徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

ボストン美術館 浮世絵名品展

2008-10-07 | 絵画
特別展 ボストン美術館 浮世絵名品展
2008年10月7日から11月30日
江戸東京博物館

ボストン美術館 浮世絵名品展。図録によれば、これから3回にわたって開催される第一回という。
4章で構成されるが、第1章 浮世絵初期の大家たち、第2章 春信様式の時代 この2章が圧巻。ほとんどがWilliam Sturgis Bigelow Collection。

第1章 浮世絵初期の大家たち。紅漆絵がこんなに美しい色彩とは。これは-ミネアポリス美術館秘蔵コレクション-でも「紅摺絵の発色の良さに吃驚。」と書いたのだが、忘れていたのを、また今回もしみじみと感じた。

第2章は春信が15点、礒田湖龍斎の雛形若菜の初模様が6点。第3章になるが一筆斎文調が5点。

春信15点は、何と時代順に並ぶという豪華さ。
  • 22 鈴木春信(見立三夕)定家 寂連 西行 宝暦13年から明和元年; MFA11.19730;
         定家 みわたせは花も ももぢも なかりけり 浦の とまやの秋の 夕暮
         寂連 さびしさは そのいろとしも なかりけり 槙たつ山の 秋の夕くれ
         西行 心なきみにも あはれは しられけり 鴫たつ さはの秋の夕暮
  • 24 鈴木春信 (馬上の朝鮮人) 明和元年;MFA53.347;明和元年の朝鮮通信使の制作と推定されるとのこと。
  • 25 鈴木春信 (雨中美人)(初版)明和2年頃;MFA 11.19430;画工 鈴木春信 彫工 遠藤五縁 摺工 湯元幸枝と彫工、摺工の名前が入っている。
  • 26 無款(鈴木春信)(見立浦島)明和2年;MFA11.19424
  • 27 無款(鈴木春信)(源氏窓に若い男女)明和2年;MFA11.19447

  • 28 無款(鈴木春信)(見立夕顔)明和3年頃;MFA53.348,53.349
  • 29 鈴木春信 坐鋪八景 ぬり桶の暮雪 明和3年頃;MFA11.19440;
  • 30 鈴木春信 坐鋪八景 鏡台の秋月 明和3年頃;MFA11.19441; この2点は残念ながら再版。初版はシカゴ美術館にしかないのでしょうか?
  • 31 鈴木春信 (飛雁をみる二美人)明和4-5年頃;MFA11.19458
  • 33 鈴木春信 (女三の宮と猫)明和4-5年頃;MFA11.19508

  • 34 鈴木春信 水仙花 明和6年頃;MFA11.19513
         水仙花 花姿霜にしやれたる水仙は 葉さへひとねち人をなすます
  • 35 鈴木春信 (永楽庵の女たち)明和6年頃; MFA34.342
  • 36 鈴木春信 寄菊 明和6-7年ごろ;MFA34.345
         待ちえしとおもふ夕へもとふ人の 袖なき色なるしらきくの花 為敦
  • 37 鈴木春信 浮世美人寄花 南の方 松坂屋内 野風 藤 明和7年頃;MFA11.19507
  • 40 鈴木春信 (伊達虚無僧姿の男女)明和7年頃;MFA11.19712

    東京展では次の4点は展示されなかった。
  • 23 鈴木春信 朝鮮人行烈 明和元年;MFA11.30408
  • 32 鈴木春信 (子供の獅子舞);MFA11.19466
  • 38 鈴木春信 浮世美人寄花 笠森の婦人 卯花;MFA11.19515
         卯の花のさからならすは山里の かきほにたれかこゝろとめまし
  • 39 鈴木春信 (松葉屋の遊女たち);MFA11.19520

    礒田湖龍斎の雛形若菜の初模様では、やはり
  • 51 礒田湖龍斎 雛形若菜の初模様 がくたはらや内 れん山
    の黒地のバックがシック。

    第3章 錦絵黄金時代 では歌麿の大首絵以前の
  • 71 喜多川歌麿 (月宮殿)
    に目がいった。あとは
  • 72 喜多川歌麿 青楼仁和嘉女芸者之部 扇売 団扇売 麦つき
  • 73 喜多川歌麿 (蚊帳)
  • 75 喜多川歌麿 (鷹狩り行列)
  • 76 喜多川歌麿 音曲恋の操 おこま 才三郎
    次の2点は展示されず。
  • 74 喜多川歌麿 (柿もぎ)
  • 77 喜多川歌麿 近代七才女詩歌

    第4章 幕末のビックネーム では、チラシにも載っている国政に目がいく。現代的な構図。
  • 90 歌川国政 (市川海老蔵の暫)寛政8年(1796)
  • 91 歌川国政 (三代市川八百蔵)寛政8年(1796)
  • 92 歌川国政 (松本米三郎)寛政8年(1796)

  • 111 歌川広重 東海道五十三次内 丸子 名物茶屋;鞠子に直す前の丸子が初版だと勉強した。

     実は初日の開館早々にでかけた。金曜日の夜は開館していないというのを知って、土日以外で都合をつけたらここしかなかった。ゆっくり鑑賞できて満足。


  • コメント    この記事についてブログを書く
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする
    « 2008年9月の記録 | トップ | 紫式部日記絵詞断簡 @「森... »
    最新の画像もっと見る

    コメントを投稿

    ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

    絵画」カテゴリの最新記事