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帯とけの枕草子〔二百六十五〕下かさねは
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。
清少納言枕草子〔二百六十五〕下かさねは
文の清げな姿
下襲は、冬は、つつじ、桜、掻練襲、蘇枋襲。夏は、二藍、白襲。
原文
したがさねは、冬はつゝじ、さくら、かいねりがさね、すわうがさね。夏はふたあゐ、しらがさね。
心におかしきところ
下重ねは、冬は、筒子咲くら、貝ねり重ね、すほう重ね。夏は、二合い、白ら重ね。
言の戯れと言の心
「したがさね…下襲(内衣のかさね着)又はその色の組み合わせ…下重ね…まぐあい」「下…身の下」「冬は…夫ゆは…夫弓は…ものの弓張りは」「つつじ…躑躅…表白裏紅色…つつし…筒子…おとこ」「筒…おとこのべつ称」「さくら…桜色…桜木…男木…咲くら」「ら…状態を表す」「かいねり…艶のある紅色…暮れない色…はてしない…貝練り…ゆっくり女のあゆみ」「貝…女」「すわう…すはう…蘇芳…暗い紅色…貝の色は蘇芳(土佐日記、二月一日)…女の色」「夏は…暑いのでこれくらいでね」「ふたあゐ…二藍…青紫色…二合…二回の和合」「白…男の色…もののはて…しらじらし」。
伝授 清原のおうな
聞書 かき人知らず (2015・10月、改定しました)
原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。