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帯とけの枕草子〔二百六十六〕扇の骨は
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。
清少納言枕草子〔二百六十六〕あふきのほねは
文の清げな姿
扇の骨は朴。紙の・色は、赤い、紫、緑。
原文
あふぎのほねは、ほお。いろは、あかき、むらさき、みどり。
心におかしきところ
合う木のほ根は、おおしい。色情は、元気な、群咲き、若々しい。
言の戯れと言の心
「あふき…合う木…男…合う気」「ほね…骨…ほ根…お根…おとこ」「ほお…朴…細工物に用いられる木…堅く柔らかい…男…おとこ」「ほ…お…おとこ」「いろ…色彩…色気…気色…色情」「赤…元気色」「むらさき…紫…群咲き…一輪咲きではない」「みどり…若葉…若々しい」。
枕草子は、おとなの女たちの読物。宮の最盛期には女房車十台即ち四十人とその従者の女たちがいた。それに、主上付きの女房たち、斎宮女房たち、女官たちがいた。その大人の女たちが主な読者。みな言の心と言の戯れを心得ていた。
枕草子は、研究対象物件でも、高校生のテスト用素材でもないので、そのつもりでお読みください。
伝授 清原のおうな
聞書 かき人知らず (2015・10月、改定しました)
原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。