宮城野貨物のブログ

鉄道・バスの写真を載せていきます。

大汐線と汐留線?

2022-09-06 22:11:58 | 廃止線・休止線

田町駅付近の「札の辻橋」から品川方を望む。一番左の線路が、汐留〜東京貨物ターミナルを結んでいた通称「大汐線」。右の高架線は大井方面に向かう新幹線回送線。では、その間にある途切れた線路は?
Google Mapで見ると、大汐線が複線になる分岐は写真の少し先であり、途切れた線路は大汐線とは別の線路であることがわかる。
この疑問を考える上で、こちらのブログ記事の品川駅配線図が大変参考になる。
http://senrohaisenzu.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-8f40.html

1977年以降の配線図では、新幹線(破線)の上側を走る単線が、札の辻橋付近で東京(タ)方面と品川駅方面に分かれる様子が見て取れる。そして、品川駅へ向かう線路には「汐留線」と記されているように見える。
写真の途切れたレールが、この「汐留線」の当時物の線路なのか、それとも廃止後に何らかの理由で敷かれたものなのかは不明だが、少なくとも写真の場所付近で東京(タ)方面と品川駅方面の線路が分岐していたのは間違いなさそうである。
ところで、この汐留線は汐留と品川を結ぶ路線の通称だったようである。そうなると田町付近の新幹線に沿って走る単線は「大汐線なのか、汐留線なのか?」という疑問が生じる。この疑問は「大汐線と汐留線の分岐は何駅の構内なのか」という疑問にも関連する。これらの疑問については、上のブログ記事のコメント欄に興味深い議論があるので参照されたい。

(2019-2-24撮影)

【2022-9-8追記】
こちらの汐留駅の配線図には、「大汐線と汐留線の分岐」「大汐線が複線になる分岐」およびそれらに付属する信号機が描かれている。やはり、写真の場所は汐留駅構内扱いだったのだろうか。
その場合、品川及び東京(タ)の隣駅は汐留だったということになる。そうすると、現在は浜松町が(書類上の)東海道貨物線の始点のようであるが、少なくとも上の配線図の時点では浜松町は東海道貨物線の駅ではなかったことになる。
また、現在も大汐線が複線になる分岐は残っているが、ここは浜松町駅の構内扱いだろうか。汐留駅廃止後の配線図を見てみたいものである。






釧路の空気管付密着自連

2022-09-03 20:11:51 | 臨海鉄道 私鉄貨物 専用線
太平洋石炭販売輸送において、走行中解放が行われていたことを最近知った(こちらのYouTube動画にそのようすが収められている)。
私は2012年に春採駅を訪れた際、セキ6000形の写真を撮っている。その際、特徴的な連接部の写真を重点的に撮っているのだが、もっと注目すべきは走行中解放を行うための特殊な連結器の方であったかもしれない。しかし、連結器を覆うカバーや列車両端の機関車の存在により、連結器の形状を観察できる機会は限られる。


上の写真は、構内を横断する踏切から検修庫に向かって撮ったものだが、この写真のセキ車の連結器付近を拡大したのが以下。


見やすくするためにコントラスト等をいじってみる。

「普通の」貨車の連結器ではないことがわかると思う。

鉄道ピクトリアル2000年1月号特集「貨物輸送」p. 73には以下の記述がある。
『石炭車の分割併合、そして石炭排出扉の開閉はすべて機関車からの遠隔操作により行われる。〜(中略)〜これらの作業を可能にするため、「シャトルトレイン」に用いられる車両には、空気管付密着自動連結器(機関車は一部のみ)と電気連結器が設けられている。』

空気管付密着自連+電連の装備は、後補機の走行中解放を行っていた「瀬野八」用の機関車や貨車にも見られたものである。これについては、以下のブログ記事が大変参考になる。
https://expechizen.exblog.jp/14211635/
https://ozayo1965.blog.fc2.com/blog-entry-203.html
瀬野八の場合は、電連を介した指令により貨車最後尾でブレーキ管を閉鎖の上、後補機の解放テコシリンダの動作により自連を解放していたようである。
太平洋石炭販売輸送の場合、切り離し位置が貨車と貨車の間であり、また先述の通り石炭排出扉の遠隔操作機能も求められることから、連結器及びその周りの装備は瀬野八仕様とは異なる可能性がある。


なお、先述のとおり空気管付密着自連を備えている機関車は一部のみであり、それ以外の場合はエアホースで貨車にブレーキ管を引き通すものと思われる。セキ6000形にもエアホースは装備されているが、これは機関車が空気管付密着自連を装備していない場合に使用されるものと思われる(上の写真で連接ユニット間のエアホースが接続されていないことに注意)。

鉄道ピクトリアル2000年1月号によると、D301の両エンドと、DE601・D701の春採側のエンドが空気管付密着自連であり、同時接続可能な電連を併設しているとのことである。それ以外は一般的な自連で、前面手すりに取り付けられた箱に電連が収められており、使用時に取り出して接続するとのことである。ジャンパ線のような使い方と思われる。

上の写真はD801とD701の知人側のエンドであるが、連結器は空気管付きではないことがわかる。


手すりに、電連が収められていると思われる箱が付いている。

(写真は全て 春採 2012-9-6)