ポール・アンダースンの白背ついでに「大魔王作戦」(クシャミで飛び出るのじゃないですよ)。
科学のかわりに魔法が文明の基盤になっている世界での、
魔女とそのダンナ(狼男)の冒険ハナシです。
短編で発表されたものを長編化したものですが、長いタームで書かれたものらしく、
最初のほうは軽めの楽しい話から後半は戦争がテーマになっているためか若干重い話になっています。
「大魔王作戦」の表紙と挿絵は伊達誠、ハヤ . . . 本文を読む
中世イギリスに降りてきた異星人が宇宙船ごと騎士たちに乗っ取られ、
そのまんま宇宙に行ってしまうというオハナシ。
単純に面白いです。
ハヤカワSF文庫の白背レーベルはほとんど消滅しているようですが
(ペリー・ローダンは白背かな)、
その役割は今おそらくラノベと呼ばれるマーケットが補完しているのでしょう。
ところで、「天翔ける十字軍」は深井国の表紙と挿絵が流麗かつ、ちょっとHでいいんだなあ。
(ち . . . 本文を読む
藤吉捕物覚書「三つの足跡」は足跡トリック&密室トリック(というほどではないですが)を扱っていて、
さらっと読むとカーの「修道院殺人事件(白い僧院の殺人」のパクリかと思えるほどよく似ています。
発表年代を調べるとなんと「三つの足跡」は「修道院殺人事件」の9年も前に書かれています。
カーが林不忘を読んでいたとはとうて考えられないですし、
可能性としてはこの2つかと。
1 9年の時間差で2人の作家が同 . . . 本文を読む
早川ポケミスの「震えない男」は持っているのですが、
創元版「幽霊屋敷」をネットで大枚はたいて買ってしまいました。
思い入れがあって、どうしても欲しかったので。
フェル博士ものの「幽霊屋敷」と対になるのはHM卿ものの「貴婦人として死す」。
そのココロは、一人称形式で書かれているから。
バンコランものを除いて、三人称形式で書いてきたはずなのに、
なぜこの2作品は一人称なのでしょうか。
「貴婦人とし . . . 本文を読む
ジュール・ド・グランダンシリーズは、カーナッキシリーズのように曖昧な結末ではなく、
謎解きがあって望ましい結末を迎えます。
さらに、たいていの作で若い女性が裸に近い状態で登場するんですね。
いまで言えば萌え成分100パーというか、
深夜アニメの4話~7話あたりの温泉エピソード状態というか。
おおかたの読者の望むハッピーエンドと萌え場面の組み合わせが人気を呼んで長大なシリーズになったと思われます。
. . . 本文を読む
「黒死荘の殺人」の陰惨な雰囲気は、HM卿ものの中でも(カー作品の中でも)特筆すべきで、
バンコラン登場作品の雰囲気がまだ残っているというよりも、
さらにメーターの針が振りきった感じで書いているように思えます
37、38年ぶりぐらいに再読してみると、
M・R・ジェイムズのような伝統的なゴーストストーリーのミステリ版というより、
ウィアード・テールズのホラー小説を強引にミステリ側へ引っ張ってきた感じ . . . 本文を読む
カーター・ディクスン名義の第1作(「弓弦城」はカー・ディクスン名義)、
およびHM卿のデビュー作は、作者も気合をいれて書いたのか、
引き締まった文章で、プロットも弛緩せず最後まで心地よい緊張が感じられて、
ミステリの王道のような作品です。
カーがある限りの才能を注いで書き上げた傑作と言いたいところですが、
一気に書きおろした節も見られ、「一角獣の怪」にも見られたように、
事件がひと段落したあとの . . . 本文を読む
諸般の事情から、しょうがなくXP(sp3)でPhotoshop5.5を使っております。
Photoshop5.5を使っていると、なぜかメモリーの消費が大きく、
途中ですぐにかたまってしまいます。
ワコムのタブレットのせいかと思ったときもあり、
ほんとに仕事の途中でPs5.5がとまったときは、
マシンの電源をぶち抜きたくなることもしばしば。
ところが、ある日、「ctfmon.exe」がバックグラ . . . 本文を読む
藤吉捕物覚書 廣済堂出版1973年
のの字の刀痕
梅雨に咲く花
三つの足跡
槍祭夏の夜話
お茶漬音頭
巷説蒲鉾供養
怪談抜地獄
無明の夜
怨霊首人形
宇治の茶箱
影人形
悲願百両
宙に浮く屍骸
早耳三次捕物聞書
霙橋辻斬夜話
うし紅珊瑚
浮世芝居女看板
海へ帰る女
煩悩秘文書
元禄十三年
口笛を吹く武士
寛永相合傘
平馬と鶯
これが収録作品ですが、河出書房「一人三人全集」の捕物の巻と時代小 . . . 本文を読む