SFマガジン連載の日本人SF挿絵画家の紹介をまとめたものですが、
たしかに金子三蔵の「20億の針」(クレメント)は不気味というか、
中身とまったく関係ないですね。宇宙船を襲う花みたいな生物は?
加藤直之「発狂した宇宙」(ブラウン)は珍しくメカものじゃなく、
作品世界をばっちり絵にしているところはさすがです。
中西信行の「バベル17」(ディレーニイ)、リドラ・ウォンが南沙織に似ているような。
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読み終えるのにすいぶん時間がかかってしまった。
なぜなんでしょうね。
雑誌やアンソロジーに1編だけ掲載されているのならともかく、
1冊全部読もうとすると、繰り返しあらわれる同じモチーフ
(古い屋敷、水への恐怖など)にたじろいでしまいます。
執拗なまでに似たような設定の作品自体の持つ恐怖度より、
それを書かざるを得なかった作者の心の暗黒面が読み手に
ある種の強迫感を与えているように思えます。
読 . . . 本文を読む
前作「迷走パズル」よりストーリー、謎とも複雑に作られているので面白いのですが、
たたみかけるような小騒ぎの連続がロースンの「帽子から飛び出した死」みたいで、めまいがしそう。
キャラクターが細かく出入りするのはアメリカ人の作風なんでしょうかねえ
(合作の作者2人はイギリスからアメリカへ帰化)。
今作は「迷走パズル」に比べるとキャラクターも比較的奥行きがありますが、
謎解き寸前まで散らかった筋なのは合 . . . 本文を読む
角川書店の「横溝正史読本」を読む。
再読ですが(再どころか何度も)、小林信彦が好きではないので、
読むたびにダブルバインドな心持ちです。
とはいえ、小林信彦による横溝正史インタビューは文句なく楽しいです。
話す内容を分かってくれる相手には警戒心もなく、思ったことを腹蔵なく言えるんでしょうね。
じつは元版には文庫版では割愛された正史の日記が載ってました。
昭和40年の1年間の日記ですが、
昭和 . . . 本文を読む
ドリス・レッシングの短編集「グランド・マザーズ」所収の「最後の賢者」は、
文明崩壊後の世界を舞台にしたSFかと思いきや、じつは・・・という話。
ドリス・レッシングは2007年にノーベル文学賞を受賞している文学者ですが、
じつは「アルゴ座のカノープス」というSFも書いていました。
「最後の賢者」は日本語の選び方次第で未来の話にも、古代の話ともとれるわけで、
ラストのツイストもそこのあたりを狙っている . . . 本文を読む
思っていたより面白かったです。もうしわけない。
俳優パズルも読んでみます。
面白いと予想できなかった理由、
パトリック・クェンティンが本格を書いていたとは知らなかった。
昔創元で出ていたのは後期のサスペンスものだったので(猫マークだったはず)。
ネタばれ
探偵役が失敗するところ(謎解きが二段構えになっている)。ここまで
面白いと思った理由、
冒頭数十ページでネタ割れしたと思ったら、まんまとミスデ . . . 本文を読む