東博で初詣3
江戸絵画へ。
屏風絵のコーナーには、池大雅と応挙。大雅は、”新春特別公開”、”本日のおすすめ”の札付き。
いつからだったか、私も大雅の魅力にとりつかれたのは。
雪は塗り残して表現している。
山の稜線のあいまいさにドキドキ。
上からの光が、斜面や木を照らす。光りに照らされた雪を塗り残すだけで、木の立体感がすごい。計算しつくされ、応挙の頭の中に変換メーターがあるみたい。
墨色を自在に使い分けて、岩間の影の部分に奥行き感も。色から自由になったら、こんなに豊かな世界が展開できるとは。
左隻になると、金で描かれたふわりとさす光にいっそううっとり。
これと連作になるのが、隣の部屋に展示していた「雪景山水図」(旧帰雲院障壁画)
こちらのほうは、女仙。雪の空ににふわりと飛び立とうとしていた。
もう一点、応挙「雪中老松図」
こちらは太い幹は激しい筆致。根元に積もった雪が印象的。
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そして、江戸のすてきな絵師たち。
英一蝶があったのもうれしい。(題を忘れてしまった)
肩ひじはらない、抜け感。小さく描かれた朱の紅葉がかわいい。
佚山黙隠1702〜78「花鳥図屏風」の鮮やかさにびっくり。 解説には、曹洞宗の禅僧で書家でもあり、沈南蘋の花鳥図を長崎で習得したと。
”若冲との関連が注目される”とあったけれど、特に孔雀など若冲をほうふつとさせる。
若冲のように濃密でつまった感じではなく、葉の先、弦の先、鳥たちなど、軽やかな動きがあるのが印象的。
若冲つながりでは、弟子の秦意沖「雪中棕櫚図」
棕櫚に雪って不思議な感じ。若冲のねっとりとした雪を思い出す。
江戸絵画の画題で、棕櫚と同じく個人的に好きなのが芭蕉。とても素敵な絵があった。
黒川亀玉1732~56「芭蕉孤鶴図」
”江戸で初めて沈南蘋派の絵を描いた異彩の先駆者”。25歳で夭逝したそう。
妖しいまでの独特な感性。
これはほかの絵もみてみたいもの。