サントリー美術館開館記念特別展 ビオンボ(II期)
BIOMBO/屏風 日本の美
2007年9月1日から10月21日
サントリー美術館
今回のサントリー美術館のBIOMBOは気合がはいっています。「屏風の変遷をたどるとともに《屏風の成立と展開》《儀礼の屏風》《BIOMBOの時代 屏風にみる南蛮交流》《近世屏風の百花繚乱》《異国に贈られた屏風》《海を越えた襖絵と屏風絵》という多角的なアプローチで屏風の魅力に迫り、貴重な名品をご覧いただきます。」その通りの展覧会。必見。惜しむらくは何度も通わないといけないこと。
まず、目に飛び込んでくるのは、
42 重要文化財 泰西王侯騎馬図屏風 四曲一双 サントリー美術館蔵;会津若松の鶴ヶ城に伝来した八曲屏風のひとつ。キリシタン大名の蒲生氏郷の所蔵。騎馬像の原図は、アムステルダム刊行の1606~1607年のウィレム・J・ブラウ世界地図を、1609年に改訂した大型の世界地図(現存しない)の装飾にあると想定されている。右より、ペルシア王、アビシニア王(エチオピア王)、フランス王アンリ四世、左端はギーズ大公フランソワ・ド・ローランともカール五世とも。神戸市立博物館の所蔵の「泰西王侯騎馬図屏風」四曲一双と一連。;五月に会津を訪問して是非見たいおもっていた一品。四曲ニ双で鑑賞したかった。
1 屏風の成立と展開
1 国宝 山水屏風 六曲一隻 平安時代 11世紀後半 京都国立博物館;東寺伝来、平安時代唯一の遺例。
6 重文 日月山水図屏風 六曲一双 室町時代 16世紀 河内長野・金剛寺;大胆な山なみ、うねる流水、漲るエネルギー。自然のエネルギーが画面いっぱいに広がる。宗教的なパワーを得たような気分になる。加山又造の「春秋波濤」(東近美)は本作品に着想を得たのだろうが、比較してしまうと装飾的だ。この作品を見逃さないようにとⅡ期までに訪れたかいがあった。
15 厩図屏風 六曲一双 室町時代 16世紀 宮内庁三の丸尚蔵館;十二頭の馬が厩にいるさまを描き分けている。厩図屏風の最も古様の作品。
2 儀礼の屏風
25 悠紀・主基地方風俗歌屏風(平成度) 東山魁夷・山辰雄筆 六曲二双 平成2年(1990) 宮内庁;前期に展示されているのは、 東山魁夷の悠紀・右隻。秋田の桜を描く。
30 白絵屏風 伝原在中筆 六曲一双 江戸時代 18~19世紀 京都府立総合資料館;出産の際に用いられたという。鶴亀松竹と吉祥文様を胡粉と雲母で描く。
3 BIOMBOの時代 屏風に見る南蛮交流
41 重文 レパント戦闘図・世界地図屏風 六曲一双 桃山時代 17世紀初 香雪美術館;この屏風の西洋的な画面を仕上げたのは本当に日本人ならば日本人の器用さはやはり素晴らしい。
4 近世屏風の百花繚乱
54 重文 豊公吉野花見図屏風 六曲一双 桃山時代 17世紀 細見美術館;昨年細見美術館で投票で選ばれながら展示されていなかった作品、ちょっと状態がわるい。
5 異国に贈られた屏風
83 賀茂競馬図屏風 狩野董川中信筆 六曲一双 江戸時代 安政3年(1856) ライデン国立民族学博物館
85 墨梅図屏風 狩野休清実信筆 六曲一双 江戸時代 安政3年(1856)ライデン国立民族学博物館
幕末にオランダ政府からの蒸気船をプレゼントされた幕府が、返礼に贈った屏風15点が今回来日している。保存状態は完璧で、金屏風の豪華さを体感。
6 海を越えた襖絵と屏風絵
95 祇園祭礼図屏風 二曲一隻 江戸時代 17世紀 ケルン東洋美術館
96 祇園祭礼図屏風 六曲一隻 江戸時代 17世紀 サントリー美術館
97 社頭図屏風 二曲一隻 江戸時代 17世紀 メトロポリタン美術館
98 賀茂競馬図屏風 六曲一双 江戸時代 17世紀 クリーヴランド美術館
3Fへと階段を下りると、上記の22曲の屏風が並べてあった。一連の襖絵だったと推定されるとのこと。大振りの人物が行列する様から、京の祭礼の賑々しさが伝わってくる。サントリー美術館とクリーヴランド美術館の屏風は状態も良。社頭図屏風は上賀茂神社の鳥居を描き、それとクリーヴランド美術館の賀茂競馬図屏風が並べられ、13曲となると 賀茂競馬図も確かに完成。往時の襖絵の華やかさがここに再現。
100 松下麝香猫図屏風 狩野雅楽助之信筆 六曲一隻 室町時代 16世紀 ボストン美術館
101 樹下麝香猫図屏風 狩野雅楽助之信筆 六曲一隻 室町時代 16世紀 サントリー美術館
別冊太陽「狩野派決定版」によれば、元信の弟、狩野雅楽助によるボストン美術館の松下麝香猫図屏風はビゲロー・コレクションの中の最高傑作とのこと。たしかに、中国風の山水、松の幹。それと対比されるした麝香猫の毛並みは特に素晴らしい。
BIOMBO/屏風 日本の美
2007年9月1日から10月21日
サントリー美術館
今回のサントリー美術館のBIOMBOは気合がはいっています。「屏風の変遷をたどるとともに《屏風の成立と展開》《儀礼の屏風》《BIOMBOの時代 屏風にみる南蛮交流》《近世屏風の百花繚乱》《異国に贈られた屏風》《海を越えた襖絵と屏風絵》という多角的なアプローチで屏風の魅力に迫り、貴重な名品をご覧いただきます。」その通りの展覧会。必見。惜しむらくは何度も通わないといけないこと。
まず、目に飛び込んでくるのは、
1 屏風の成立と展開
2 儀礼の屏風
3 BIOMBOの時代 屏風に見る南蛮交流
4 近世屏風の百花繚乱
5 異国に贈られた屏風
幕末にオランダ政府からの蒸気船をプレゼントされた幕府が、返礼に贈った屏風15点が今回来日している。保存状態は完璧で、金屏風の豪華さを体感。
6 海を越えた襖絵と屏風絵
3Fへと階段を下りると、上記の22曲の屏風が並べてあった。一連の襖絵だったと推定されるとのこと。大振りの人物が行列する様から、京の祭礼の賑々しさが伝わってくる。サントリー美術館とクリーヴランド美術館の屏風は状態も良。社頭図屏風は上賀茂神社の鳥居を描き、それとクリーヴランド美術館の賀茂競馬図屏風が並べられ、13曲となると 賀茂競馬図も確かに完成。往時の襖絵の華やかさがここに再現。
別冊太陽「狩野派決定版」によれば、元信の弟、狩野雅楽助によるボストン美術館の松下麝香猫図屏風はビゲロー・コレクションの中の最高傑作とのこと。たしかに、中国風の山水、松の幹。それと対比されるした麝香猫の毛並みは特に素晴らしい。