まだ最初の2編しか読んでいませんが。
生涯パズラーの短編ミステリを書き続けたエドワード・D.ホックが
オカルトミステリシリーズとして書き継いだ「サイモン・アークシリーズ」。
出るのを待っていましたよ。
カーたち、戦前のオカルトミステリ派とちょいと違うのは
戦後派のホックの場合「カルト・ミステリ」になっているんじゃないでしょうか。
【創元推理文庫 サイモン・アークの事件簿 1】 . . . 本文を読む
映画は「地球『が』静止する日」です。
リメイク元のオリジナル映画の原作が、このハリー・ベイツの短編です。
でも設定だけ(ロボットと宇宙人が地球でやってくる等)借りて、話はまったく違います。
原作はいかにも昔のSF小説、という感じですね。
ほかは、映像化されたSF短編を集めてあります。
「ターミネーター」の元ネタになったエリスン「38世紀から来た兵士」が一番ですか。 . . . 本文を読む
スチームパンク三人集の一人、K.W.ジーターの作品で、
イギリスのヴィクトリアン朝のお話(ホームズが活躍したころ)です。
どういう話だったか忘れてしまったんですが(すみません)
主人公がパガニーニになりすまさないといけない状況で、
どう切り抜けるか、という場面がよかったですね。
その手があるか、と。 . . . 本文を読む
今年、「ゴーレム100」が国書刊行会から出ました。
驚きました。
買ってあるんですが、最初の10数ページで中断。
ちょっと苦しい。
昔、創元文庫で出ていた短編集は品切れだそうです。
この、短編集に入っている代表作は、古臭い設定もありますが、
破滅とタイムマシンにとりつかれた才人による悪夢のような世界です。
「昔をいまになすよしもがな」の急転直下のラストはまさに蟷螂頭の悪夢。
「ごきげん目 . . . 本文を読む
シオドア・スタージョン、というと
「人間以上」とか「夢見る宝石」とか、比較的長編がよく紹介されていたような気がします。
数年前から日本で独自に短編をまとめたアンソロジーが出るようになって、印象が変わりました。
冒頭の設定を最後でガラリと変えてみせるテクニックと、文章のうまさは脱帽。
文章そのものは翻訳者(大森望、白石朗)に帰するのかもしれませんが。
表題作「不思議のひと触れ」や「孤独の円盤」 . . . 本文を読む
サンカという言葉は戦前の伝奇小説ぐらいにしかお目にかかれない「死語」だと思っていましたが。
ずいぶん前に三角寛の本が復刻されたこともありますが、
そもそもサンカとは何か?
国枝史郎の作品に出てくるような、妖しい力を使う謎の一族?
著者は問題にかかわった視点から、サンカとは江戸時代末の大飢饉時に山中に入った低所得農民だと推測しています。
柳田國男のいう「サンカ=先日本先住民の末裔」ではな . . . 本文を読む
世界の円谷です。
わたしも著者と同い年であるせいか、著者とまったく同じ行動パターンなのがおかしかったですね。
番組のクレジットに「特撮監修 円谷英二」となければB級作品だと思っていた!
これです。
特撮技術そのものもさることながら、映画自体のカット割や演出に細心の注意を払っているような気がします。
「三大怪獣 地球最大の決戦」で手前の鳥居をナメながら遠方のキングギドラを映すカットとか、
「 . . . 本文を読む
一時期、山田風太郎詣でが流行ったことがありました。
誰もかれも晩年の山田風太郎と対談をしたがりました。
あれは何だったんでしょうね。
亡くなってからも、エッセイも出てましたねえ。
忍者もの、明治もの、ノンフィクションと手がけて、
晩年は室町ものに精を出していたのですが、
この「室町少年倶楽部」も面白かったんです。
応仁の乱寸前の将軍と管領はともに10代、
まさに室町少年倶楽部。
冒頭の次期将軍 . . . 本文を読む
帝都モノのミステリや冒険小説は一定の書き手とマーケットがあるようですが、
これが角川文庫で出たころは新作でそんな作品を書く人もなく、
戦前の作品でありながら(だからこそ!)とても新鮮でした。
人を殺して首を切る美貌の少年殺人鬼が、
帝都の銀幕に姿を現したとみるや、
雪で閉ざされた邸宅で凄惨な殺人が!
しかも探偵を挑発するような殺人電話!
こんな惹句が浮かびますねえ。
クイーンの有名な作品を下敷 . . . 本文を読む
英国怪談の巨匠でして、
怪談とは字のごとく「怪」を「談」ずるものでありましょう。
つまらない話でも、誰かが語っているのを聞くと妙にコワイ、という体験がありませんか。
M・R・ジェイムズは大学の先生で、学生たちに自作の怪談を創って聞かせるのが愉しみだったといいます。
なので、短編集の作品はほとんど「語って聞かせた」ものなのです。
だから、ここで「出るのか?」と思わせておいて、じつは聞き手が気を . . . 本文を読む
藤原審爾の「大妖怪」は時代小説ファンならずとも、
「ウルトラQ」や「大魔神」の好きな特撮ファンにもおすすめの短編集です。
妖狐に対抗する巨大石像が動き出すところはそのまんま「大魔神」。
人を襲う大蛸に挑む親子の話は、まさに「ウルトラQ-南海の怒り」です。
どっちが先だったのか、ということよりも、見事のに「ウルトラQ」の世界が小説になっていることに感服。さすが、です。 . . . 本文を読む
ゼラズニイなら「光の王」とか「伝道の書にささげる薔薇」とか言われていると思うんですが、この「ロードマークス」もけっしてそれらに引けをとらない作品だと思います。
2つのストーリーが、時間軸をずらしながら語られて
混乱しそうながら最後にはちゃんと収まるという、
ストーリーテラーの面目躍如な作品です。
でもゼラズニイは短編ではないか?とも思うんですけど。
サンリオで出ていたのが不幸ですねー。早川か . . . 本文を読む