動物は感覚を利用して行動します。
感覚受容器に入る刺激は、パルス列に変換されて感覚野に送られます。
これらのパルス列は、刺激に関する情報を運びます。
光や音や匂いなどの刺激のどれも同一形式のパルス列に変換されるので、パルス列だけではもとの刺激が何であるのかを識別できません。
感覚野にはこれらのパルス列が運ぶ情報を異なる感覚に変換する機能があります。
動物は、この感覚を利用して行動を決定します。
これがクオリアの正体なのです。
不可解なものとして捉えられているクオリアには、このような合理的な意味があるのです。
昆虫にも微小脳がるので環境に適した行動を実現できます。
ノーベル生理学・医学賞を受賞したフリッシュが解読したミツバチのダンスは、あまりにも有名な例です。
水波誠『昆虫ー驚異の微小脳ー』、中公新書1860(2006)
感覚という概念を情報の一種として捉えて「感覚情報」と名付けます。
動物の叫び声は、警戒や求愛という感覚情報を運びます。
これは動物が進化の過程で情報という概念を獲得したことを意味します。
従って、情報概念は脳の出現と同時に誕生したことが分かります。
感覚情報は、言語情報より遥かに古い情報概念です。
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