クオリアは、受容器情報を読み取った結果生じるものです。
その根拠をガスセンサーとの対比を用いて説明します。
ブログでは、「物質現象に情報が関係している」と言える必要十分条件は次の4条件が満たされているときに限ることを提案しています。
(1)物質現象として情報の定義と創発がなされている
(2)情報を表現する情報表現物質が生成されている
(3)情報の読取り機構がある
(4)読取り結果の利用がある
これらを情報概念の基本的要件と名付けます。
これは、情報概念の科学的定義と言えます。
(1)物質現象として情報の定義と創発がなされている
(2)情報を表現する情報表現物質が生成されている
(3)情報の読取り機構がある
(4)読取り結果の利用がある
これらを情報概念の基本的要件と名付けます。
これは、情報概念の科学的定義と言えます。
因みに、脳科学における情報概念は極めて曖昧なものです。
器械系と生体系における情報の役割を比較するために簡単な例としてガスセンサーと嗅細胞からなるシステムを次のようにモデル化します。
(器械系の過程)
ガスがガスセンサーに入ります。
ガスセンサーは特定のガスを検出すると、その情報をパルスで表現して出力します。
その情報表現物質が情報の読取り器に入ります。
読み取り器は読み取った情報”ガス検出!”を出力します。
(生体系の過程)
ガスが嗅細胞に入ります。
嗅細胞は特定のガスを検出すると、その情報をパルスで表現して出力します。
その情報表現物質が嗅覚野に入ります。
嗅覚野は読み取った情報を”ガスの臭いのクオリア”として出力します。
器械系の過程と生体系の過程とは上のモデルで確認できるように対応関係があります。
結局、臭いのクオリアは嗅覚野によるガス情報の読取り結果であると推測されます。
そのクオリアによって動物は行動を決定します。
クオリアにはこのような合理的裏付けがあることが分かります。
クオリアに哲学者が言うような神秘性を感じる必要はありません。
一般に感覚野は、前述のような受容器情報の読み取り器官としての役割があります。
感覚野にこのような機能が備わっているのは、生命の進化によるものなのです。
哲学者が何故物質からクオリアが生じるのかを問う(ハードプロブレム)のであれば、その問いの前に何故物質から生命が誕生したのかを問うべきなのです(第2のハードプロブレム)。
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