ミステリ的な視点でみると、ラス前5回の驚天動地の展開にいたるまで、
巧妙に伏線が張られていたことに気づきます。
たとえば、
第一幕の冒頭で丈瑠登場の場面、
ジイの彦馬が「こちらにおわすは、志葉家十八代当主~」と名乗りをあげると
「長い」と丈瑠が制します。
これで視聴者は丈瑠が当主だと思いこむのですが、
じつはそれがミスディレクションで、
この場面の本当の意味は名乗りを嫌う丈瑠ということだったん . . . 本文を読む
ロボット(?)のシンケンオーのコックピットの背景は、
金屏風が1枚立っているのだけのすごくシンプルなものです。
あまりの潔さにびっくりしました。
それに代表されるように、セットや小物がややチープなのは、
勝手な推測ですが、東映の倉庫にあるものを再利用していたからではないでしょうか?
不況のおり製作費が最初から削られていたのか、
また再利用したことで制作費を圧縮したのか、
観ている側にはどうでも . . . 本文を読む
円谷(英二)特撮至上主義者だったわたしは、東映の初期特撮ものがビンボ臭くて大嫌いでした。
「仮面ライダー」「イナズマン」「変身忍者嵐」「ゴレンジャー」などなど
(例外的に「赤影」「キカイダー」「ロボット刑事K」は良かったですね)。
戦隊シリーズは一種のギャグとして時おり観ていたていどで、
お子様向けのプログラムTVシリーズだと半分馬鹿にしていました。
ところが!
この「シンケンジャー」にはやら . . . 本文を読む
ディクスン・カーの作品には傑作も多い半面、失敗作も多いんですね。
どの作品が傑作で、どれが失敗作なのかは、人それぞれでしょうが、
「死時計」は失敗作ではないにしろ傑作や佳作に推すのは勇気がいります。
「ジョン・ディクスン・カー 奇蹟を解く男」ではカーの創作マナーについても知ることができますが、
「弓弦城殺人事件」は「未消化のアイデアを集めたもの」(同書P137)とあります。
カーが経済的理由で執 . . . 本文を読む