大仏次郎の書いた「鞍馬天狗」作品の中から、
秘密結社(つまり●●党と名のる敵組織)が登場する作品を選んで
(鞍馬天狗シリーズは十数作ある)、
秘密結社と覆面のウラにあるものをあぶりだす、
みたいなお話です。
鞍馬天狗自身が謎であり、敵組織以上に秘密結社然としているわけですが、
鞍馬天狗の舞台となっている幕末と、
大仏次郎が「鞍馬天狗」を書いていた時代が、
二重映しとなっているわけです。
と、まあ . . . 本文を読む
黒澤明や野村芳太郎、森谷司郎、山田洋次らに脚本を書いた、
たぶん日本でトップの脚本家、橋本忍の自伝です。
「七人の侍」の脚本が出来上がる顛末がやたらに面白いのは、
企画自体が頓挫の連続の末に生まれたものであった、からかもしれません。
「侍の一日」なる地味な話が、「七人の侍」へと変貌したのは、
橋本忍と小国英雄の2人の力あってのもの、ということがよく分かります。
なんですが、
松竹で野村芳 . . . 本文を読む
夕方からテレビ愛知で放映されている「ヒーローマン」は、
原作スタン・リー、製作ボンズというアニメです。
※裏焼きですけどね。
ストーリーは、もう正統ヒーローもの、正統侵略もの、正統青春もの、
「正統」が3つも4つもつくぐらいの真っ向ストレートなお話です。
絵もハイクォリティ。
細かい設定も楽しくて、主人公ジョーイの祖母はどうやらロックおたくで、
レコードを聞く場面ではきっちりアトランティッ . . . 本文を読む
『「新青年」ゆう雑誌おましたやろ。しょっちゅう読んでいる。仕事しとるんかいアレ』
(「鞍馬天狗のおじさんは」竹中労)
鞍馬天狗こと、嵐寛寿郎が山中貞雄を評した一言です。
山中貞雄についての興味は、この一点につきます。
山中貞雄が読んでいたその頃の「新青年」は、
編集長が横溝正史から延原謙、また水谷準へとバトンされ、
モダニズムを売り物にする若者向けの、
いまで言うカルチャー雑誌の相を呈していたと . . . 本文を読む