空蝉

2005年08月02日 03時27分12秒 | Weblog
セミ食べてきましたよ。(7月19日の日記参照)

結論から言ってしまえば、とっても美味しかったです。セミ。
何でも偏見は良くないよなあ。あんなに美味しい食材を、今まで見向きもせず放っといたなんて実に勿体無い話だ。

当日、都内某所に集合。
一人で行くのも寂しいので友人も強制連行。
参加する前は「虫を食うなんていったいどんなファンキーな連中なんだ」と多少緊張もしていたのだけど、実際参加してみるとメンバーの皆さんいたって普通の紳士淑女で優しい人ばかり。雑誌の取材も来ていて賑やかでなかなか楽しい雰囲気。というか、女性が多数参加していたのには正直驚いたな。

まずは食材である「セミの幼虫」を捕まえに、参加メンバー全員で近所の公園へ。
採集タイムは5時から8時まで。
ごくごく普通の公園で、こんなトコでセミの幼虫なんか捕れるんかい、と訝りもしたがそこはさすがプロの方々。

捕れる捕れる。ワンサカ捕れる!
最初はなかなか捕れなかったんだけど、暗くなってからはまさに大漁セミタイム。もう楽しくて楽しくて、夢中でしたよ。体中泥んこ状態。こんなに心の底から「楽しい」と思った体験は久しぶりかも。
セミの羽化の様子も観察できて大感動。美しいな生命って。
途中、セミの羽化の様子を観察に来ていた家族連れに「そんなに捕ってどうするんですか?」と聞かれてシドロモドロになりつつも、なんとか無事に食材大量ゲット。
まさか「食べるんです」なんて言えないしなあ・・・

そんな訳で食材も十分集まったので調理室に集合して調理開始。

今回のメニュー

セミ幼虫の串揚げ、セミ幼虫の燻製、アリタマチャーハン、サクサンと蚕のトマトソース煮込み、冬虫夏草の串揚げ etc

いやあ素晴らしいメニューだ。
「セミの串揚げ」は本当に絶品でしたよ。植物風味のエビの唐揚げ、とでもいうんでしょうか。普通に美味かった。アリストテレスの言うとおりでしたね。虫は食える。セミは美味しい!
燻製もなかなか乙な味で、酒の肴にぴったり。焼酎もすすんで良い気持ち。漫画版ナウシカの蟲の卵が美味しそう、といったマニアックな話題で盛り上がる。
微妙な料理も正直いくつかあったけど。素敵な集いでした。

本当、今回はいろんな意味で良い経験になりました。
人間の感覚なんて主観的で曖昧なもんなんだなあと改めて実感。例えば、日本人にとってタコはご馳走だけどユダヤ教の人にとってはまさに「デビルフィッシュ」なわけでしょ?虫だって客観的には「食べられる」訳だから、あとはそれぞれの好みの問題であってそれを人に押し付けるのは良くないな、と。
「虫を食べる」なんて聞くと眉をしかめる人も多いだろうけど、それは主観。虫食を非難する事は虫食を強制するのと同程度には美しくないと思うわけで。どんなタブーも地球のどこかでは必ず行われているもので、どんな価値観にも「絶対」は存在しないわけで。なんでもかんでも頭から否定してしまうのは良くないなあ、

と、美味しい唐揚げを食べながら思ったのでした。

というわけで今回の「セミ料理の集い」の様子は「虫食文化研究会」のHPおよび8月25日発売の雑誌「オレまる」に掲載される予定なので、興味のある方は是非どうぞ。

さあ、あなたも今夜の食卓にセミなど如何。
コメント
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