済州島国際観艦式における旭日旗掲揚問題と、日韓関係の今後について

2018年10月11日 12時47分56秒 | 政治に対する意見
幾つかの台風も過ぎ去り、ようやく秋らしい穏やかな日和となりました。
この季節が過ぎれば、もうあっという間に冬がやってきますね。

さて先週末は、館山航空基地開隊65周年記念式典に参加しました。
会場では式典のほか、展示飛行として救難活動訓練の様子なども披露されました。

館山航空基地は、海自のヘリコプター基地として哨戒任務や災害時の救難活動、ソマリア沖アデン湾の海賊対処活動など多種多様な任務に従事しています。
マスコミの報道や評論などで自衛隊について思うところはあっても、その実際の活動や、基地内の様子、自衛官の生の声を見聞きした事がある方はまだまだ少ないのではと思います。
自衛隊に興味のある方はもちろん、むしろ、自衛隊の活動に批判的な方や、平和について深く考える方にこそ、自衛隊の事もっと知って頂きたいなと思います。
勝浦市の平和は、日本の平和、世界の平和があってこそ。
平和について考えるとき、そこにタブーや偏見があってはならないと思います。自衛隊の事が好きな人も、嫌いな人も、胸襟を開いて共に考え議論することに意味があります。
勝浦市協力会では引き続き基地見学会や懇談会を開催していますので、自衛隊について質問や興味のある方はいつでもご連絡ください!

飛行展示の様子




館山航空基地名物「館空カレー」、美味しいです!


海上自衛隊といえば、本日11日韓国済州島で開催される国際観艦式における自衛艦旗掲揚問題と、それに伴う観艦式への不参加が(テレビ以外で)大きな話題となっています。
簡単に言えば、韓国政府が観艦式における「旭日旗」、つまり現行の自衛艦旗の掲揚を自粛するよう求め、海上自衛隊側はそれを理由に国際観艦式への不参加を決めたというニュースです。

事件の詳細については様々なメディアで取り上げられていますので、下記リンクからご確認ください。
日本の安全保障に関わるニュースは、各新聞社の政治的立場により明確に論調が変わりますので、読み比べてみると良いかと思います。

海自観艦式へ不参加 韓国で開催、旭日旗の自粛要請で(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20181006/k00/00m/010/098000c

韓国観艦式、不参加へ 海自艦、旭日旗自粛応じず(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36184330V01C18A0EA3000/

旭日旗の掲揚 日本の「誇り」は譲れない(産経新聞)
https://www.sankei.com/column/news/181011/clm1810110001-n1.html

日本経済新聞の記事や、韓国国内の論調を見ると、
「過去の戦争で使用していた旭日旗の掲揚は韓国国民にとって耐え難いものであり、それを掲揚自粛するべき」
「しかし自衛隊はそれを受け入れられず、参加を見送った」
つまり日本が悪い、という風にも感じられるかもしれません。

しかし、問題の本質はそこではありません。
韓国側の「軍艦旗を降ろせ」という要請がいかに非常識なものであるかということを理解し、
どのような理由であれ、自衛艦旗を降ろすというのは、自衛隊のみならず日本国の主権と誇りにもかかわる大事な問題で、到底認められないということを理解しなくてはなりません。

国連海洋法条約は、軍艦に所属国の軍籍を示す「外部標識」の掲揚を義務付けています。
これが軍艦旗、つまり自衛艦旗で、海上における国の主権の象徴として、国際法により最上級の敬意が払われるものです。
今回問題となった自衛艦旗「旭日旗」は、1954年の自衛隊創設以来一貫して使用され、あらゆる場面で国際上認められている旗であり、国際慣習上「国旗」と同様の扱いがされるものです。
自衛隊法や海自旗章規則でも、自衛艦には航行中に自衛艦旗を常時掲げることを義務付けているため、この旗を降ろすということは自衛艦に降伏を迫るような無理難題なのです。

今回韓国が主張した、「軍艦旗を降ろして韓国の国旗を掲揚せよ」などという依頼は、外交上、とんでもない非礼ということになります。
もっとわかりやすく言えば、例えるなら合同祭において当番区が「他の区は神輿の鳳凰を降ろして当番区の名前を掲げろ」と言っているようなものです。

なぜこのようなとんでもない要請を韓国政府が行ったかといえば、そこには政治的な意図が見え隠れします。
国際観艦式に先立ち、韓国の国会では与党議員が「旭日旗禁止」法案を提出し、話題となりました。
旭日旗、つまり自衛艦旗は旧日本軍の旭日旗と同じデザインで、近年になって韓国国内で軍国主義の象徴とされ、反日の材料として利用されているからです。

これについての詳しい経緯は、下記のブログ記事にわかりやすくまとめられています。

韓国観艦式自衛艦参加中止~非難されるべきは韓国の非常識なふるまいだ(BLOGOS 木走正水)
http://blogos.com/article/330057/

今回の問題については韓国国内でも大きな議論となっています。
韓国国内の若者は、こうした日韓関係に関わる問題をある程度冷静に見ているのかもしれません。

韓国人 旭日旗は反日煽動の道具である(カイカイ反応通信)
http://blog.livedoor.jp/kaikaihanno/archives/54257648.html

竹島問題が大きく取り上げられた2012年、私は過去のブログ記事でこう書きました。

今回の尖閣・竹島問題に関しては、様々なご意見や立場があると思います。
しかし、これまでの日本は正しい事を正しいとすら言えない、或いは、間違っていることを事を間違っているとすら言えない、歪んだ状態にあった事は事実。
日本国が、日本の領土・領海を守り国民の安全と利益を保護することは国家として最低限の義務、当たり前の話です。
そんな当たり前の事すら主張できなかったのは、やはり異常としか言いようがありません。
ここにきて日本国民が「おかしい」と気付き始め、左に偏り過ぎたイデオロギーを「真ん中」に戻そうとする動きが出て来たのは至極当然の事ですし、それは日本にとって好ましい流れとも思いますが、反動で一気に右傾化する事は止めなければなりません。
ここが保守派政治家の踏ん張りどころです。
日本が自虐史観から抜け出し、本来の矜恃を取り戻すことが出来るのか。今まさにその瀬戸際、時代の転換点に立っているのだと感じます。


今回の韓国政府の判断は、非礼かつ非常識で厳しく非難されるべきものです。
しかし一方で、韓国国民全員が反日ではないという当たり前の事実もしっかりと認識しなくてはなりません。
一部のインターネット掲示板などを見ていると、韓国との関係悪化を懸念するどころか賞賛するような記事も多く見られます。

日韓共同宣言から20年。
日韓関係が未来に向けて前向きに進むためにも、その時々の問題をしっかりと見極め、冷静に対処していくべきだと感じます。
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