春の夜の月

 資通卿は、私の歌を何回も口の中で繰り返されたあと、
  今宵より のちの命の もしあらば さは春の夜を 形見とおもはむ
 
 すると、秋の夜が好きといった女官が、
  人はみな 春に心を よせつめり 我のみや見む 秋の夜の月

 After Lord Yoshimichi repeated my poem over and over again,
      If I were to live long after    I would think of  spring night 
      As a memento of  meeting   And talking you stories  

 Then the lady-in-waiting who said she liked autumn nights,
      Both of you seem eager about spring    I'll be the only one
      Looking at the moon alone     On an autumn night
すると、資通卿は、
「うん、これは、なかなかおもしろそうだな」と興がって、どちらにつくか、決めかねておいでのようである。お年は38歳。ダンディな男ぶりだが、浮ついたところがなく、しっとりとして、このもしいお人柄に見える。歌や蹴鞠にすぐれ、琵琶の姪shとしても知られる、当代きっての文化人であった。
  Then, Lord Sukemichi became excited and said, "Yes, this looks quite interesting." And seemed unable to decide whch side to take. His age is 38. He is dandy, but has a gentle, pleasant personality without being too pretentious. He excels at poetry and kemari, and is known as a master of biwa. He is one of the most cultural figures in our time.

 資通卿とは、そのまま別れたが、それにしてもずいぶん長話をしたものだ。資通卿は、私が誰かということも、ご存じないままであった。私のほうも、誰とも知られまいとしていた。
 I parted with Lord Sukemichi on the spot, but anyway, we had quite a long talk. He didn't even know  who I was. I didn't want him to know about me either.
                     『春秋のさだめ』終わり
 訪問していただき、ありがとうございました。(ゆ~)
『更級日記』藤原定家写本の原本は皇居三の丸尚蔵館に所蔵されています。
尚蔵館開館記念展が開催されていれば見学できます(令和6年度も企画展が開催されているようです)



   


コメント
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