ゴジラシリーズとは少し違う怪獣映画、「モスラ」の存在理由を、原作者たち、監督たちなどの当時の主義思想から解き明かしていきます。「モスラを作った人間たちの精神史」とでも。
「モスラ」の原作者たちは中村真一郎、福永武彦、堀田善衛の3人、怪獣映画としては意外な顔ぶれです。この3人がモスラ(の原作)にどんな意味を持たせようとしたかを、原作と実際の映像との差異から推測していきます。
話は、平成モスラシリ . . . 本文を読む
ホームズの長編としては近代的な作りの作品ですが、それもそのはず、島田荘司の解説によると、従来はアイデアを提供しただけだと思われていたバートラム・フレッチャー・ロビンソンが、じつは自作をドイルに提供して改作させたということだそうです。
つまりロビンソンの作中探偵をホームズに置き換えて書き直したんです。ドイルが金に目がくらんだ結果?。それが幸か不幸かホームズもの長編では一番の人気作になりました。
. . . 本文を読む
岩波文庫でジュール・ヴェルヌ「海底二万里」が出ました。ちょっと前では考えられなかったのですが、かつてのお子様向けSFが古典として認められたんでしょうね。まずは重畳。
読んだ方ならお分かりでしょうけど、物語は主人公のアロナックス教授の一人称で進みます。水戸黄門で言うところの助さん角さんという役どころが、教授の召使のコンセーユと偶然に仲間になった銛打ちネッド・ランドという二人です。教授の理屈っぽい独白 . . . 本文を読む