情報と物質の科学哲学 情報と物質の関係から見える世界像

情報と物質の関係を分析し、波束の収縮問題、心身問題、クオリア、時間の謎に迫ります。情報と物質の科学哲学を提唱。

渡辺正峰が目指す「意識の測定」は不可能!

2021-12-22 11:01:00 | 人工知能・意識
渡辺正峰『脳の意識 機械の意識ー脳神経科学の挑戦』、中公新書2460(2018)
の中で意識と機械とを接続させる研究について詳述しています。

著者による意識の定義はクオリアと同義です。

このクオリアは、非物質的な存在なのでどんな手段を用いても物理的に測定することは原理的に出来ません。

著者は、そのような測定を間接的にすることが出来るとしていますが、間接的なものはどこまで行っても間接的なものであることに変わり有りません。
著者が嫌う無限後退に自ら陥っています。

クオリアや意識そのものを測定することは原理的に不可能なのです。

従って、著者が目指す「意識の科学」や「意識の自然則」は幻想にすぎません。


空前絶後のナンセンス「シリコンチップ脳」

2021-12-22 09:42:04 | 人工知能・意識
心や意識の哲学の本には必ず「脳のニューロンをシリコンチップで置き換えるとどうなるか」という話が載っています。
当ブログで度々触れているチャーマーズの大著も同様です。

哲学者は、この種の話題が大好きなので喧々諤々の議論を続けています。

しかし、脳にあるニューロンの数は1000億個くらいあるのです。
仮に、ニューロンと殆ど同じ機能を持つシリコンチップが出来たとしても、それを生きているニューロンと置き換えるというのは実現不可能です。

実現不可能なことに対して「それが仮に出来たとするとどうなるか」と問うこと自体が無意味なのです。
この種の問いに関して議論することは哲学者の大好きな机上の空論に過ぎません。