清水明『新版 量子論の基礎ーその本質のやさしい理解のために―』、サイエンス社(2006), pp.145-148
を参考にすると、ポテンシャルの影響がない自由粒子に対するシュレーディンガー方程式解は次式で与えられます。
ψ(x,t) = exp(i(kx-ωt)) / √2π (1)
ここで、(1)式におけるkとω は物理定数、xとt は物理空間内の変数です。
一方、以前のブログで提案した確率回転複素ベクトルψ=Aexp(iθ)において
θ = i(kx-ωt)とおくと、このベクトルは次式になります。
ψ(x,t) = Aexp(i(kx-ωt)) (2)
ここで、kとω は定数、xとt は仮想空間内の変数です。
(1)式と(2)式には形式的に類似していることが分かります。
自由粒子を使って二重スリット実験を行うと干渉縞が生じます。
量子力学はこの干渉縞を波動関数ψ(x,t)の重ね合わせによる「確率の干渉」として説明しています。
その際、ボルンの確率解釈を用いています。
一方、以前のブログで確率回転複素ベクトルには確率の干渉という性質があることを示しました。
この性質を用いると二重スリット実験の干渉縞を確率回転複素ベクトルでシミュレートすることが出来ます。
以上の議論からポテンシャルの影響がない自由粒子に対するシュレーディンガー方程式解と確率回転複素ベクトルとの間には何らかの繋がりがあるのではないかと憶測しています。
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