甘利明経済再生担当相(66)の金銭授受疑惑をめぐり、週明けから大きな動きがありそうだ。野党が甘利氏に早期説明を要求しているうえ、疑惑を報じた週刊文春が「第2弾」の掲載準備に入ったようなのだ。甘利氏は先週末に出席したダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)でも“釈明”に追われ、本業の「経済政策」に集中できない状況が続いている。「辞任秒読み」という見方も広がってきた。
「安倍内閣の重要閣僚の1人として、首相にご迷惑をお掛けしているのは忸怩(じくじ)たる思いだ」「もう少し明るい気持ちでここに来たかったが、カメラに囲まれているのは別の意味で囲まれている…」
甘利氏は23日、スイスでのダボス会議の討論会に出席し、険しい顔でこう語った。司会者の外国人ジャーナリストから質問が出て、答えざるを得なかったのだ。
時代劇の「悪代官と越後屋」を連想させる、前代未聞、1200万円もの金銭授受疑惑。政府は、甘利氏が28日までに調査結果を報告すると国会に説明し、26~28日に予定されている衆参両院での代表質問を乗り切りたい考えだ。
しかし、野党は受け入れていない。
民主党は「甘利氏が25日中に説明することが予算案の審議入りの前提」との強硬姿勢を見せた。甘利氏や事務所側に現金を渡したと証言した建設会社幹部を、参考人として国会招致することも検討している。同党は25日午前、疑惑調査チームの初会合も開いた。
注目されるのは、週刊文春が28日発売号で準備しているとされる疑惑報道「第2弾」の新事実だ。27日昼ごろには誌面のコピーが永田町に出回るため、国会審議への影響は避けられない。
ここにきて、告発者や文春側への疑問も噴出している。
自民党の高村正彦副総裁は23日、「録音されていたり写真を撮られていたり、罠(わな)を仕掛けられたという感がある」と語った。毎日新聞の山田孝男特別編集委員も25日朝刊のコラム「風知草」で、「告発の意図と手法に疑問がある」と書いた。
東京地検特捜部などの捜査当局も、告発者周辺に関心を寄せているといい、疑惑の展開が注目されそうだ。