岩手北部の旅、最後の地は旧・浄法寺町(現・二戸市)である。浄法寺町は、しっとりとした雰囲気の町で、何度か写真撮影をしたことがある。以前の町役場(現在は二戸市役所の総合支所)の2階に「瀬戸内寂聴記念館」が併設されている。役所内なのに、土日祝日もオープンしており、尚且つ無料で見学することができる。浄法寺町には天台寺という古くから続くお寺がある。そのお寺の住職を一時期、瀬戸内寂聴氏が務めたので(その後、名誉住職)、縁が深い町なのである。天台寺は一時期は廃寺寸前の状態となったが、現在では復興を遂げている。瀬戸内寂聴氏は、その復興に大変な尽力をされたそうだ。最近まで天台寺では、定期的に氏の青空説法が行われ、その際は大変多くの人で賑わっていたという。その天台寺は、町の中心から離れた山の上にある。一度行ってみたいと思っていたのである。ちなみに僕は瀬戸内寂聴氏については、殆ど何も知らないし、氏の小説や書籍も読んだことはない。何故か分からないが、それは今ではないと思っている。でも天台寺に行くのは今だ、そう思った。不思議なものである、
さて、天台寺の話に戻る。天台寺の駐車場は細い山道を、かなり登った先にある。正直、道を間違えたのか不安になるレベルだった。普通の乗用車で問題なく行くことは出来るが、途中離合が困難な箇所もある。聞けば、下の参道から徒歩で階段を登って登ることもできるらしい。こんな不便なところに何百人の人が集まり、説法が繰り広げられたと思うと、不思議な気分になる。瀬戸内寂聴氏は、この11月9日にお亡くなりなられた。もうここで、青空説法を聴くことはできない。その様子を想像してみたが、あまりに静かなお寺であり、イメージすることは出来なかった。その不思議な感覚を持ち帰り、旅は終わった。
LEICA M10 MONOCHROME / SUMMICRON M35mm ASPH
四国出身の寂聴さんなのに岩手に「瀬戸内寂聴記念館」があるの?と不思議に思ったのですが、住職を務められたことがあるのですね。
知りませんでした。
と言うか、私も寂聴さんのことは若い頃は恋愛に奔放だったのね、くらいのことしか知りません。
テイストが合わなくて本も読んだことがないです。
多分、「今じゃない」のでしょうね。
私たちもバスで行きましたが かなりの台数のバスが居り 1万人の参加者です
殆どが女性の方 1時間余の写真の本堂の階段に立ち説法を続けられました
終りには何人かの悩みも聴いて 応えられておりました 10数年前のことです
寂聴さんは京都にお住まいで 年に数回 この寺で説法 仰るように廃寺寸前の寺を再興しましたね
私にも懐かしい風景です
御山(おんやま)のひとりに深き花の闇
この御山(おんやま)とは東北の荒れ寺 天台寺 廃寺を再建され寂聴さんが
講話に通われ 寺で寝起きされた夜の気持ちを俳句にされたとのこと
イノシシ たぬき 熊の出る 御山
寂聴さんを取りあげて下さって有難うございます
それにしてもかつての廃寺が立派ですね
しかも役場内にあると聞いたとき、申し訳程度にガラスケースに展示しているものだと・・・。
記念館もお寺も立派で、瀬戸内氏の役割もかなり大きくて驚きました。
でも本を読むのは、まだ先かなと思っております。
でも現地の立地条件を見ると、本当にそんな事が起きたのだろうか、と不思議な気分になりました。
それを実際に引率された方のコメントを頂き、納得しました。それをハイライトにされるほど、求められてもいたのですね。
貴重な体験談、感謝します。
5枚目の写真が瀬戸内さんが滞在した時に使った庵だそうです。廃れたときの寺の写真を見ましたが、本当に廃れていました。
一方で、かなり歴史のある装飾品(馬の絵とか)もあり、復興は大事業だったんだなと痛感しました。
僕にとっても貴重な体験でした。