大谷コレクション肉筆浮世絵
美の競演-珠玉の浮世絵美人
2007年7月7日から8月19日 (前期は7月29日まで、後期は7月31日から)
ニューオータニ美術館
大谷コレクション。ホテルニューオータニの創業者である大谷米太郎翁(1881-1968)のコレクション。その多くは、京都の画商の松木善右衛門(1864-1931)氏から神田鐳蔵氏(1872-1934)の手をへて、昭和37年頃、大谷氏の所蔵となったという。(松木氏の版画は、神田鐳蔵氏から斎藤報恩会などを経て、現在リッカーミシンの創業者平木信二氏の所蔵となり、それ以降平木浮世絵財団の所蔵になったという。)2005年に出版された図録「太田にコレクション肉筆浮世絵」には、109点が掲載されているが、今回は前期後期あわせて、57点が展示される。
なかなか良かったのは
髪すき十郎図 宮川長春(日本繪宮川長春圖)「曽我物語 巻六。父の敵である工藤祐経を討つ機会を得た曽我十郎が恋人の虎御前にわかれを告げ、髪を梳かせ香を焚き染める場面。画業後期の作と推定される」とのこと。
文の滝図 川又常正。柱絵風の画面。「咲はなに こゐものぼるや 文の滝」と賛。
見立紫式部図 松野親信(柏照軒松野親信圖之);表装が立派。
久米仙人図 竹田春信(日本畫竹田春信圖)「今昔物語などに見られる久米仙人の説話が画題。吉野の久米仙人が、吉野川で洗濯をする若い女性の白い脛を見て神通力を失って墜落した。」
春の野遊び図 西川祐信 双幅(西川右京祐信画之);桜の小枝を持つ若衆と小川に佇む娘。娘の鉄線文様の小袖の衣装など鮮やかで美しい。
初午図 勝川春章;月次風俗図。子供表現がかわいい。
桜下男女図 法橋礒田湖龍斎;表装にBWeVなどと牛(?)の図柄がありましたが、どなたが表装したのでしょうか?
雪中二美人図 窪俊満
ほたる狩図 北尾重政;躍動的な画面。
美人と若衆図(重要美術品)喜多川歌麿
見立琴高仙人図 礫川亭栄艃(前期のみ);おどけた女性の表情と装飾的な青海波文様。
大原女図 歌川豊春;落ち着いた画面は、日本画を思わせる。
月下の仏御前図 蹄斎北馬
美人雪中舟遊図 蹄斎北馬
遊女図 蹄斎北馬;
洗髪美人図 魚屋北渓;おどろおどろしい髪
吉原大門図 鈴木其一(其一戯画);賑やか風俗画。このような其一の作品もあるのですね。
地獄太夫図 河鍋暁翠
など
後期には、舞踏図(重要美術品)が出展される。
昨年後半から、肉筆浮世絵を纏まって鑑賞する機会が多い。
肉筆浮世絵のすべて 出光美術館 (前期)、(後期)
企画展「風俗画と肉筆浮世絵~館蔵肉筆画の精華~」たばこと塩の博物館 (前期)、(後期)
ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展「江戸の誘惑」 (1)、(2)
さらに、内藤正人「浮世絵再発見」を拝読。(内藤氏は出版当時、出光美術館の学芸員、現在慶応大学)
肉筆浮世絵も、(大量生産の)工房作の仕込絵と、(大名などが求めた)特製品があることを、頭に入れて鑑賞するようにしている。そのときにやはり気になるのは表装。図録にも(オリジナルかはあるが)表装含めて掲載してほしい。立派な金襴手だとやはり特注品だろう。図柄も覚え切れませんし。
美の競演-珠玉の浮世絵美人
2007年7月7日から8月19日 (前期は7月29日まで、後期は7月31日から)
ニューオータニ美術館
大谷コレクション。ホテルニューオータニの創業者である大谷米太郎翁(1881-1968)のコレクション。その多くは、京都の画商の松木善右衛門(1864-1931)氏から神田鐳蔵氏(1872-1934)の手をへて、昭和37年頃、大谷氏の所蔵となったという。(松木氏の版画は、神田鐳蔵氏から斎藤報恩会などを経て、現在リッカーミシンの創業者平木信二氏の所蔵となり、それ以降平木浮世絵財団の所蔵になったという。)2005年に出版された図録「太田にコレクション肉筆浮世絵」には、109点が掲載されているが、今回は前期後期あわせて、57点が展示される。
なかなか良かったのは
など
後期には、舞踏図(重要美術品)が出展される。
昨年後半から、肉筆浮世絵を纏まって鑑賞する機会が多い。
さらに、内藤正人「浮世絵再発見」を拝読。(内藤氏は出版当時、出光美術館の学芸員、現在慶応大学)
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肉筆浮世絵も、(大量生産の)工房作の仕込絵と、(大名などが求めた)特製品があることを、頭に入れて鑑賞するようにしている。そのときにやはり気になるのは表装。図録にも(オリジナルかはあるが)表装含めて掲載してほしい。立派な金襴手だとやはり特注品だろう。図柄も覚え切れませんし。