稲垣吾郎版金田一耕助の「悪魔が来りて笛を吹く」。
意外に面白かったです。CGを使った焼跡の中の椿子爵邸や闇市の様子とか、けっこう気合はいった作りですね。往年の古谷一行版よりいいかも。
さらに玉虫伯爵の殺人を密室でなくして、謎解きの煩雑さを省いたのは○。単なる復讐ドラマに仕立てるのもまた良いかも。
稲垣吾郎は古畑任三郎の真似しすぎじゃないですかね。 . . . 本文を読む
いかにもアメリカ人によるアメリカ人のための小説、という感じがします。そのあたりが日本でいまいち流行らなかった理由かもしれません。
それに翻訳者のせいではないと思うのですが、冒頭の導入部がどれも詰まらないのはなぜなんでしょう。
中でいちばんいいのは「ジュークボックスのお告げ」。エリスンの「プリティ・マギー・マネー・アイズ」を思わせるところが。オチが宇宙人侵略ものになるところが限界かつ魅力でしょうか。 . . . 本文を読む
ラジオドラマ集なのでシナリオ形式なのが惜しいけれど、カーの魅力の一端が素直に楽しめます。ラジオドラマという形式を逆手にとったカーの才気が詰まっていて、とくに意外な犯人の「誰がマシュー・コービンを殺したか」をはじめ他の2編もふくめておすすめです。
「幻を追う男 ジョン・ディクスン・カー著 論創社」 . . . 本文を読む
フィリパ・ピアスが亡くなりました。
ピアスといえば「トムは真夜中の庭で」でしょう。これしか読んでませんが。
13を打つ時計と秘密の庭、少女との密会。
プロットは予想がつきますが、それだけの話じゃないですね。
「時間とは何か」という難しい命題を、ファンタジーで書き換えた啓蒙書というか。 . . . 本文を読む
「阿片王 佐野眞一著 新潮社」
満州という国は戦後日本の高度成長のたたき台となった。特急あじあ号の最高速度は新幹線開通当時のこだまと同じだ。水洗便所、セントラルヒーティングなど、戦後日本のモデルがそこにあった。それは満州国での若手官僚、実業家たちが戦後の第一線にたったということを意味し、戦後日本の繁栄は満州と地続きだったともいえる。その満州と関東軍を金で支えたのが阿片王と呼ばれた里見甫という人物だ . . . 本文を読む
山中峯太郎って誰、ですよね。戦前の小説家ですがわたしも読んだことがありません。でも戦時中に発表された「敵中横断三百里」は当時の大ベストセラーで、それが代表作の冒険小説作家、と思いきやじつは作家としても器用な人でいろんな作品を書いているし、信じられないかもしれませんが作家になるまでは中国革命党党員、陸軍中尉、朝日新聞記者という立場をほぼ並立させていたようです。
この本の元になっているのは本人の日記や . . . 本文を読む
イギリスの山田風太郎、と呼びたいところではあります。エターナルチャンピオンシリーズってどこか忍法帳シリーズに似ていませんかね。リーダビリティは最高なのに無意味に近い内容とか。
なんと「タネローンを求めて」でエルリックシリーズはケリがついたと思っていたのに、こんな続編が出ていたんですね。多元宇宙を舞台にしているので、これもアリですか。しかも主人公はフォン・ベック伯爵、エルリックの分身ですが、どこかで . . . 本文を読む