最近、紹介が途絶えていることが気になるタニス・リーです。
作品数は多いのに(だから?)、けっこう当たり外れがあるような気がして、
そこんとこが邦訳しづらい点なのかも。
ファンタジーの姫君とか女王とかあだ名をつけられているそうですが、
この写真はパンクロッカーみたいですね。
プリテンダーズのクリッシー・ハインドみたい。
1994年のインタビューが見つかったのですが、
好きな音楽家は「プロコフィ . . . 本文を読む
その昔、光文社からB5サイズのカッパコミックスとして鉄腕アトムが毎月(?)出ていました。
この鉄腕アトムカッパコミックス版には、
その掲載号のアトムに使われているガジェットをテーマにした読み物が掲載されていました。
それがわたしにとっての、SF・ミステリへの撒き餌だったと気づいたのは、大人になってからのことでした。
誰が書いていたのかもう分かりませんが、
たとえば「コウモリ伯爵の巻」では、都市伝 . . . 本文を読む
植草甚一セレクトの創元社クライムクラブで出たっきりの、
古書価がべらぼうに高いレア本だったのですが、
何年か前に創元推理文庫で出ました。
シカシイッタイドコガオモシロイノカ。
アイラ・レヴィンの「死の接吻」と雰囲気が重なるようにも思えるのですが、
「死の接吻」くらいに突き抜けていれば…
東京創元社のクライム・クラブは1958年から59年にかけて29冊が刊行された、ミステリ叢書です。
収録作品 . . . 本文を読む
ハヤカワ文庫FTではスチームパンク系の作品も出ていたはずなんですが、
いまやとんと新刊さえも見なくなりました。
ブレイロック、ジーター、パワーズがスチームパンク3人衆なんて言われていた頃が懐かしい。
個人的にはパワーズが一番読みやすく、次がジーターで、ブレイロックはなんとも言いがたいほど読みにくい。
下の「リバイアサン」はとても面白そうな設定ではあったのですが、
読みすすめるのが苦痛なうえ、物語 . . . 本文を読む
ハヤカワ文庫ファンタジイは今やブロックバスター的な大河ファンタジイ一色になってしまいましたが、
以前は1冊ものの作品も出ていました。
というか、そっちの方が多かったです。
いつのころからか、
なんとか物語とかなんとかサーガといった大河ファンタジイばっかりになっちゃいましたねえ。
これはまだ今のようになってないころに出た作品です。
現代のロンドンが舞台ですが、屋根の上にもうひとつの世界があるという . . . 本文を読む
今朝の仮面ライダーフォーゼ31話「昴・星・王・国」を見ていたら、
なんと秘密のメッセージを伝える小道具にハインラインの「人形使い」が使われていました。
しかも旧版のほう。ナイスセレクト。
現行版は表紙が士郎正宗で、旧版は加藤直之(加藤直之の作品の中でも傑作の一つだと思いますのに)。
番組で使われていた本はずいぶん読み込まれたあとが見えて、
もしかしたら脚本家(三条陸)の私物なのでは?
ぐいぐい読 . . . 本文を読む
カーの初期におけるバンコラン4部作において、最初の3作「夜歩く」「絞首台の謎」「髑髏城」と、
4作目の「蝋人形館の殺人」とは、謎の重層度が格段に違います。
最初の3作は凡庸な犯人あてミステリの域を出ていませんが、
「蝋人形館の殺人」にはカーが後に発表する傑作の予感を思わせる部分があります。
バンコランは彼自身の性格設定が災いして、
物語の途中でプロットを割ってしまうというやっかいな行動をとるこ . . . 本文を読む