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時を生きる種族 ファンタスティック時間SF傑作選

2013年07月26日 | SF
有名作家のマイナー作、マイナー作家のちょい有名作、
さらにマイナー作家のマイナー作品、の3パターンによる、
時間をモチーフにしたヴィンテージSF短編集ですね。

目玉のひとつR・ヤングの「真鍮の都」
(帯に「たんぽぽ娘」のヤングと書かれているんですが、ラノベからの波及力は大きいんですね)は、
たしかにタイムマシンが出てはくるんですけど、
アラビアンナイトのSF的解釈とみたほうが分かりやすいような。
シルヴァーバーグの初期短編はいかにもパルプSFかと思わせて、
最後にこのオチかと。パルプSF的展開がレッドヘリングとして機能してます。
フリッツ・ライバーは小説技巧者の面目躍如の小品。
で、目玉のひとつ、シャーレッド「努力」(この作家も作品も知りませんでした)は、
メッセージ内容には異議はないものの小説としては垢抜けないというか、
そこがSFなんでしょうけど。
「努力」は終末SFとしたほうが説得力があるのでは?
中村融は創元SF文庫で「時の娘」「地球の静止する日」「影が行く」
と短編SFアンソロジーを編んでいる(E・ハミルトンの短編集も)ので、
これからもヴィンテージSF短編の紹介を期待してます。
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