テルマエ・ロマエ

2010年06月03日 15時54分52秒 | 自然・旅
生存報告です。

参院選予備選挙以来、現在の仕事を辞める事も決まり、引き継ぎやら何やらで何かと忙しい日々でありましたが、ようやく一段落付いたので、友人と温泉旅行に行ってきました。

目指すは奥鬼怒、日光澤温泉です。
ここは奥鬼怒の山奥の一軒宿で、車では行けず、駐車場から山道を2時間も歩かなければ辿り着けない秘湯の宿です。
ここも含め、八丁の湯、加仁湯温泉、手白沢温泉の奥鬼怒四秘湯のいずれかに泊まるのは小学生の頃からの憧れでしたが、ようやく夢が叶いました。

「宿から歩いて行ける所にコンビニが無きゃ嫌だ」と嫌がる友人をなんとか説得し、素人なりの山岳装備を整えて山道に挑んだのですが、道中想像以上にキツい山道で、正直リバースしかけました。
高校時代は山岳部で鍛えたはずなのに・・・クソッ。
先ずは中継地点である加仁湯温泉を目指します。

山道を歩く事1時間半、這々の体でようやく加仁湯温泉に辿り着きますが、宿のあまりの立派さに、正直がっかり。
私が小学生のときに読んで、奥鬼怒四湯に憧れるきっかけとなったガイドブック「エアリアガイド露天風呂の旅」(1987年昭文社刊)には、加仁湯についてこう書かれていたのですよ。

「沢ガニが多かったので、のちに加仁湯と書くようになる。登山者、釣り人に愛好される素朴な岳人小屋。食膳には、山菜、キノコ、熊肉の刺身や脳味噌等の珍味がのる」と。

イイ顔をしたオジサンの入浴写真とともに、小屋の外観や料理も掲載され、子供心に「熊の刺身!脳味噌!!すげえ!!そんな秘境がまだ日本にあるんだ!行きたい!」と感動したものです。

それがいまや・・・
憧れの加仁湯温泉は、バブル期を彷彿とさせる無意味にデカイ巨大ホテルと化してしまっていました。何コレ

どう考えても、山奥に似つかわしくない。風情のフの字もない、ただの温泉ホテルになっていました。どう見ても熊の脳味噌が出る様な雰囲気じゃあない。
少なくとも、奥鬼怒の自然を(景観的にも環境的にも)大規模に破壊している様に思えてなりません。
ロビーにはカラオケルームやコインロッカーまで備えてあって、秘湯の雰囲気台無しです。猛省を促したい。25点。

そして絶望感にかられながら可仁湯を出発し、さらに歩く事15分。
とうとう目指す日光澤温泉が見えたとき、本当に感動しましたさ。

だって、小学生のときにガイドブックで見た姿そのまんまだったんですもの!

まるで昔の小学校の様な姿の木造の山小屋。
小屋の周りは薪が積まれ、(暖房はコタツと薪ストーブのみ!)水飲み場にはこんこんと湧き水が溢れている。
まるで何世代か前にタイムスリップしたかのようです。
部屋に入って浴衣に着替え、さっそく温泉に飛び込みましたが、温泉もすごい。
2種類の温泉が掛け流しで、露天風呂は景観も雰囲気も落ち着いていて素晴らしいし、内湯も時代を感じさせるシブイ作りで、天井は高いし、温泉の鮮度も抜群。
なんとカランから出るお湯まで源泉といった贅沢ぶり。
心がこもった素朴な料理も美味しかったし、何より一番驚き、また感動したのは、建物全体の掃除が隅々まで行き届いている事。冗談抜きで、塵一つ落ちていないのです。
宿にはスリッパが無いので裸足で過ごすんですが、ピカピカの板張りの廊下を歩くのは本当に気持ちよかった。
つかず離れず、絶妙な接客とおもてなしの心にも、本当に感動しました。

何もかもが加仁湯とは好対照。時代に媚びず、流されず、拝金主義に陥らず、何十年も古き良き時代の宿の在り方を守り続けている日光澤温泉、本当に素晴らしい宿です。
どうかこれからも変わらずに在って欲しいと願うばかりです。応援しています。6,700,000点。

あと、公共事業の大切さも解るが無駄な砂防ダムが多すぎです。
素人目に見ても、明らかに無駄に数の多い砂防ダム(とそれに伴う遊歩道の整備)の所為で、秘境の雰囲気台無し。何でもコンクリートで固めればいいってもんじゃないと思うがな。

今回の旅で分かった事

�山を甘く見てはいけない。
�雪山を甘く見ると確実に死ねる。
�手作りの雪駄は役に立たない。
�雪山登山では「勇気ある撤退」も必要。
�手白沢温泉の飼い犬「クロ」は、日光澤温泉の客でも分け隔てなく助けてくれる。
�「無駄な」公共事業はやめるべき。
�どんなに綺麗に見えても沢の水を飲んではいけない。
�混浴に実際若い女性が入ってくるとドギマギしてしまう。
�日光澤温泉のクレソンはエコ。
�硫黄泉に入りすぎると4~5日間は身体から硫黄のにおいが抜けなくて困る。

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