■■■■■
帯とけの枕草子〔二百四十六〕たのもしき物
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。
清少納言枕草子〔二百四十六〕たのもしき物
文の清げな姿
頼もしいもの。体の調子の悪いとき、伴僧、大勢で修法(加持祈祷)している。気分などよくないとき、誠実な親しい人が言い慰めている。
原文
たのもしき物。心ちあしきころ、ばんそうあまたしてずほうしたる。心ちなどのむつかしきころ、まことまことしき思人の、いひなぐさめたる。
心におかしきところ
頼もしいもの。心地の悪いとき、反挿、多数して、す奉仕し、足る。心地、快くはないとき、間こと実直そうな恋人が、いい慰め、足る。
言の戯れと言の心
「はんそう…伴僧…おほき(多き)にてよきもの…ほうし(法師…奉仕)…反挿…反復、挿入」「すほうしたる…修法している…加持祈祷している…す奉仕足る」「す…洲…巣…棲…女」「いひ…言い…ゐゐ…井井…女」「たる…たり…完了または断定の意を表わす…足る…充分である…満ち足りる」。
伝授 清原のおうな
聞書 かき人知らず (2015・10月、改定しました)
原文は、岩波書店 新日本古典文学大系 枕草子による。